『アンダーワールド・番外編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編 新たな動き

牧野も楽しいコミックフェス

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「そうだ。俺さ~この恐竜が目当てで来たんだよね~」

牧野はそういうとタブレットを動かした。

「どれどれ~」

岸本が言い、皆で画像を見る。

「へえ~作りが綺麗ね」

「これ、ネクタイピン? カッコイイね」

サランダが驚き、新田も興味を持ったようだ。

「でも、ネクタイしないのに、

ネクタイピンなんてどうするの? 」

トリアが牧野を見た。

「別にネクタイじゃなくても、

襟でもポケットでもいいんだよ。

お洒落じゃん。

で、オヤジはこれのティラノが欲しいんだって」

牧野が二個目のホットドッグを銜えると、

向井を見た。

「まるでたかり屋ね」

トリアの言葉に皆が笑う。

向井も苦笑すると、

「では、食べ終わったらみんなで見てみますか」

と言った。



ゆっくりブースを見て回り、

イベントが終わると向井達だけ地下駐車場へ移動した。

黒谷の車で帰るのは、

向井、新田、牧野、安達となり、

「途中で休憩するでしょ。その時俺が運転変わってもいいよ」

と新田が言った。

車に乗り込むと牧野と安達がはしゃいでいた。

「凄ぇ~ベッドにキッチン………簡易トイレもあるじゃん」

牧野はベッドに寝転がると、

「お菓子食べるんじゃないの? 」

新田がソファーに座り、安達とテーブルに並べた。

「食べる食べる~」

嬉しそうな声を聞きながら、

向井は運転席に乗り込んだ。

黒谷も助手席に座ると後ろを振り返り笑顔になった。

「牧野君にはちょっとした遠足だね」

「本当ですね」

向井も笑うと車を発車させた。


途中の休憩所で牧野はラーメンを食べ、

安達もフロートを買って、

ご機嫌で車に揺られ喫茶店に着く頃には、

明け方になっていた。

「着いたよ~」

新田がエンジン止めて後ろを見ると、

「おっ、着いた? 」

黒谷がソファーから起き上がり、

伸びをした。

ベッドを見ると牧野と安達は、

毛布にくるまってぐっすり寝ている。

「少しこのままにしておくか」

黒谷はそういうと、

「向井さんと新田君は、

部屋で少し休みなよ」

「そうする~」

新田は笑うと車を降りた。

向井は一度二人の様子を見てから、

部屋に入った。

「向井さん珈琲飲む? 」

黒谷がキッチンでドリップを用意していった。

「新田君はもう寝ちゃったよ」

サンルームのカウチベッドに横になる姿に、

向井も笑うとカウンターにやってきた。

「仮眠は取ったけど、

仕事明けですからね。

俺達は死人なので運転も寝ながら移動も、

いざとなれば消えちゃえばいいので、

問題もないですけど、

黒谷君の方が疲れたんじゃないですか? 」

向井は珈琲の香りに微笑みながら話した。

「それは大丈夫。俺も車移動慣れてるから。

そういえば安達君はいきなり寝落ちするよね。

ベッドに座って本見てたと思ったら、

コテッて。はい、珈琲」

黒谷がカップを向井に手渡して話した。

「薬が効いているので、

気にしなくても大丈夫です」

「そっか。それでかな。最近の安達君のオーラが、

安定した色なんだよね」

黒谷が珈琲を飲みながら話すのを見て、

「オーラの色は綺麗になってます? 」

と聞いた。

「うん………前はいろんな色が出たり入ったりして、

危ういなぁ~って感じだったんだけど、

今は白が多くなって綺麗だよ」

やはり薬の効果はあるんだ。

向井は驚くと笑顔になった。

「黒谷君に言われて安心しました」

「えっ? 俺なんかただの人間だよ」

笑いながらカップに口を付ける。

「そんなことないですよ。

黒谷君のお陰でみんな元気でいられます」

「そ、そぉ? 役に立ってるならいいや」

照れたように笑うと珈琲を飲んだ。
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