『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第六部

コラボバーガー第二弾

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「安達君待ち? 」

ディッセがやってきて聞いた。

「うん。この所お寝坊さんなんですよ。

多分、結界のせいだと思うんですけど」

「ああ~それあるかも。

図書室で仮眠をとってるときも、

ちょっとうなされてるから、

気が付くと起こすんだけど、

怖い夢なのに起きると忘れちゃうんだってさ」

「新しいリングになって、

魂は安定してるんですけどね」

そんな話をしていると安達が駆けてきた。

「寝過ごしちゃった~ごめんなさい」

「別に構いませんよ。

ぐっすり眠れましたか? 」

「ん………う~ん………寝てるんだけど、

寝てないみたいな………よくわかんない」

「体と頭は疲れすぎても、

眠れないんですよ。

適度に仮眠をとるといいかもしれないですね」

「うん。そうする」

安達はあくびをしながら頷いた。

「では、行ってきます」

「いってらっしゃい」

ディッセに見送られ、二人は下界に下りた。


――――――――


「少しパトロールしながら、

キッチンまで行きましょうか」

向井達はベイエリア付近を見て回りながら、

歩いていた。

天気がいいので、空気はつめたいが気持ちがいい。

この辺りは昔から人気のウォーターフロントだ。

幾度もの災害で街並みは変化しているが、

この国は潰れても潰れても、

雑草の如く立ち直っていく。

それが災害国のいい面でもあるが、

政府政策に関しては、

国民性なのか飽きるのも早く、

問題があってもスムーズに事が進んでいく。

先日までここでも政府政策によるデモが行われていたが、

生活迷惑法で逮捕者が出て、

ニュースはエンタメのみに切り替わった。

それでも闘ってあがくものもいたが、

権力に踏みつぶされると、

どんな人間でも闘志は無くなり、

数日もすれば、

そんな出来事も忘れ去られ、

普通の日常が戻ってくる。

大沢が余裕で笑っているのも、

そんな国民性を知っているからかもしれない。

「この辺りは霊が少ないね」

前を歩いていた安達が振り返って言った。

「そうですね。水神の神様がいるからかな」

今日は河伯の姿も見えない。

赤姫と同じく体を休めているのだろう。

「ふぅ~ん」

安達は頷くと、突然立ち止まった。

「あっ、ゾンビ少年!! 」

安達がバーガーショップを見て走り出す。

そうだ。忘れてた。

向井はハッとなって思い出した。

「向井~ゾンビ少年!! 今度はボールペンだよ。

映画のキャラクターもある~

十種類!? 」

安達は興奮気味に看板を見入っていた。

「そうだ。安達君にこれをあげます」

そういって胸ポケットに入れてあった、

ボールペン三本を渡した。

「えっ? どうして持ってるの? 

先に食べたの? ずるい」

不貞腐れる安達を見て、

向井は笑顔になった。
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