『アンダーワールド・番外編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

文字の大きさ
上 下
216 / 330
番外編 冥界の逆襲

牧野の必殺技?

しおりを挟む
「最近、俺は勇者だ。ヒーローだって言ってるでしょう。

それで三鬼から必殺技は何かって言われて、

それを考えながら悪霊退治してるんです」

「はぁ? 」

皆の顔があきれ果てたようになった。

「ブラックプリンスには、

ビームガンというのがあって………」

「あぁ………あの三鬼がいつも腰に下げてる、

音の出る剣だ」

アートンが思い出しながら話す。

「そうそれです。

で、マキちゃんは何? って言われたもんだから、

必殺技を訓練中? という訳です」

「そんなこと考えてるから、悪霊の毒をもらうんでしょうに」

トリアが顔を顰めて口をすぼませる。

「まぁ今は、弥生ちゃんとコンビで除去に行って、

やられる心配がないぶん、

毒を受けてものびのびと除去が出来てるんです」

向井が苦笑いで話した。

「確かにあの手のひらから出る稲妻? 

あれがいつでも発動できれば、

中央の大きくなる悪霊も一度で除去できるんだけどね」

ディッセがため息まじりに笑う。

「暫くは映像コンテストもあるし、

必殺技に邁進中なので大人しいと思いますよ」

「それは助かる」

ニットンの言葉に皆も呆れながら笑った。

「お弁当食べないの? 選べなくなっちゃうよ」

入り口で立ち話する向井達に、

早紀が声をかけた。

見ると牧野はすでに二個目のお弁当を食べ始めている。

「これは大変です」

冥王が牧野の食べる姿に慌てて部屋に入った。

「俺達もあの餓鬼にやられる前に、

食べないと」

ディッセもいい皆で笑いながらテーブルに向かった。


牧野が三個目を食べているのを、

食卓を囲む者達が驚きの顔で見ていると、

「なんだよ。別に数があるんだからいいだろ? 」

牧野が口を尖らし言った。

「別にいいですけどね。

まぁ、よく腹に入るものだと思ってね」

冥王も笑うと、

すき焼き御膳を食べながら顔を見た。

「オヤジと違って、こっちは若いまんまなの。

腹減るんだよ」

「ハラへる~」

ハクとクロウが楽しそうに言うと、

ハンバーグを口に入れた。

「牧野君。お口」

弥生に言われて、ヤバッという表情をする。

呉葉達が汚い言葉に反応しなくなったら、

今度は下のチビが楽しそうに使うようになった。

「子供は汚い言葉が好きだよね」

カトルセが笑うとビールを飲んだ。

チビ達はキッズトレーにお弁当を分けてもらい、

美味しそうに口に運ぶ。

「ハンバーグにチキン、いいね~

人参とブロッコリーも残さず食べなきゃな」

新田がハクとクロウがパクパク野菜を食べてる姿を見て、

呉葉達に言った。

少しずつ克服はしているものの、

やはり野菜よりは肉。

大人もそうなので仕方がないが、

妖怪の子供を元気に育てるためには、

人間以上に栄養素が必要なこともあり、

ジュースにしたりおやつにしたりしながら食べさせていた。

「ちゃんとたべるもん」

こんがハクとクロウを見ながら、

ブロッコリーを嫌々ながら口に入れる。

そんな姿に大人達は笑いながら見ていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『 ゆりかご 』  ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。

設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。 最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。 古い作品ですが、有難いことです。😇       - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - " 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始 の加筆修正有版になります。 2022.7.30 再掲載          ・・・・・・・・・・・  夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・  その後で私に残されたものは・・。            ・・・・・・・・・・ 💛イラストはAI生成画像自作  

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...