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第六部

ショコラミルクティー

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「なに~」

嬉しそうな二人に、

向井はそれぞれの首にお守りを下げた。

「なに? これ? 」

「これは身守り袋です。

神様からいただいてきました。

安達君は二度と倒れないように、

牧野君は悪霊にやられないように、

このお守りが守ってくれます。

いつも身につけて、大事にしてくださいね。

とても美しい神様が、

君達の為に作ってくれたんですよ」

「美しい神様? 」

二人は顔を見合わせ、嬉しそうに笑った。

「美しい神様が俺達の為に? 」

楽しそうな二人の後ろからトリアと弥生が入ってきた。

「なにニヤけてるの。

美しい神様って言っても、

あんたらが期待してる

女神とは限らないよ」

トリアはそういうとトレイを持って、

弥生と一緒にカウンターに向かった。

ビックリする顔の二人に向井は笑うと、

キッチンへ歩いて行った。

「今ね、優香ちゃんがお土産の果実で、

ショコラミルクティーを作ってくれましたよ」

ジュースジャーに入ったドリンクを、

弥生がカウンターに置いた。

マグカップを取り出して、

「みんな飲むでしょ? 」

と聞くと、

三鬼と牧野と安達が競うように走ってきた。

「三鬼にはこっちのココアになったタイプね。

こんと呉葉はまだ工房? じゃあ、あとでいいね」

そういうとトリアは、

三鬼のお気に入りの恐竜コップに注ぎ、

上に生クリームを少し乗せた。

「自分で持てる? 」

ゆっくり運ぶ三鬼を向井が見守りながら、

テーブルまで連れて行った。

「偉いな~こぼさず持ってこれましたね」

向井が褒めると、

嬉しそうに座って飲み始めた。

「三鬼はおっとりしてるからな」

田所も笑顔で見ていた。

「はい、入れましたよ~」

弥生とトリアがトレイを持って運んできた。

「この果実、私も一つ食べたんだけど、

何とも言えない美味しさなのね。

私死んで得した? って思っちゃった」

弥生がくすくすと笑った。

「確かにショコラティーにしても、

香りと果実の食感が食べたことない味? 」

早紀も香りを嗅ぐと飲んだ。

「これは下界に下すと腐ってしまうので、

ここでしか食せない特別なものなんです。

天上界のものはこれを年中頂いているんですよ」

冥王はショコラティーを飲みながら、

膨れっ面になった。

「ここには植えられないの? 」

安達の質問に、

「ここは死人の集まりなので、

植物が育たないんですよ。

普通に生活してるので感じにくいんですが、

冥界ですからね」

冥王が笑いながら話した。

そんな話をしていると妖鬼が、

こんと呉葉と一緒に入ってきた。

「あ~なんか飲んでる~」

「それ、なんじゃ?」

「うるさいのが来た」

トリアは笑うと

「ココア飲む? 」

と聞いた。

「飲む~」

と三人はキッチンにやってきた。
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