『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第六部

真神登場

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「よかったじゃないか。三鬼。

これで毘沙門天もここに来る口実ができたね」

「そういう事ですか」

妖鬼の話に向井は笑うと毘沙門天を見た。

「だって、ここはいつも楽しそうだろう。

今日も弁財天と来るはずだったんだけど、

あの人忙しくてね。

それで真神と来たんだけど………

アイツはどこをうろついているんだ? 」

部屋の中を見回した。

「真神? 」

妖鬼が驚く。

「なんでそんなの連れてきたのさ」

「暇そうだったから? 」

「真神って………」

向井が尋ねようとしたところで、

「うきゃ~」

と楽しそうなチビと牧野の叫び声と一緒に、

大きな白い狼が廊下を走ってきた。

見ると背中に三人を乗せている。

「真神、どこ行ったのかと思ったよ」

毘沙門天が言うと、

「あちこち見学してたら、こんなものを拾った」

真神は伏せをすると三人を下ろした。

その後ろから苦笑いでエナトとエルフが歩いてくる。

「ふわふわ~」

「気持ちいいぞ~」

チビと牧野が抱きついてスリスリする。

毘沙門天が三鬼を下ろすと、

一緒にスリスリする姿を笑いながら見た。

「友達が出来て良かったではないか」

「友達? 子守りの間違いだろう」

毘沙門天の言葉に真神はフッと笑った。

「とても神々しいです。

毘沙門天様を前に失礼ですけど、

最も神様らしい? 感じがしますね」

向井はお座りする真神を見て笑顔を見せた。

「ほお~毘沙よ、聞いたか? 

私の崇高さは隠しきれないのだよ」

「真神、それを自分で言ったらだめだよ」

妖鬼が笑う。

「ふむ。さて………」

真神は体を少し縮めた。

「ここではさすがにこのままではデカすぎるからな」

「あっ、オオカミ~」

「オオカミ? まあ、オオカミではあるが、

失礼だな」

安達が駆けよって来るのを見て言った。

「綺麗~銀色? カッコイイ」

安達が抱きつくと、

「正直な子供だ………」

そしてその魂に気づいたのか、

「なるほど、お主が安達か」

とつぶやいた。

「えっ? 何で知ってるの? 」

ビックリする安達に、

「ここに来る前に毘沙に聞いて、

名前を当ててみよと言われた」

といい、その場にいるものを見ながら、

名前をあげていった。

「………で、お主が向井だ」

最後に向井に顔を向けた。

「毘沙門天様が何を話されたか知りませんが、

ようこそおいでくださいました」

向井は笑顔で頭を下げた。

「まかみ~きょーはすごいおべんとうがあるのじゃ」

「とくべつなんだよ」

「ほお~それは楽しみだ」

チビ達の話に笑顔で頷くと、

突然体が輝きだし、人の姿へと変身した。

「わぁ~おうじさまだ」

「こんがみたえほんにでてきたよ」

チビが興奮して大人達を見回した。
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