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第六部
冥王と黒谷で
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「小氷期が続いてるからかもね」
アートンもそういうと、
袋からバーガーを取り出した。
「今、黒谷君から依頼されたスタジオ見てきましたよ」
向井がナプキンで手を拭きながら言った。
「行ってきてくれたんだ。
オーナーに泣きつかれちゃってさ。
俺もどうしていいかわかんなくて。
で、どうだった? 」
「自分の死が理解できていないようなので、
冥界に連れて行きます」
そういって霊玉を取り出して、黒谷に見せた。
「なに? これ? 」
「この中にその女性の霊が入ってます」
「えっ、こんな小さな玉の中に入っちゃうの? 」
驚く黒谷に二人は笑った。
「冥界にはカウンセリングもあるしね。
霊の状態を見極めてから成仏させるので、
安心していいよ」
アートンも笑うとハンバーガーを口に入れた。
「じゃあ、もう幽霊出ないんだ」
「室内全体を浄化してきたから、
大丈夫だと思いますよ」
向井も頷いた。
「原田さん、ずいぶん包んでくれたんで、
臨時収入になりました。
これも黒谷君のお陰です」
向井が頭を下げる。
その姿に黒谷は笑うとバーガーの包みを開いた。
「冥王とも話したんだけどさ、
お祓いでお金儲けしたら?
それこそ本職でしょ?
霊媒師だってインチキなのに金稼いでいる人、
いっぱいいるじゃん」
「そうか」
アートンと向井は顔を見合わせると笑った。
「そういえば、
冥王が黒谷君に何かを頼んだって聞いたんですけど」
向井が珈琲の飲み口を開けると、一口飲んだ。
「そうそう。もうすぐ雛祭りでしょ。
それで雛弁当を作ってほしいって言われてさ」
黒谷がバーガーにかぶりついた。
「あ~そうか」
向井が天井を見た。
「なに? 」
アートンと黒谷が聞いた。
「うちのチビちゃん、
今年は神様からお着物を頂いたんで、
雛祭りをするって言ってたんですよ」
「そうなの? 」
アートンが向井を見た。
「この前コンテストやったでしょ。
その時に聞いたんです」
「コンテスト? 死神ってそんなこともやってるの? 」
向井の話に黒谷が驚いた。
「悪霊退治も毎日で嫌になるでしょ。
だからやる気を出そうと、
ハンターコンテストをやったんですよ。
まぁ、
コンテストは急遽決まったものなんですけど、
雛祭りはその前からやるって、
決めていたらしくてね」
「じゃあ、それでなんだ。
雛祭りにちなんだお弁当をお願いされたんだけど、
ちびちゃん用には、
別のメニューにしてくれって言われて。
で、ちびちゃんの好きなものって何? って聞いたら、
冥王が分かんないから向井さんに聞けって」
「冥王らしいな」
アートンが笑いながらバーガーを頬張った。
アートンもそういうと、
袋からバーガーを取り出した。
「今、黒谷君から依頼されたスタジオ見てきましたよ」
向井がナプキンで手を拭きながら言った。
「行ってきてくれたんだ。
オーナーに泣きつかれちゃってさ。
俺もどうしていいかわかんなくて。
で、どうだった? 」
「自分の死が理解できていないようなので、
冥界に連れて行きます」
そういって霊玉を取り出して、黒谷に見せた。
「なに? これ? 」
「この中にその女性の霊が入ってます」
「えっ、こんな小さな玉の中に入っちゃうの? 」
驚く黒谷に二人は笑った。
「冥界にはカウンセリングもあるしね。
霊の状態を見極めてから成仏させるので、
安心していいよ」
アートンも笑うとハンバーガーを口に入れた。
「じゃあ、もう幽霊出ないんだ」
「室内全体を浄化してきたから、
大丈夫だと思いますよ」
向井も頷いた。
「原田さん、ずいぶん包んでくれたんで、
臨時収入になりました。
これも黒谷君のお陰です」
向井が頭を下げる。
その姿に黒谷は笑うとバーガーの包みを開いた。
「冥王とも話したんだけどさ、
お祓いでお金儲けしたら?
それこそ本職でしょ?
霊媒師だってインチキなのに金稼いでいる人、
いっぱいいるじゃん」
「そうか」
アートンと向井は顔を見合わせると笑った。
「そういえば、
冥王が黒谷君に何かを頼んだって聞いたんですけど」
向井が珈琲の飲み口を開けると、一口飲んだ。
「そうそう。もうすぐ雛祭りでしょ。
それで雛弁当を作ってほしいって言われてさ」
黒谷がバーガーにかぶりついた。
「あ~そうか」
向井が天井を見た。
「なに? 」
アートンと黒谷が聞いた。
「うちのチビちゃん、
今年は神様からお着物を頂いたんで、
雛祭りをするって言ってたんですよ」
「そうなの? 」
アートンが向井を見た。
「この前コンテストやったでしょ。
その時に聞いたんです」
「コンテスト? 死神ってそんなこともやってるの? 」
向井の話に黒谷が驚いた。
「悪霊退治も毎日で嫌になるでしょ。
だからやる気を出そうと、
ハンターコンテストをやったんですよ。
まぁ、
コンテストは急遽決まったものなんですけど、
雛祭りはその前からやるって、
決めていたらしくてね」
「じゃあ、それでなんだ。
雛祭りにちなんだお弁当をお願いされたんだけど、
ちびちゃん用には、
別のメニューにしてくれって言われて。
で、ちびちゃんの好きなものって何? って聞いたら、
冥王が分かんないから向井さんに聞けって」
「冥王らしいな」
アートンが笑いながらバーガーを頬張った。
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