184 / 330
番外編 騒ぐ下界
神の森の異変
しおりを挟む
むくれる牧野に皆が和んでいると、
鳥居の先から一人の男性が歩いてきた。
美少年と見まがうほどの容姿の人物だ。
彼は階段を下りてくると、
「向井君~久しぶり~」
と言った。
向井は驚くと、
「ミデンさん? 」
とその人物の名前を言った。
「ミデンがいるという事は…結界庁が絡んでるのか? 」
サンクも驚いて口を開いた。
「誰? 」
向井とサンク、エナトが歩いて近づいていく姿に、
牧野がサランダの服の袖を引いて聞いた。
「えっ? 」
サランダは引き止められ、足を止めた。
「あっ、そうか。皆は初めてか」
サランダが牧野、坂下、佐久間を見回し言った。
「俺は時々会うけど、
それでも最近だといつだ? 随分前だよ」
岸本も驚いた顔のままミデンを見る。
「彼も死神。と言っても外回りが多いから、
冥界にいる事ないものね」
サランダが話した。
「結界庁ってさっき話していた長老の? 」
佐久間が尋ねると、
「そう。この国の結界を作り守る術師の集団。
この国にはそういう人間もいるのよ。
で、彼らは神を守るものなので、
冥界にも見張り役が必要になるので、
見て回っているの」
サランダが説明した。
「あ…ディッセさんとかアートンさんが時々いなくなるのって、
これが関係してるんですか? 」
坂下も納得した様子で頷いた。
「ミデンがここにいるってことは、
この火炎は結界庁も関係してるのか? 」
サンクが言った。
向井達は階段の途中で待つミデンに近づくと、
一緒に祠の所まで歩いて行った。
「田口は大沢以上に問題あるよね。
まぁ、この国は自己中な人間だらけだから、
それほどおかしなことではないんだけどね」
ミデンはそう言うと、八つの祠を指さした。
「この前、河伯じいさんに会って、
ここの結界の事を聞いたんだ。
向井君と結界の補強もしたって言うんで、
確かめに来たら、
昨日か……結界庁の長老が部下と一緒に、
ここに来た。
あの年でこの山に入ってくるんだから、
あれはまだ死なないね」
ミデンが笑った。
「お前は言い方がストレートすぎる」
エナトが窘めるように言った。
「別にいいじゃん。ねぇ、向井君」
ミデンが向井の肩に手を回し顔を見る。
「見た所、神の様子はこの前と同じに感じますけど、
結界が更に強化されてる?
これは人が張った結界ですか? 」
向井が驚く表情でミデンを見た。
サンク達が一驚する。
「さすが向井君。そう、これは結界庁が張ったもの」
ミデンは向井から離れて中央に立つと、
手を広げ結界を目に見える形に術を施した。
すると河伯、向井の張った結界の上から、
形の違う結界が見えた。
「へえ~凄ぇ~」
あとから階段を上がってきた牧野が、
その結界に驚きの声をあげた。
「あっ、もしかして牧野君? 」
ミデンはにっこり笑うと顔を見た。
「そうだけど……」
そこまで言ったところでミデンはやってくると、
ギュッと抱きしめた。
「うんうん。いいね~
会うやつ皆、牧野は面白いって言うんで、
会いたかったんだよ」
牧野は突然のハグに体が固まった。
「俺さ~下界にいる時間の方が長いからさ。
冥界に戻っても、最近は冥王しかいないんだもん。
あの人暇なんだね」
ミデンは笑うと、牧野から体を放した。
鳥居の先から一人の男性が歩いてきた。
美少年と見まがうほどの容姿の人物だ。
彼は階段を下りてくると、
「向井君~久しぶり~」
と言った。
向井は驚くと、
「ミデンさん? 」
とその人物の名前を言った。
「ミデンがいるという事は…結界庁が絡んでるのか? 」
サンクも驚いて口を開いた。
「誰? 」
向井とサンク、エナトが歩いて近づいていく姿に、
牧野がサランダの服の袖を引いて聞いた。
「えっ? 」
サランダは引き止められ、足を止めた。
「あっ、そうか。皆は初めてか」
サランダが牧野、坂下、佐久間を見回し言った。
「俺は時々会うけど、
それでも最近だといつだ? 随分前だよ」
岸本も驚いた顔のままミデンを見る。
「彼も死神。と言っても外回りが多いから、
冥界にいる事ないものね」
サランダが話した。
「結界庁ってさっき話していた長老の? 」
佐久間が尋ねると、
「そう。この国の結界を作り守る術師の集団。
この国にはそういう人間もいるのよ。
で、彼らは神を守るものなので、
冥界にも見張り役が必要になるので、
見て回っているの」
サランダが説明した。
「あ…ディッセさんとかアートンさんが時々いなくなるのって、
これが関係してるんですか? 」
坂下も納得した様子で頷いた。
「ミデンがここにいるってことは、
この火炎は結界庁も関係してるのか? 」
サンクが言った。
向井達は階段の途中で待つミデンに近づくと、
一緒に祠の所まで歩いて行った。
「田口は大沢以上に問題あるよね。
まぁ、この国は自己中な人間だらけだから、
それほどおかしなことではないんだけどね」
ミデンはそう言うと、八つの祠を指さした。
「この前、河伯じいさんに会って、
ここの結界の事を聞いたんだ。
向井君と結界の補強もしたって言うんで、
確かめに来たら、
昨日か……結界庁の長老が部下と一緒に、
ここに来た。
あの年でこの山に入ってくるんだから、
あれはまだ死なないね」
ミデンが笑った。
「お前は言い方がストレートすぎる」
エナトが窘めるように言った。
「別にいいじゃん。ねぇ、向井君」
ミデンが向井の肩に手を回し顔を見る。
「見た所、神の様子はこの前と同じに感じますけど、
結界が更に強化されてる?
これは人が張った結界ですか? 」
向井が驚く表情でミデンを見た。
サンク達が一驚する。
「さすが向井君。そう、これは結界庁が張ったもの」
ミデンは向井から離れて中央に立つと、
手を広げ結界を目に見える形に術を施した。
すると河伯、向井の張った結界の上から、
形の違う結界が見えた。
「へえ~凄ぇ~」
あとから階段を上がってきた牧野が、
その結界に驚きの声をあげた。
「あっ、もしかして牧野君? 」
ミデンはにっこり笑うと顔を見た。
「そうだけど……」
そこまで言ったところでミデンはやってくると、
ギュッと抱きしめた。
「うんうん。いいね~
会うやつ皆、牧野は面白いって言うんで、
会いたかったんだよ」
牧野は突然のハグに体が固まった。
「俺さ~下界にいる時間の方が長いからさ。
冥界に戻っても、最近は冥王しかいないんだもん。
あの人暇なんだね」
ミデンは笑うと、牧野から体を放した。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる