171 / 330
番外編 騒ぐ下界
乗っ取られた国
しおりを挟む
「ん~多分、
姥捨て山で稼いでいた動画アーティストも、
原因の一つかも。
今はその捨て地に入れないから、
イラついてるんだと思う。
最近は暴行動画をいたずらとしてあげて、
荒稼ぎしてるのがいるのよ。
で、ここに来る途中で見かけたから助けたの」
エハがやってきて話した。
「老人を殺害してもエコ無罪って言葉で、
暴行罪が通用しないところあるからさ。
口では優しい世の中って言ったって、
実際は殺害しても罪は軽いし、
警察も動かないし、
誰もおかしいと思ってないんだよ。
出来れば捨て地に来れるご老人や耐え忍んでいる国民には、
移住してもらいたいんだけどね」
ティンも近づいてきて話した。
「その老人はどこに住んでるの? 」
「下区と貧民街の間。
祖父母の代からの家だから離れられないらしい。
思い出もあるんだろ」
ヴァンがトリアに説明した。
「今日もね。
薬を受け取りに薬局に行く途中で、
若者に絡まれたのよ。
邪魔だの。死ねだの。
杖折られて、転ばされて。
今は裁判になっても殺害された相手が老人で、
犯人が若者なら減軽、
反対に暴行された老人が倒れて、
子供が巻き込まれて死亡すれば老害罪で捕まる。
いつからそうなったんだろうね。
だから通行人も知らん顔だし、
笑っている子供もいるし、
見てて気持ちが悪かった」
エハが思い出すのも嫌だという感じに、
両腕をさすった。
「で、とっさに結界張って助けたんだけど、
近くに議員もいたから、
突然現れた結界に大騒ぎになっちゃって」
ティンが言いながらため息をついた。
「はぁ、そういう事ですか。
で、そのご老人はどうされたんですか? 」
「一応俺達が保護して、
赤の捨て地の役所にお願いしてきた。
おじいさんも暴行されたのは初めてで、
殺されるんじゃないかって思ったらしい。
で今、移住手続きの説得をしてるところ」
ヴァンが向井を見て言った。
「ここまでかかわっちゃうと、
そのあと老人の家の事とか、
住居が決まるまで冥界が見ることになると思う。
黒地は危険だから、捨て地の人間は入れないだろうし」
ディッセの話に向井も頷いた。
「そうですよね」
「これが続くとアートンじゃないけど、
人間との共存を考えないと、
仕事に支障をきたすことになるわね」
トリアも腰に手を当てため息をついた。
「ねえ、チビがお腹空いたって。
俺も腹減った」
牧野がやってくると言った。
「なに? なんか事件でもあったの? 」
「ん? ちょっとね。
でも、そうか。もうお昼過ぎだもんな。
今回は飲食ブースも多いから何か買ってくるか」
ディッセが牧野を見た。
「だったら俺達まだ、
ショップ見て回ってないから、
ついでに買ってくるよ」
ティンが言った。
「チビと神様二人は、
ブーステーブルで食べてもらった方がいいだろうから、
トリアと新田君、シェデムと俺がブースに残るから、
お前ら見に行ってきたら? 」
ディッセが言った。
「そうですね。まずはお昼を食べて、
牧野君達には先にブースに戻ってもらって、
残りのメンバーはお買い物と。
それでいいですか」
向井は頷く牧野達を見て笑った。
皆で飲食ブースに行くと、
角煮まん&角煮丼ののぼり旗があり、
牧野と安達、チビ達はその店の前で立ち止まり、
じっと見てから指をさして振り返った。
「これがいい」
七人が揃って振り返る姿に、
ヴァンとティンが思わず笑う。
「息がピッタリね」
弥生も笑うとお店に近づいた。
「ほお~豚の角煮ですか」
毘沙門天も楽しそうにメニューをのぞく。
「美味しそうじゃの~」
赤姫も笑顔で言った。
「では、こちらにしましょうか。
チビ達は角煮まんかな?
