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第十五部
冥王のお気に入り駄菓子
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仕事終えて休憩室に戻る途中、
廊下で立ち話をする冥王達を見た。
「うちだってこれが限界だから、
お金で片が付くなら、それで納得させて」
「分かってますよ」
ディッセと冥王が何やら話しながら、
出掛ける準備をしている姿を見た。
二人から離れて歩いてくるフェムトンを見て、
向井が声をかけた。
「何かあったんですか? 」
「えっ? あぁ、実は真実の壁に飲まれた、
外国人観光客の事でね。
これってうちの神がかかわってる事件でしょう。
下界での責任問題にも発展しちゃうから、
急遽、冥界会議が開かれることになったの」
「あ~確かに国際問題に発展してますからね」
向井も顔を顰めた。
「でしょう? で、うちから座布団七十枚よ」
「な、七十…ですか」
向井も驚くと言葉に詰まった。
「ディッセから不平不満がでても仕方がないわよ」
そんな話をしたのが、
つい数日前の話だった。
向井がそんなことを思い出していると、
「むかいもいく? 」
三鬼がハクと手を繋いでやってくると、
顔を見上げた。
「あとから行くので、
それまで弥生ちゃん達の言う事を、
ちゃんと聞いてくださいね」
向井が屈んで話しかけた。
「ぜったいだよ」
弥生と後からやってきたこんと呉葉も、
走ってきて抱きつくと言った。
「はい」
向井は笑顔で言うと、
「今日は時間はかかりそうですか? 」
カウンターでセイに聞いた。
「え~と、真紀子さんとヴァンがここでしょ。
で、エハと坂下さんがこっち。
向井さんと新田君は…ここのモールですね。
どれも短時間で終わる案件ですよ。
向井さん達のは………
駐車場でカートが勝手に動く怪現象があるらしくて」
地図をタップすると場所を指さした。
「あれ? ここって………」
と言ってアンを振り返った。
「アンさん達が行くお店って、ここですよね」
向井がアンを見てタブレットを指さした。
「ん? あら、そうここ。
なんだ目の前のモールじゃない」
アンもカウンターに寄りかかると、
画面を見た。
「だったら一緒に降りましょうか」
向井が言ったところで新田がやってきた。
「遅くなってごめん。冥王につかまっちゃって」
「なに? 何かあったの? 」
弥生が聞いた。
「違う。なんかほしいお菓子があるんだって」
「お菓子? 」
フェムトンが新田を見た。
「そう。この駄菓子が食べたいんだってさ。
中央から捨て地に引っ越してきた駄菓子屋さんで、
美味しいらしいんだよね」
新田がタブレットの画像を見せた。
「これ、この前チビ達と行って、
お土産に買って帰ってきたやつじゃない」
早紀も画像をのぞき込むと言った。
「昔懐かしい駄菓子屋さんなんだけど、
坂下君の喫茶店の近くにできたのよ」
「そうなの? 」
新田が早紀の顔を見た。
廊下で立ち話をする冥王達を見た。
「うちだってこれが限界だから、
お金で片が付くなら、それで納得させて」
「分かってますよ」
ディッセと冥王が何やら話しながら、
出掛ける準備をしている姿を見た。
二人から離れて歩いてくるフェムトンを見て、
向井が声をかけた。
「何かあったんですか? 」
「えっ? あぁ、実は真実の壁に飲まれた、
外国人観光客の事でね。
これってうちの神がかかわってる事件でしょう。
下界での責任問題にも発展しちゃうから、
急遽、冥界会議が開かれることになったの」
「あ~確かに国際問題に発展してますからね」
向井も顔を顰めた。
「でしょう? で、うちから座布団七十枚よ」
「な、七十…ですか」
向井も驚くと言葉に詰まった。
「ディッセから不平不満がでても仕方がないわよ」
そんな話をしたのが、
つい数日前の話だった。
向井がそんなことを思い出していると、
「むかいもいく? 」
三鬼がハクと手を繋いでやってくると、
顔を見上げた。
「あとから行くので、
それまで弥生ちゃん達の言う事を、
ちゃんと聞いてくださいね」
向井が屈んで話しかけた。
「ぜったいだよ」
弥生と後からやってきたこんと呉葉も、
走ってきて抱きつくと言った。
「はい」
向井は笑顔で言うと、
「今日は時間はかかりそうですか? 」
カウンターでセイに聞いた。
「え~と、真紀子さんとヴァンがここでしょ。
で、エハと坂下さんがこっち。
向井さんと新田君は…ここのモールですね。
どれも短時間で終わる案件ですよ。
向井さん達のは………
駐車場でカートが勝手に動く怪現象があるらしくて」
地図をタップすると場所を指さした。
「あれ? ここって………」
と言ってアンを振り返った。
「アンさん達が行くお店って、ここですよね」
向井がアンを見てタブレットを指さした。
「ん? あら、そうここ。
なんだ目の前のモールじゃない」
アンもカウンターに寄りかかると、
画面を見た。
「だったら一緒に降りましょうか」
向井が言ったところで新田がやってきた。
「遅くなってごめん。冥王につかまっちゃって」
「なに? 何かあったの? 」
弥生が聞いた。
「違う。なんかほしいお菓子があるんだって」
「お菓子? 」
フェムトンが新田を見た。
「そう。この駄菓子が食べたいんだってさ。
中央から捨て地に引っ越してきた駄菓子屋さんで、
美味しいらしいんだよね」
新田がタブレットの画像を見せた。
「これ、この前チビ達と行って、
お土産に買って帰ってきたやつじゃない」
早紀も画像をのぞき込むと言った。
「昔懐かしい駄菓子屋さんなんだけど、
坂下君の喫茶店の近くにできたのよ」
「そうなの? 」
新田が早紀の顔を見た。
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