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第七部

可愛いに弱い?

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「えっ? ちょっ、ちょっとどこに………」

訳が分からず連れて行かれる向井を、

残った者たちが呆気に取られて見ていると、

「安達君と三鬼は行きたい場所があるみたいで、

向井さんに連れいってもらいたいみたいよ」

弥生が笑いながら説明した。

「あいつは一人で出かけられないのかよ」

牧野が不貞腐れて文句を言った。

「大好きな人を取られて拗ねてるね~」

ディッセが笑いながら牧野の肩に手をまわした。

「そ、そんなんじゃねぇよ」

牧野がムッとして手を払いのけるのを見て、

ディッセ達が笑った。

「そうだ。弥生ちゃんと真紀子さん。

明日時間ある? 」

フェムトンが二人の顔を見ると聞いた。

「えっ? 仕事もそんなに溜まってないから、

大丈夫だと思うけど」

「私もこのところ焼却数少ないから平気よ。

何かあるの? 」

弥生と真紀子がフェムトンの顔を見ると、

「これ~」

フェムトンがタブレットの画面を見せた。

「なにこれ~クラフトマルシェ!? 」

二人の顔に笑顔が広がった。

「この前、真紀子さんと繊維問屋街に行ったじゃない。

で、その時にお店の方が教えてくれたのよ」

クラフトマルシェの参加作家をスクロールしながら、

話し始めた。

「この作家さんて弥生ちゃんお気に入りの人でしょ? 」

「あっ!! ホントだ!! やだ~チェックしてなかった。

この作家さんもここに出店してるの? 」

そういってフェムトンを見た。

「そうなのよ~私と真紀子さんが好きなバッグ作家さんも、

今回参加されるんだって。

だから見に行こうと思って。どう? 一緒に行かない? 」

「行く~」

二人は同時に言うと、フェムトンと手を握りながら、

楽しそうに飛び跳ねた。

牧野達が呆気に取られてると、

「弥生ちゃん達お出かけするの? 」

「わらわも行きたい」

こんと呉葉が上を見て言った。

「いい子でいられる? 」

弥生の言葉に二人が頷く。

「そうそう。ここに………」

フェムトンが言いながら画面を動かし、

「子供服の作家さんが出るんだけど………

可愛くない? 」

三人がこんと呉葉を見て、

「似合うよね~」

笑顔で頷いた。

「女性はいくつになっても、

可愛いに弱いね」

アートンはそういって笑うと、

ディッセ達は休憩室に歩き出した。



休憩室に入ると、

安達と三鬼がタブレットを見せて、

向井に何かを話している。

セーズが気になって覗くと、

「恐竜王国の自給自足生活? 」

恐竜のアニメが画面に映し出されていた。

「俺、動く恐竜見てみたいの」

「僕も見たい」

二人がきらきらした瞳で見つめてくるので、

向井も思わず笑顔になると、

「じゃあ、明日行ってみようか」

と言った。
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