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第十八部
竜之介
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「で、冥王は? 」
「………」
不満そうな顔で向井を見ると、
「そういえばこの前は、
どうやってあの場所から抜け出したんですか? 」
と聞いた。
向井が口を開こうとしたところで、
「優香ちゃんが今焼いてくれたクッキーです。
食べませんか? 」
セーズが珈琲と一緒に運んできた。
「有難うございます」
向井が礼を言うと、セーズは厨房に戻っていった。
クッキーを口に入れて、
「焼きたては美味しいですね。
竜之介様もどうですか? 」
と勧めた。
竜之介はクッキーを口に運ぶと、
「美味しいですね~」
と笑顔になった。
「で、向井君がどうやって戻ったか、
まだ聞いていませんよ」
「そんなに気になりますか? 」
「当然でしょう。私に助けを求めると思って、
ずっと待っていたんですから」
「それはご苦労様でした」
向井はふふふと笑うと、
「教えてもいいですけど、
そのかわりになぜあなたが、
冥王と入れ替わっているのか、
話していただけますか? 」
「………」
「まさか、神様がだますなんてことはありませんよね」
向井が意味ありげにほほ笑んだ。
「向井君は油断ならないですね。
まぁいいでしょう。お教えしましょう」
竜之介も笑うと、
「クッキー美味しいですね~
お土産に欲しいです」
と嬉しそうにもう一枚口に入れた。
暗闇に閉じ込められた向井は、
竜之介の姿が消えた後、
暫く考え込んでいた。
矢を放つときに穴を確認したので、
もしここが自分の考えている場所なら………
呼び出せるかもしれない。
向井は目を閉じると、
意識を集中させ念じてみた。
するとどこからともなく、底無しの獅子が現れた。
「やはりここは冥界でしたか。
俺のカンは間違っていなかったってことですね」
獅子は向井の眼前で立ち止まった。
「冥王のいる場所まで案内していただけますか? 」
向井が言うと獅子はじっと向井を見つめた。
「ん~真神さんと違って、言葉が通じない? 」
向井が困った顔をすると、
獅子はゆっくりと歩き出し振り返った。
付いてこいという事かな?
向井が目の前を歩く獅子のあとを付いていくと、
いつの間にか地獄路の扉の前にいた。
そのあとはみんなに気づかれないように、
裏口を通って三途の川が流れる冥界の庭に出た。
「で、死神課を通って、
皆には冥王の力で、
瞬間移動して戻ってきたと説明しました」
その話に竜之介は笑うと、
「なんと。では、龍之介は何もせず、
自分の株だけあげたという事か?
神にあるまじき行為だな」
とさらにクッキーを口に入れた。
「そうでもないですよ。一部の死神には、
怪しまれてますから」
「ふむ。あいつにはいい部下もいるんだな」
「そんな顔をして、引き抜かないでくださいよ」
向井が釘をさしたところで、
水着姿のチビ達が走ってきた。
「………」
不満そうな顔で向井を見ると、
「そういえばこの前は、
どうやってあの場所から抜け出したんですか? 」
と聞いた。
向井が口を開こうとしたところで、
「優香ちゃんが今焼いてくれたクッキーです。
食べませんか? 」
セーズが珈琲と一緒に運んできた。
「有難うございます」
向井が礼を言うと、セーズは厨房に戻っていった。
クッキーを口に入れて、
「焼きたては美味しいですね。
竜之介様もどうですか? 」
と勧めた。
竜之介はクッキーを口に運ぶと、
「美味しいですね~」
と笑顔になった。
「で、向井君がどうやって戻ったか、
まだ聞いていませんよ」
「そんなに気になりますか? 」
「当然でしょう。私に助けを求めると思って、
ずっと待っていたんですから」
「それはご苦労様でした」
向井はふふふと笑うと、
「教えてもいいですけど、
そのかわりになぜあなたが、
冥王と入れ替わっているのか、
話していただけますか? 」
「………」
「まさか、神様がだますなんてことはありませんよね」
向井が意味ありげにほほ笑んだ。
「向井君は油断ならないですね。
まぁいいでしょう。お教えしましょう」
竜之介も笑うと、
「クッキー美味しいですね~
お土産に欲しいです」
と嬉しそうにもう一枚口に入れた。
暗闇に閉じ込められた向井は、
竜之介の姿が消えた後、
暫く考え込んでいた。
矢を放つときに穴を確認したので、
もしここが自分の考えている場所なら………
呼び出せるかもしれない。
向井は目を閉じると、
意識を集中させ念じてみた。
するとどこからともなく、底無しの獅子が現れた。
「やはりここは冥界でしたか。
俺のカンは間違っていなかったってことですね」
獅子は向井の眼前で立ち止まった。
「冥王のいる場所まで案内していただけますか? 」
向井が言うと獅子はじっと向井を見つめた。
「ん~真神さんと違って、言葉が通じない? 」
向井が困った顔をすると、
獅子はゆっくりと歩き出し振り返った。
付いてこいという事かな?
向井が目の前を歩く獅子のあとを付いていくと、
いつの間にか地獄路の扉の前にいた。
そのあとはみんなに気づかれないように、
裏口を通って三途の川が流れる冥界の庭に出た。
「で、死神課を通って、
皆には冥王の力で、
瞬間移動して戻ってきたと説明しました」
その話に竜之介は笑うと、
「なんと。では、龍之介は何もせず、
自分の株だけあげたという事か?
神にあるまじき行為だな」
とさらにクッキーを口に入れた。
「そうでもないですよ。一部の死神には、
怪しまれてますから」
「ふむ。あいつにはいい部下もいるんだな」
「そんな顔をして、引き抜かないでくださいよ」
向井が釘をさしたところで、
水着姿のチビ達が走ってきた。
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