皆さんはどうします? 」
向井が聞くと、
「俺はどっちも食べるぞ」
「牧野君はそうでしょうね」
向井は笑った。
姥捨て山で稼いでいた動画アーティストも、
原因の一つかも。
今はその捨て地に入れないから、
イラついてるんだと思う。
最近は暴行動画をいたずらとしてあげて、
荒稼ぎしてるのがいるのよ。
で、ここに来る途中で見かけたから助けたの」
エハがやってきて話した。
「老人を殺害してもエコ無罪って言葉で、
暴行罪が通用しないところあるからさ。
口では優しい世の中って言ったって、
実際は殺害しても罪は軽いし、
警察も動かないし、
誰もおかしいと思ってないんだよ。
出来れば捨て地に来れるご老人や耐え忍んでいる国民には、
移住してもらいたいんだけどね」
ティンも近づいてきて話した。
「その老人はどこに住んでるの? 」
「下区と貧民街の間。
祖父母の代からの家だから離れられないらしい。
思い出もあるんだろ」
ヴァンがトリアに説明した。
「今日もね。
薬を受け取りに薬局に行く途中で、
若者に絡まれたのよ。
邪魔だの。死ねだの。
杖折られて、転ばされて。
今は裁判になっても殺害された相手が老人で、
犯人が若者なら減軽、
反対に暴行された老人が倒れて、
子供が巻き込まれて死亡すれば老害罪で捕まる。
いつからそうなったんだろうね。
だから通行人も知らん顔だし、
笑っている子供もいるし、
見てて気持ちが悪かった」
エハが思い出すのも嫌だという感じに、
両腕をさすった。
「で、とっさに結界張って助けたんだけど、
近くに議員もいたから、
突然現れた結界に大騒ぎになっちゃって」
ティンが言いながらため息をついた。
「はぁ、そういう事ですか。
で、そのご老人はどうされたんですか? 」
「一応俺達が保護して、
赤の捨て地の役所にお願いしてきた。
おじいさんも暴行されたのは初めてで、
殺されるんじゃないかって思ったらしい。
で今、移住手続きの説得をしてるところ」
ヴァンが向井を見て言った。
「ここまでかかわっちゃうと、
そのあと老人の家の事とか、
住居が決まるまで冥界が見ることになると思う。
黒地は危険だから、捨て地の人間は入れないだろうし」
ディッセの話に向井も頷いた。
「そうですよね」
「これが続くとアートンじゃないけど、
人間との共存を考えないと、
仕事に支障をきたすことになるわね」
トリアも腰に手を当てため息をついた。
「ねえ、チビがお腹空いたって。
俺も腹減った」
牧野がやってくると言った。
「なに? なんか事件でもあったの? 」
「ん? ちょっとね。
でも、そうか。もうお昼過ぎだもんな。
今回は飲食ブースも多いから何か買ってくるか」
ディッセが牧野を見た。
「だったら俺達まだ、
ショップ見て回ってないから、
ついでに買ってくるよ」
ティンが言った。
「チビと神様二人は、
ブーステーブルで食べてもらった方がいいだろうから、
トリアと新田君、シェデムと俺がブースに残るから、
お前ら見に行ってきたら? 」
ディッセが言った。
「そうですね。まずはお昼を食べて、
牧野君達には先にブースに戻ってもらって、
残りのメンバーはお買い物と。
それでいいですか」
向井は頷く牧野達を見て笑った。
皆で飲食ブースに行くと、
角煮まん&角煮丼ののぼり旗があり、
牧野と安達、チビ達はその店の前で立ち止まり、
じっと見てから指をさして振り返った。
「これがいい」
七人が揃って振り返る姿に、
ヴァンとティンが思わず笑う。
「息がピッタリね」
弥生も笑うとお店に近づいた。
「ほお~豚の角煮ですか」
毘沙門天も楽しそうにメニューをのぞく。
「美味しそうじゃの~」
赤姫も笑顔で言った。
「では、こちらにしましょうか。
チビ達は角煮まんかな?
皆さんはどうします? 」
向井が聞くと、
「俺はどっちも食べるぞ」
「牧野君はそうでしょうね」
向井は笑った。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる