『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第十四部

向井の秘密?

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「安達君も最近は眠れてるみたいで、

医務室に行かなくなったもんね」

早紀がお茶を運んでくると言った。

「安達君の体は、

多くの神様が助けてくれているので、

本人も気持ち的に安心できてるみたいですよ。

お薬も貰っているし、

この前も天上界で楽しそうでした」

向井が微笑んで安達を覗いた。

「そうそう。お薬お菓子みたいに、

甘くておいしいんだってね。

安達君が飲むのも辛くないって」

新田がソファーに座りながら話した。

「まあ、薬だからね。

飲みやすいものなんてないよね」

アートンも苦笑いした。

「炎帝様は薬を調合するときに、

自分の体で試されるそうで、

安達君が飲みやすいようにと、

かなり考えてくださったみたいです」

「いいお医者様に見てもらえてよかったよね」

オクトも静かにほほ笑んだ。

「では、いただきましょうか」

向井が言い、それぞれ食べ始めた。


――――――――


「ねえ、これって何年前のドラマ? 」

早紀がお茶をしながら新田に聞いた。

「六年くらい前かなぁ~

初めての連ドラ主役でさ。

河原さんの原作なんだよね。

ほら、以前に冥界でみんなが、

俺の出てたドラマ見てたことあったでしょう? 

あれが視聴率よかったんで、

連ドラ化されたんだよね」

「へえ~そういや、安達君がカッコいいって、

ずっと言ってたもんね」

ヴァンが笑いながら新田を見た。

「自分のドラマって見ててどんな感じ? 」

「ん~あまり自分が演じてるって感じしないんだよね。

俯瞰でとらえている感じかな? 

最近は特にそう。演じてないから、

これは俺か? みたいな? 」

ティンの問いにドラマを見ながら新田が言う。

「そうそう、この主人公、

特撮が好きで彼女には隠してるのよね」

エハがドラマを見ながら笑う。

「あっ、特撮で思い出した。

三鬼が好きなヒーロー戦隊と、

呉葉とこんが好きなプリンセス戦士が、

冬のアニメ祭りでコラボ映画になるのよね」

「じゃあチビ達大騒ぎだ」

ティンが笑った。

「もうずっと、行きたい~行きたい~って。

仕方がないから連れて行くことにしたの。

それで今度は、

前売りチケットのグッズが欲しくて、

結局買わされたわよ」

早紀が話した。

「アニメ祭りって今もあるのよね。

私の曾祖父母の時代? には二本立てで、

アニメが見れたらしいけど」

「映画がしかもアニメが二本なんてきつくない? 」

「昔は一本三〇分くらいだったらしいから、

二本見たって一時間でしょう」

エハの疑問に早紀が説明した。

「一時間じゃ、映画一作品分もないじゃん。

それでも値段は一緒だろ? 」

「だろうね。よく知らないけど」

驚くヴァンに早紀も首を傾げた。

その時、

「あっ!? 」

エハがドラマの間のCMに声を上げた。

「なに? 」

皆が驚いて画面を見ると、

「あっ? 」

みんなもCMを見て刮目した。

「嘘………」

早紀が言い、みんなが顔を見合わせて笑った。

「初対面の時、

初めて会った気がしなかったんだよね。

そうか。そういう事だ」

新田が笑った。

「でもこのCM古いよね。

今も流れてるの? 」

早紀が言うと、

「あ………この海外ブランド三十周年だって。

それで人気のあったCMを流してるみたいよ」

エハがじっと見ながら言った。

「やだ~色っぽい。そういえば友人が、

夢中になってたな~今、思い出した」

早紀が昔を思い出すように遠くを見ながら笑った。

「冥王は知ってると思う? 」

「知ってたら騒いでるんじゃない? 」

ティンの言葉にエハがいい、

「これはみんなに教えなければ」

早紀の意地悪そうな顔に皆も笑った。
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