『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

文字の大きさ
上 下
555 / 631
第十六部

楽しいイベント

しおりを挟む
「おきもの、おはながちがう。どっちにしよう…」

「う~ん」

こんと呉葉が真剣に悩む姿に作家も笑顔になる。

「くるまは? 」

三鬼が新田に抱っこされたまま言う。

「じゃあ俺達は、車を見に行こうか」

新田とティンと毘沙門天が歩き出したのを見て、

向井が言った。

「お約束は? 」

「ひとつだけ。でもさ、おきものにはぞうりだよ」

こんが向井を見上げた。

「そうよね。お着物でサンダルは変だもんね~」

フェムトンが助け舟を出すのを見て、

向井が笑った。

「そうですね。お着物と草履で一つ選んでください」

向井はそういうと新田達の後を追った。

途中で牧野達が真剣にアクセサリーを見ている姿に、

向井が声をかけた。

「君達が欲しいのはそれですか? 」

安達が振り返った。

「凄いの! 見て」

興奮して並べられているイヤーカフを指さした。

「アニマルモチーフはこんなに種類があるんですね。

これでは悩みますね~」

向井が笑顔で安達を見た。

「でしょう? どうしよう」

「俺はこれかな~」

「いや、こっちがいいな」

岸本とサンクも真剣に選ぶ様子に、

「先に三鬼達のおもちゃを買ってくるので、

それまでゆっくり選んでてください」

と笑った。

「分かった」

牧野は顔もあげずに返事をした。

三鬼達のいるショップに着くと、

ハクも興奮しておもちゃを見ていた。

「今向こうで、

牧野君達がイヤーカフ見てましたよ」

向井が新田とティンに話すと、

「じゃあ、俺達も行ってこよう」

二人も慌てて走って行った。

「じいじはどれがすき? 」

ハクと三鬼と一緒に、毘沙門天もしゃがんでみている。

「二人の好きな恐竜も車になってるね」

「カッコイイ~」

「どうしよう」

三人のそんな姿に笑いながら、

「お父様、モデルさんですか? 」

作家が向井を見た。

「お父さん、モデルさんと間違えられてますよ」

向井が笑いながら毘沙門天を見た。

「モデル? いいですね~今度からそう言いましょうかね~」

毘沙門天が笑いながら作家を見た。

作家が神のオーラに少し圧倒されながら、

「じいじだって言われて驚いてしまって。

ファッションも素敵で」

と言った。

「これね、もう一人の息子に、

着せられたんですよ。似合ってますか? 」

毘沙門天が笑顔で話した。

「カッコいいですよ。

じいじもパパも自慢だね~」

作家がハクと三鬼を見た。

「うん」

二人が頷くのを見ながら、

毘沙門天も嬉しそうだった。

「ボクね。パズルね、

つめるようになったの」

三鬼が自慢げに作家を見た。

「えっ? あれ、全部積めたの? 凄いな。

うちの子は君より大きいけど、

まだできないよ」

作家が驚いて三鬼に視線を置いてから、

向井を見た。

「何回も失敗して、

そのたびに恐竜の置き方を変えて、

彼なりに考えて積んでました。

集中力も増すのでいいおもちゃですよね」

向井が三鬼の頭に手を置いて言った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

懐いてた年下の女の子が三年空けると口が悪くなってた話

六剣
恋愛
社会人の鳳健吾(おおとりけんご)と高校生の鮫島凛香(さめじまりんか)はアパートのお隣同士だった。 兄貴気質であるケンゴはシングルマザーで常に働きに出ているリンカの母親に代わってよく彼女の面倒を見ていた。 リンカが中学生になった頃、ケンゴは海外に転勤してしまい、三年の月日が流れる。 三年ぶりに日本のアパートに戻って来たケンゴに対してリンカは、 「なんだ。帰ってきたんだ」 と、嫌悪な様子で接するのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる? 別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨ この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行) この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。 この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。 この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。 この作品は「pixiv」にも掲載しています。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

処理中です...