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第十五部
絵本カフェのランチ
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「じゃあ、お昼にしよう」
新田が言い、トリアの案内で絵本カフェに行った。
モールからほど近い裏通りに、
木々に囲まれた山小屋のような作りのお店があった。
「森のレストランみたい」
アンが笑顔で言葉にした。
「でしょう?
穴場なんだけど口コミで人が増えちゃって。
ただ、今は捨て地に来ない人も多くなったから、
のんびり楽しめるわよ。
中も童話の世界みたいで可愛んだから」
トリアはそういって店の中に入って行った。
「いらっしゃいませ」
エプロン姿のアンドロイドがやってくると、
彼らを案内してくれた。
店内は親子連れや女性同士の客が多い。
トリアが言うように、
おとぎの国のような内装で、
奥にはキッズルームもあり、
子供達が背もたれに持たれながら、
絵本を真剣に読んでいた。
案内されたブースは部屋のようになっていて、
楕円にソファーが設置されていた。
一人、二人の席の他に、
こうしたファミリー席も、
森の中にいる様だ。
向井達は座るとメニュー画面を見て笑顔になった。
「クマさんの音楽会?
お茶会のウサギ?
へ~これがメニューなんだ。
プレートも物語みたいだね」
新田が画面を見入っていた。
「キッズメニューは本日は、
お城からの馬車に………
魔法使いの学校ですか。
君達が好きなチキンライスに、
ハンバーグか唐揚げが選べますよ」
向井が画面をチビ達に見せた。
「安達君が喜びそうなメニューよね」
弥生も笑いながら言うと、
「だったら呼びますか」
向井が言った。
「そうか、安達君今日は工房にいるんだよね」
新田が向井を見た。
「イベントの作品の事で、
十朱さんと何を出すか相談してるんですよ。
息抜きも必要でしょうし、
今、連絡入れますね」
向井はそいう言ってリングのスイッチを押した。
「それ安達君と直結してるの? 」
アンが聞いた。
「安達君は倒れることがあるので、
究鬼さんにこのリングを持たされたんです。
安達君のヘッドリングと繋がってるので、
どこにいるか場所も分かるし、
大丈夫ならすぐに来ますよ」
向井が笑うと、
一瞬店内の時間が止まり、
安達が姿を現した。
「あれ? 」
新田が驚く顔をした。
「なんだよ。俺が来ちゃダメなのかよ」
安達と一緒に牧野もやってきた。
「今日は悪霊退治だから、
まだ仕事中だと思ったんですよ」
「あんなのすぐに片づけてやったよ」
向井の言葉に牧野は偉そうに胸を張った。
「みんな忙しいしさ、
お昼どうしようかなと思ってたら、
安達が向井に呼ばれたって言うから一緒に来た。
なんか今日は食堂は止めとけって、
頭の中でささやく声がしたんだよね。
俺のカンも当たるもんだね」
牧野は嬉しそうに言うと、
「おっ、凄ぇメニューじゃん」
夢中になっている姿にみんなが笑う。
新田が言い、トリアの案内で絵本カフェに行った。
モールからほど近い裏通りに、
木々に囲まれた山小屋のような作りのお店があった。
「森のレストランみたい」
アンが笑顔で言葉にした。
「でしょう?
穴場なんだけど口コミで人が増えちゃって。
ただ、今は捨て地に来ない人も多くなったから、
のんびり楽しめるわよ。
中も童話の世界みたいで可愛んだから」
トリアはそういって店の中に入って行った。
「いらっしゃいませ」
エプロン姿のアンドロイドがやってくると、
彼らを案内してくれた。
店内は親子連れや女性同士の客が多い。
トリアが言うように、
おとぎの国のような内装で、
奥にはキッズルームもあり、
子供達が背もたれに持たれながら、
絵本を真剣に読んでいた。
案内されたブースは部屋のようになっていて、
楕円にソファーが設置されていた。
一人、二人の席の他に、
こうしたファミリー席も、
森の中にいる様だ。
向井達は座るとメニュー画面を見て笑顔になった。
「クマさんの音楽会?
お茶会のウサギ?
へ~これがメニューなんだ。
プレートも物語みたいだね」
新田が画面を見入っていた。
「キッズメニューは本日は、
お城からの馬車に………
魔法使いの学校ですか。
君達が好きなチキンライスに、
ハンバーグか唐揚げが選べますよ」
向井が画面をチビ達に見せた。
「安達君が喜びそうなメニューよね」
弥生も笑いながら言うと、
「だったら呼びますか」
向井が言った。
「そうか、安達君今日は工房にいるんだよね」
新田が向井を見た。
「イベントの作品の事で、
十朱さんと何を出すか相談してるんですよ。
息抜きも必要でしょうし、
今、連絡入れますね」
向井はそいう言ってリングのスイッチを押した。
「それ安達君と直結してるの? 」
アンが聞いた。
「安達君は倒れることがあるので、
究鬼さんにこのリングを持たされたんです。
安達君のヘッドリングと繋がってるので、
どこにいるか場所も分かるし、
大丈夫ならすぐに来ますよ」
向井が笑うと、
一瞬店内の時間が止まり、
安達が姿を現した。
「あれ? 」
新田が驚く顔をした。
「なんだよ。俺が来ちゃダメなのかよ」
安達と一緒に牧野もやってきた。
「今日は悪霊退治だから、
まだ仕事中だと思ったんですよ」
「あんなのすぐに片づけてやったよ」
向井の言葉に牧野は偉そうに胸を張った。
「みんな忙しいしさ、
お昼どうしようかなと思ってたら、
安達が向井に呼ばれたって言うから一緒に来た。
なんか今日は食堂は止めとけって、
頭の中でささやく声がしたんだよね。
俺のカンも当たるもんだね」
牧野は嬉しそうに言うと、
「おっ、凄ぇメニューじゃん」
夢中になっている姿にみんなが笑う。
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