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第十三部
冥王の日常は………
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「冥王のお気に入りの、
騎士と宇宙飛行士のクッキーも買ってあるので、
無くなる前に食べてください」
「それは大変だ。みんな食べちゃダメですよ」
冥王が子供のように箱を覗いて探した。
「あったあった」
冥王も楽しそうにクッキーを手に取った。
「ここはアイシングクッキーの専門店なので、
いろんなキャラクターがあるんですよ。
チビと安達君のお気に入りのお店なんですよね」
向井はそう話すと、
「ただ、一枚が高いので、
一人二枚までにしてくださいね。
一枚が大きいんだから文句は無しですよ」
と注意した。
「なんですと? 」
「なんだと? 」
冥王と牧野が同時に言う姿に、
大人達はあきれ顔で笑うと、
「虎獅狼達や他にも食べたい人がいるでしょう? 」
と向井が釘を刺した。
「虎獅狼達の作品は置かないの? 」
新田が聞くと、
「今はオーダーの方で手一杯なのよ。
ただね、千乃のヘアアクセサリーと、
クロのニードルは少しだけ、
妖怪の匠コーナーに置くけど」
「妖怪の匠ってちょっと驚きますよね」
佐久間が笑った。
「考えたらそうよね。
でも、幽霊の匠コーナーもあるのよ。
このパンダ可愛い~」
アンがクッキーを眺めながら言った。
「幽霊の匠? って誰の作品? 」
ヴァンが驚いて聞いた。
「今回はレジン作家渡辺さんの作品を、
置かせてもらうの。
ほら、縁側の妖怪チビのお人形、
作ってもらったでしょ?
あれが凄い人気で。
やっぱ本物の人気作家さんだからね。
で、再販して欲しいって言われたんで、
限定で三セットだけ作ってもらったのよ。
あと、閻魔の日常シリーズで六点だけ」
「えっ? 私のお人形ですか? 」
トリアの話に冥王の瞳が輝いた。
「冥王の普段の姿をそのまま、
人形にしてもらったの」
「そういえば………この所、
渡辺さんが私の近くにいた気がします」
冥王が思い出すように上を向いた。
「そりゃそうよ。冥王の日常をリアルに、
可愛くキャラクターにしてもらったんだもん。
観察して、デッサンしてたと思うわよ。
お陰で凄くいいのが出来上がって、
絶対完売するのが分かる作品なのよ」
「どんなの? 気になるな」
田所がトリアを見た。
「写真で撮ったから見てみる? 」
トリアはそういうとタブレットを取り出し、
画像をアップした。
………………………
のぞいた向井達の顔が一瞬固まり、
続けて笑いが起こった。
「これはウケるね~」
千鬼が腹を抱えて笑う姿に、
冥王が面白くなさそうにアヒル口をした。
「私はもっとかっこいいです。
これでは遊んで寝てるばかりみたいじゃないですか」
………………………………
みんなの冷めた目つきに、
「君達は私の日常がこうだと思っているんですか? 」
冥王は首を小さく振り、ふぅとため息をついた。
騎士と宇宙飛行士のクッキーも買ってあるので、
無くなる前に食べてください」
「それは大変だ。みんな食べちゃダメですよ」
冥王が子供のように箱を覗いて探した。
「あったあった」
冥王も楽しそうにクッキーを手に取った。
「ここはアイシングクッキーの専門店なので、
いろんなキャラクターがあるんですよ。
チビと安達君のお気に入りのお店なんですよね」
向井はそう話すと、
「ただ、一枚が高いので、
一人二枚までにしてくださいね。
一枚が大きいんだから文句は無しですよ」
と注意した。
「なんですと? 」
「なんだと? 」
冥王と牧野が同時に言う姿に、
大人達はあきれ顔で笑うと、
「虎獅狼達や他にも食べたい人がいるでしょう? 」
と向井が釘を刺した。
「虎獅狼達の作品は置かないの? 」
新田が聞くと、
「今はオーダーの方で手一杯なのよ。
ただね、千乃のヘアアクセサリーと、
クロのニードルは少しだけ、
妖怪の匠コーナーに置くけど」
「妖怪の匠ってちょっと驚きますよね」
佐久間が笑った。
「考えたらそうよね。
でも、幽霊の匠コーナーもあるのよ。
このパンダ可愛い~」
アンがクッキーを眺めながら言った。
「幽霊の匠? って誰の作品? 」
ヴァンが驚いて聞いた。
「今回はレジン作家渡辺さんの作品を、
置かせてもらうの。
ほら、縁側の妖怪チビのお人形、
作ってもらったでしょ?
あれが凄い人気で。
やっぱ本物の人気作家さんだからね。
で、再販して欲しいって言われたんで、
限定で三セットだけ作ってもらったのよ。
あと、閻魔の日常シリーズで六点だけ」
「えっ? 私のお人形ですか? 」
トリアの話に冥王の瞳が輝いた。
「冥王の普段の姿をそのまま、
人形にしてもらったの」
「そういえば………この所、
渡辺さんが私の近くにいた気がします」
冥王が思い出すように上を向いた。
「そりゃそうよ。冥王の日常をリアルに、
可愛くキャラクターにしてもらったんだもん。
観察して、デッサンしてたと思うわよ。
お陰で凄くいいのが出来上がって、
絶対完売するのが分かる作品なのよ」
「どんなの? 気になるな」
田所がトリアを見た。
「写真で撮ったから見てみる? 」
トリアはそういうとタブレットを取り出し、
画像をアップした。
………………………
のぞいた向井達の顔が一瞬固まり、
続けて笑いが起こった。
「これはウケるね~」
千鬼が腹を抱えて笑う姿に、
冥王が面白くなさそうにアヒル口をした。
「私はもっとかっこいいです。
これでは遊んで寝てるばかりみたいじゃないですか」
………………………………
みんなの冷めた目つきに、
「君達は私の日常がこうだと思っているんですか? 」
冥王は首を小さく振り、ふぅとため息をついた。
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