『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第十一部

新たなお好み焼きメニュー

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「冥界から来る人たちは、

うちに来るとみんな羽を伸ばしてるよね。

なんで? 」

黒谷は珈琲を入れて運ぶと向井達を見た。

「なんででしょうね~居心地がいいのかな? 」

向井も笑いながら、

お土産のシフォンケーキを箱から出した。

「別にいいけどさ。最近はグッズ販売も好調だから、

少しメニューを考える時間を取ってるの。

赤姫さんもどこかに出かけてるのか、

姿を見せない時もあるしさ」

黒谷はシフォンケーキを手に取った。

「赤姫なら近頃はちょこちょこ冥界にきて、

冥王たちとお茶してるわよ」

エハも楽しそうに話した。

「で、メニューの事で聞きたいって何ですか? 」

向井もケーキを食べながら黒谷を見た。

「実は夏の生ものは危険でしょ。

だから粉物のメニューにしようと思って、

常連さんに聞いてみたら、

お好み焼きがいいんだって」

「いいじゃん。お好み焼き。俺好きだよ」

ヴァンが言った。

「うちは神様メニューでしょ。

だから考えて、辛さのレベルで作ろうかと思って、

それで辛いのが得意な人っているか聞きたかったんだ」

「だったら佐久間さんかな? あの人は辛党ですから」

「佐久間さん? 」

向井の話に黒谷が聞き返した。

「ああ、そうか。黒谷君はまだ、

会ったことないかもしれませんね。

ほら発表会でカードマジックを、

披露していた人がいたでしょ? 」

向井の言葉に少し考え込むと、

「ああ~あのインテリっぽい、

スマートな人ね」

黒谷が思い出したように頷いた。

「彼は甘いものも食べますけど、

かなりの辛党ですよ」

「だったら、辛いヴァージョンは、

その佐久間さんにお願いしよう」

黒谷は笑顔になった。

「どんなお好み焼きにするの? 」

エハが聞くと、

「閻魔焼きが一番辛くて、赤姫焼きが2番目に辛くて、

毘沙門焼きはチョイ辛、水神焼きは普通、

妖怪焼きはちょっと甘め? 」

黒谷が説明した。

「もしかして毘沙門天弁当も作った? 」

ヴァンが聞いた。

「まだこれから。だって俺息子でしょ? 

だから秋に毘沙門天親子弁当作ろうと思って」

「あはははは。それ面白いね~

毘沙門天も大うけだよ」

黒谷の話にヴァンがケラケラと笑った。

「妖怪焼きは子供向けってこと? 」

エハが珈琲を飲んで黒谷を見た。

「そう。チビちゃんたちのカレーは、

甘いって聞いたから」

「うん。うちは安達君も牧野君も、

カレーは甘めなんだよね」

ヴァンが笑いながら話した。

「ハハハ、あの二人もお子様味覚なんだ」

黒谷も笑った。

「ところで坂下君とは最近どうですか? 

またコラボでお弁当出そうとかって、

話してましたけど」

向井が聞くと、

「この前のポップアップの後、

一度喫茶店の方に遊びに行ったら、

お客さんが増えてて、ちょっとびっくりした」

黒谷がケーキを頬張り三人を見た。
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