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第六部
妖怪にも反抗期?
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真紀子と向井も笑うと、
残りのトレイを持ってテーブルに歩いて行った。
大人たちがケーキを食べていると、
早紀と弥生がチビと一緒に入ってきた。
「あ~なんかたべてる」
チビが走ってきて、向井達に飛びついてきた。
「ちびちゃん達はプリンね」
真紀子は立ち上がると、
「弥生ちゃんと早紀ちゃんもティラミス食べる? 」
「食べる~」
二人も足早に来るとケーキを箱から出した。
騒ぐチビと一緒に、
早紀がプリンを乗せたトレイを持って、
テーブルに来た。
「ほらちゃんと座って、こぼさないようにね」
「こぼさないよ~」
そういいながら食べ始めた。
「最近少し生意気なのよ」
早紀は大人たちの方へ来ると、
ティラミスのケーキ皿を手に取った。
「反抗期? 妖怪にもあるんですかね。
人間だとイヤイヤ期に当たりますけど」
向井も嬉しそうに食べるチビをちらりと見た。
「どうだろうね。
俺達はこの地に降りた時には、
もうこの状態だったからな」
究鬼が言った。
「君らも知っていると思うけど、
俺達は意味を持って下界に落とされて、
分からないままに入力されたことをさせられていた、
そんな感じ?
冥王に会って、
自分で多くを考えて行動するようになったからな」
「人は不思議なことに、
何も考えていないようで、
脳はいつも何かを考えているんですよ。
君達もそのように思考を巡らせている。
いい事ですよ」
「源じいはさ。いい校長先生だったんだろうな」
田所の言葉に源じいは笑った。
「そんな風に言ってもらえたら嬉しいですね」
「あいつらは俺達と違って、
自然妖怪の部類だと思うから、
親から生まれてはいるんだろうけど、
妖怪も生み捨て多いからね」
「そうなの? 」
究鬼の話に弥生が聞いた。
「妖怪の感情って人とかかわることでも、
変わってくるんだよ。
触れ合う人が誰だったかでも、
悪魔にも天使にもなる。
もともとどうしようもないのもいるけど、
それは人間だって同じでしょ」
「確かにそうですね」
向井も手にしたマグカップの中をじっと見つめた。
「そういう意味ではチビ達は人間に近い。
ここで育っているからさ。
虎獅狼達もそうだろう?
いいか悪いかなんて誰にも分んないし、
それでいいんじゃないの?
ただ、それなりに力はあるから、
そこは気をつけたほうがいいけど、
向井さん達だって人間にはない力を、
冥王からもらってるでしょ。
だから反抗期が来たとしても問題ないよ」
究鬼はそれだけ言ってから、チビ達を見た。
クリスマスイブ当日―――
特別室からディナーとシャンパンを用意しろと言われ、
向井は面倒だが、
名店のディナーをテイクアウト予約し、
受け取りに行った。
街は悪霊が騒ぎを起こすこともなく、
イルミネーションの中、
楽しそうに歩く恋人や家族連れで溢れていた。
残りのトレイを持ってテーブルに歩いて行った。
大人たちがケーキを食べていると、
早紀と弥生がチビと一緒に入ってきた。
「あ~なんかたべてる」
チビが走ってきて、向井達に飛びついてきた。
「ちびちゃん達はプリンね」
真紀子は立ち上がると、
「弥生ちゃんと早紀ちゃんもティラミス食べる? 」
「食べる~」
二人も足早に来るとケーキを箱から出した。
騒ぐチビと一緒に、
早紀がプリンを乗せたトレイを持って、
テーブルに来た。
「ほらちゃんと座って、こぼさないようにね」
「こぼさないよ~」
そういいながら食べ始めた。
「最近少し生意気なのよ」
早紀は大人たちの方へ来ると、
ティラミスのケーキ皿を手に取った。
「反抗期? 妖怪にもあるんですかね。
人間だとイヤイヤ期に当たりますけど」
向井も嬉しそうに食べるチビをちらりと見た。
「どうだろうね。
俺達はこの地に降りた時には、
もうこの状態だったからな」
究鬼が言った。
「君らも知っていると思うけど、
俺達は意味を持って下界に落とされて、
分からないままに入力されたことをさせられていた、
そんな感じ?
冥王に会って、
自分で多くを考えて行動するようになったからな」
「人は不思議なことに、
何も考えていないようで、
脳はいつも何かを考えているんですよ。
君達もそのように思考を巡らせている。
いい事ですよ」
「源じいはさ。いい校長先生だったんだろうな」
田所の言葉に源じいは笑った。
「そんな風に言ってもらえたら嬉しいですね」
「あいつらは俺達と違って、
自然妖怪の部類だと思うから、
親から生まれてはいるんだろうけど、
妖怪も生み捨て多いからね」
「そうなの? 」
究鬼の話に弥生が聞いた。
「妖怪の感情って人とかかわることでも、
変わってくるんだよ。
触れ合う人が誰だったかでも、
悪魔にも天使にもなる。
もともとどうしようもないのもいるけど、
それは人間だって同じでしょ」
「確かにそうですね」
向井も手にしたマグカップの中をじっと見つめた。
「そういう意味ではチビ達は人間に近い。
ここで育っているからさ。
虎獅狼達もそうだろう?
いいか悪いかなんて誰にも分んないし、
それでいいんじゃないの?
ただ、それなりに力はあるから、
そこは気をつけたほうがいいけど、
向井さん達だって人間にはない力を、
冥王からもらってるでしょ。
だから反抗期が来たとしても問題ないよ」
究鬼はそれだけ言ってから、チビ達を見た。
クリスマスイブ当日―――
特別室からディナーとシャンパンを用意しろと言われ、
向井は面倒だが、
名店のディナーをテイクアウト予約し、
受け取りに行った。
街は悪霊が騒ぎを起こすこともなく、
イルミネーションの中、
楽しそうに歩く恋人や家族連れで溢れていた。
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