『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第十八部

カラオケ大会

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この日は朝から賑やかで、

向井が食堂に行くと、

チビ達が朝食を食べながら、

ご機嫌だった。

「おねぼうのパパだ~」

こんが振り向いて言うのを、

「そうですね。

今日はちょっとお寝坊しました」

笑ながらカウンターに歩いて行った。

「チビ達はこれから七五三の準備だから、

嬉しいんだろうね」

セーズが笑いながら厨房から出てきた。

「俺もこれから黒谷君の所に、

お昼の七五三弁当を取りに行きます」

向井も笑顔で楽しそうなチビ達を見た。

弥生と早紀、オクトに、

注意されながら食べている姿に笑みがこぼれた。

「今日はドセが黒谷君の所に、

お弁当のお手伝いに行ってるので、

朝はパングラタンなんだけど、

それでいいですか? 

ご飯がよければ卵かけになっちゃうけど、

どうします? 」

「では、パングラタンでお願いします」

「はい」

向井はそういって食堂を見回すと、

冥王とトリア、ディッセが、

デザートを食べながら話をしていた。

向井は近づくと、

「なんか問題でもありましたか? 」

「ううん。今日七五三でしょ。

でね、午後は第二部なんだけど」

「えっ? 七五三が二部構成なんですか? 」

トリアの話に驚いた。

「ねえ~私も変だからって言ったんだけど、

冥王が張りきってて」

冥王はデザートを食べながらニコニコしている。

「チビちゃんたちから、

リクエストがあったんですよ」

「リクエスト? 」

向井は聞き返すと、

椅子に座った。

「じいじにお歌を聴かせたいって、

言われたんだよね」

ディッセが向井の顔を見ながら話した。

「そういう事ですか」

向井が笑っていると、セーズが朝食を運んできた。

「フルーツはキウイで、

飲み物は珈琲です」

「有難うございます」

向井は礼を言うと、

セーズは厨房に戻って行った。

「向井君はこれから黒谷君の所? 」

「はい」

トリアを見ながらグラタンを食べ始めた。

「今回は数が多いので、

坂下君とゼス君とドセ君が手伝ってくれています」

「毘沙門天も赤姫も来るし、

そうそう今回は吉祥天も見に来るってさ」

ディッセが言った。

「そうなんですね。で、二部では、

チビ達の歌の他に何をされるんですか? 」

「ふふふ」

向井の質問に冥王が嬉しそうに、

両手を口元に当てた。

「なんですか? 」

向井が言いたくて仕方がない顔で笑う、

冥王を見て聞いた。

「カラオケ大会です」

「カラオケ? 」

向井は驚いた顔で三人を見た。

「そうなのよ。

チビ達がこの前のイベントで、

昔のアイドル見て喜んでたじゃない」

「あぁ、戻ってきてからも、

TVで昔の歌番組見て踊ってましたからね」

向井が笑った。

「でね、以前作った魔法少女のワンピースを、

三倉さんにリメイクしてもらって、

アイドル風の衣装にしたの」

「それ着て休憩室で歌っているのを見て、

牧野君がカラオケ大会しようって言ったのさ」

「なるほど」

向井は食べ終えると珈琲を飲んだ。
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