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第六部
ミヒカの想い
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「ご無礼をお許しください。
間に合ってよかったです。
これをお届けしたくて」
と膝を曲げて軽く礼をすると、
向井達の方へ歩いてきた。
毘沙門天が言うように、
かなり回復しているのが感じられた。
色白な美しいお姫様は冥王にも、
深々と頭を下げた。
「まだ、体調がすぐれないのでしょう。
あまり無理なさらずともいいですよ」
冥王が言うと、
「有難うございます。
私はあのまま消滅していても、
おかしくない状況でした。
それを皆様に助けていただき、
感謝しております。
それで、これを向井様にお渡ししたくて」
と、小さな巾着袋をみせ、
その一つを向井の首に下げた。
「これは私の念が込められた身守り袋です」
そして違う袋の中から、
小さな白く虹色に輝くヘビの鱗を取り出した。
宝石のような美しい輝きに、
冥王たちも近づき見とれていた。
「これから起こる災いを、
少しでも軽減できるようお祈りいたしました。
きっと、あなた様を守ってくれるでしょう」
向井は首にかけられたその小さな袋を手に取り、
ミヒカを見た。
「そしてこちらの二つは………」
そこまで言って一度冥王を見て、
話し始めた。
「牧野様と安達様にお渡しください。
あなた様達三人は点でつながっております。
これも運命だったのでしょう。
身につけていただければお役に立ちましょう」
ミヒカは向井の手に残りの袋を握らせた。
向井を握るその手から、
温かな思いが伝わってきた。
優しくて、懐かしい………
美しい国の記憶………
向井はハッとなり、
ミヒカを見ると彼女が小さくほほ笑んだ。
「あなたの思い、確かに受け取りました」
向井は笑みを浮かべると頭を下げた。
寿尊も近づくと、
冥王たちに頭を下げ、
「坊主の事を宜しくお願いします」
と言った。
「死んでなお、
これ以上の苦しみは可哀想すぎますからね。
寿尊さん、安心してください」
冥王はそういうと、
三人はお土産の果実を手に、
冥界へと帰っていった。
冥界に戻ると、
休憩室から牧野と安達がかけてきた。
「どこ行ってたの? 」
「おやおや、チビ達じゃあるまいし」
冥王が笑った。
「冥王はともかく、朝から向井がいなくて、
セイに聞いても知らないって言うし、
みんなで向井を探してたんだよ」
牧野が不服そうに話した。
「なんですか。私はどうでもいいんですね」
冥王はむくれると、
「せっかく特別なお土産を持って帰ってきたのに、
渡すの嫌になりました」
「えっ? 何? 」
二人は近くにいたトリアが手にする袋を見た。
「これは優香ちゃんにお願いして、
スイーツにしてもらうから。
特別な果実なのよ」
「ええ~食べたい」
牧野と安達は袋を覗いて喜ぶと、
トリアを引っ張って食堂に向かった。
「せわしない子達ですね」
「でも、お家に帰ってきたって感じがするでしょう? 」
向井は冥王を見て笑った。
「お家………確かにそうですね」
冥王も笑顔になると歩き出した。
間に合ってよかったです。
これをお届けしたくて」
と膝を曲げて軽く礼をすると、
向井達の方へ歩いてきた。
毘沙門天が言うように、
かなり回復しているのが感じられた。
色白な美しいお姫様は冥王にも、
深々と頭を下げた。
「まだ、体調がすぐれないのでしょう。
あまり無理なさらずともいいですよ」
冥王が言うと、
「有難うございます。
私はあのまま消滅していても、
おかしくない状況でした。
それを皆様に助けていただき、
感謝しております。
それで、これを向井様にお渡ししたくて」
と、小さな巾着袋をみせ、
その一つを向井の首に下げた。
「これは私の念が込められた身守り袋です」
そして違う袋の中から、
小さな白く虹色に輝くヘビの鱗を取り出した。
宝石のような美しい輝きに、
冥王たちも近づき見とれていた。
「これから起こる災いを、
少しでも軽減できるようお祈りいたしました。
きっと、あなた様を守ってくれるでしょう」
向井は首にかけられたその小さな袋を手に取り、
ミヒカを見た。
「そしてこちらの二つは………」
そこまで言って一度冥王を見て、
話し始めた。
「牧野様と安達様にお渡しください。
あなた様達三人は点でつながっております。
これも運命だったのでしょう。
身につけていただければお役に立ちましょう」
ミヒカは向井の手に残りの袋を握らせた。
向井を握るその手から、
温かな思いが伝わってきた。
優しくて、懐かしい………
美しい国の記憶………
向井はハッとなり、
ミヒカを見ると彼女が小さくほほ笑んだ。
「あなたの思い、確かに受け取りました」
向井は笑みを浮かべると頭を下げた。
寿尊も近づくと、
冥王たちに頭を下げ、
「坊主の事を宜しくお願いします」
と言った。
「死んでなお、
これ以上の苦しみは可哀想すぎますからね。
寿尊さん、安心してください」
冥王はそういうと、
三人はお土産の果実を手に、
冥界へと帰っていった。
冥界に戻ると、
休憩室から牧野と安達がかけてきた。
「どこ行ってたの? 」
「おやおや、チビ達じゃあるまいし」
冥王が笑った。
「冥王はともかく、朝から向井がいなくて、
セイに聞いても知らないって言うし、
みんなで向井を探してたんだよ」
牧野が不服そうに話した。
「なんですか。私はどうでもいいんですね」
冥王はむくれると、
「せっかく特別なお土産を持って帰ってきたのに、
渡すの嫌になりました」
「えっ? 何? 」
二人は近くにいたトリアが手にする袋を見た。
「これは優香ちゃんにお願いして、
スイーツにしてもらうから。
特別な果実なのよ」
「ええ~食べたい」
牧野と安達は袋を覗いて喜ぶと、
トリアを引っ張って食堂に向かった。
「せわしない子達ですね」
「でも、お家に帰ってきたって感じがするでしょう? 」
向井は冥王を見て笑った。
「お家………確かにそうですね」
冥王も笑顔になると歩き出した。
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