『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第十八部

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「向井さん一人でこれ全部は無理でしょ」

アートンがチビと牧野達を見て笑った。

「みんな仕事が詰まってるから、

手の空いてるものがいないのよ」

早紀が悪いわねとシェデムを見た。

「こん、おこさまランチたべたい」

「ん~この人数だと大変だから、

君達の好きなものをテイクアウトしましょう」

向井がこんを見ると言った。

「だったらチキンじゃ」

「お前ら肉と言ったらチキンばっかだな」

牧野があきれたように笑い、

皆で下界に下りた。



「今日は除去はいいの? 」

安達が牧野を見た。

「いいのいいの。俺がお出掛けだから、

エナト達が代わってくれた~」

「まったく、こやつは仕事を何だと思っているんだ? 」

安達と変わらない年頃の姿になっている虎獅狼が、

呆れ返る顔をした。

「オンオフの切り替えが、

ちゃんとできてるってことだろ? 

今日はお仕事じゃないから、

悪霊は俺にはナッシング~」

牧野が笑った。

「全く」

シェデムも笑うと歩き出した。



向井達が向かう専門店は黄色の捨て地にあった。

個人のお店でオーナーがデザインしたものが、

数多く販売されていて人気があった。

店に入ると、

虎獅狼達は目を輝かせて見ていた。

見ると牧野達も口を開けている。

向井は笑うと、

「欲しいものがあるんでしょう? 」

と彼らに声をかけた。

「おお、そうじゃった」

クロもハッとなると、

楽しそうに欲しいものを探しに行った。

店内も幾つかテーマ別にブースが分かれており、

可愛いものから大人スタイルまで、

売り場に合わせて貼られていた。

「パパ~でんしゃにペンギンがのってる」

呉葉が興奮して手を引っ張った。

アートンとティンが虎獅狼達に付いていったので、

向井とシェデムはチビと一緒に、

ファンタジーと書かれたブースに入った。

「あら、ほんと、可愛い」

シェデムも笑顔になると、

「トリアが言ってた意味が分かった」

と向井を振り返った。

「これは欲しくなるわね。私も買って帰ろう」

シェデムも笑うと、

チビ達と楽しそうに選び始めた。

ハクがじっと見ているので、

「自分のお部屋の壁に貼りたいものを、

選んでください」

向井が屈んで言った。

ハクは三鬼と一緒に、

「きょーりゅ~」

と電車に乗ったシールに夢中になっていた。

「カッコイイ~ボク、これがいい」

「ボクも~」

三鬼とハクが選んだシールを見て、

「ではもう二つ、

この大きな滑車のシールを買って、

この上に乗せられる君達の好きなキャラクターを、

一つずつ選んでください」

と言った。

「もうひとつ? 」

「そう。この電車を四つ繫げて、

君達のベッドの壁に貼ると、

二人のベッドに電車が走っているように見えますよ」

向井が四枚のシールを並べて見せた。

「わあ~」

二人は笑顔になると、

シールを選び始めた。
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