『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第四部

冥王が楽しみなイベント

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「じゃあ、河原さん原作で山川さんが漫画と」

「そう。それでその本を売るから………

とりあえず百部。

製本お願いしたいんだ」

「分かった」

トリアとフンフが話しながらやってきた。

「おっ、みんないいもん食べてんじゃん。

私も貰おう」

「どうぞ。大量に買ってきましたから」

向井がいうと、

「じゃあ、私も頂きます」

二人は袋を覗くとサンドイッチを手に取った。

フンフは冷蔵庫からジュースを取ると、

「トリアは何飲む? 」

と聞く。

「私はレモン水」

フンフは渡すと、

「本の事は死神課の方にも話しておくね」

と部屋を出て行った。

「ちょっとトリアさんに話があって」

向井はカウンターに寄りかかって、

ミネラルウォーターを飲みながら声をかけた。

「なに? 」

トリアはスツールに腰かけると、

サンドイッチにかぶりついた。

「実は赤姫さんから聞いたんですけど、

ゾンビ少年と黒谷君のお弁当がコラボになるって話」

トリアの動きが止まった。

「えっと………あ~………そのことね。

まだ話してなかったっけ? 」

「聞いてませんよ」

「いやあ~黒谷君のお弁当って、

神様モチーフで取材が来るくらい人気じゃん。

で、一度ね、

松田先生の所にお土産で持ってたのよ。

そしたら担当者の人もいて、

お弁当にすごく興味を持っちゃって、

会議にかけるからコラボできないかって言われたの。

ほら、松田先生の漫画はゾンビじゃん。

閻魔とゾンビの共演は面白いって話になってさ」

トリアの横でサンドイッチを食べていたアートンも、

その話に納得がいったように笑った。

「それ、冥王に話したんだ」

「そりゃぁ、閻魔の弁当だし………」

トリアがちらりと黙っている向井を見た。

「そのお弁当コミックフェスに参加するんですよね。

今のフンフさんの話と合わせて納得できました」

「ハハハ………本売るくらい、

別にどうってことないでしょ」

トリアがサンドイッチを口に入れる。

「コミケで本を売るのは問題ないと思いますよ。

でも、ちょっと怪しいと思って、

そのサイトのHP見たんです」

「えっ? 見たの? 」

「いけませんか? 」

「いえ、いけないことは………」

「なに? なんか問題あるの? 」

アートンが向井の開いたタブレットを見て、

笑い出した。

「あはははは。冥王、やりたがってたもんね~」

コミックフェスのサイトには、

主催者側から参加依頼があるブースは、

広い場所を与えられ、

食品と一緒に、

本や手作り品の販売もOKとあった。

「別にやるのはかまいませんけど、

これ誰がやるんですか? 」

「それは………えっと、向井君? 」

「だから俺は、嫌だって言ったんですよ」

向井は不機嫌そうな顔をすると、

サンドイッチを食べ始めた。

「みんなしてこそこそ動いて、

黒谷君もグルってことですね。

様子がおかしいはずだ………

いつ俺に話すつもりだったんですか? 」

「まだ、もう少し時間があるから、

ぎりぎりまで内緒にしようって冥王が………」

トリアがそう話したところで、

話題の主がご機嫌でやってきた。
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