『アンダーワールド・番外編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編 騒ぐ下界

赤姫もバングルを

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「俺はやっぱ燕にしよう」

安達が嬉しそうに手首に当てた。

「決まりましたか? 」

向井が声をかけると、

「私はこのバングルというのか? これが欲しい」

赤姫が向井の袖を引いた。

「親子のパンダですか」

向井は笑うと、

「ゴールドでいいんですか? 」

と聞いた。

「ばあばはピンクがカワイイとおもうぞ」

呉葉が手を伸ばすのを見て、

新田が抱き上げた。

「ピンクゴールドもあるんだ。可愛いね。

うん。似合うと思う」

新田も赤姫を見た。

「そうか? では、私はこれにしよう」

「だったら私はこちらの指輪にしましょう」

毘沙門天も安達のツバメのブレスを見て、

同じデザインのリングを手にして指にはめた。

「じいじカッコイイ」

抱っこされているハクが笑顔で言った。

「このリングはレジンですか? 」

トリアが気になる指輪を見つけ作家に声をかけた。

「はい。指輪はゴールドフィルドで、

中央にレジンの蓄光を入れています。

昼と夜で色合いも変わって楽しめますよ」

「だったら私はこれ買ってもらおう。

凄く綺麗」

トリアも指にはめると光にかざした。

「俺と新田はこのブレスね」

牧野がゴールドチェーンのブレスを見せた。

「では、お会計をお願いします」

向井が作家に声をかけた。

「有難うございます」

女性は笑顔になると、

それぞれアクセサリーを受け取り、

箱に入れてくれた。

「そうだ。これ重いのよ。二人が持って」

向井が支払いしている横で、

トリアが買ったおもちゃの箱を新田と牧野に手渡した。

「こいつらが欲しいおもちゃって、

こんなデカいの? 」

牧野が驚いて箱を見た。

「うちがおもちゃだらけじゃん」

「仕方がないでしょ。子供はそういうもん」

牧野とトリアの会話を作家が笑いながら聞いていた。

「はい。商品です」

「安達君、アクセサリーを受け取ってください」

クロウを抱っこする向井が振り返った。

作家から受け取った袋を、

安達が嬉しそうに見る。

「近々新作が出るので、また見に来てくださいね」

作家はそういうと安達にリーフレットを渡した。

向井達はそのあとも色んなショップを覗きながら、

ブースに戻った。


「あっ、帰ってきた。向井さん、ちょっといい? 」

ディッセがブースから出てきて手招きした。

向井はクロウを下ろすと、

「何かありましたか? 」

とディッセに近づいた。

「ちょっと黒地で問題発生してね」

「来る時に神祠の近くに議員たちがいましたけど、

それですか? 」

「ん、それもあるんだけど、

暴行事件にヴァン達が巻き込まれて」

「えっ? 」

チビ達を新田達に任せて、

あとから来たトリアが驚きの声を出した。

「どういう事? 」

トリアが聞くと、

「巻き込まれてっていうより、

暴行受けた老人を助けたんだけど」

ディッセが説明した。

「で、ヴァン君は? 」

「ここ」

向井達はヴァンの声に振り返った。

「暴行って………何があったの」

トリアが眉間にシワを寄せてヴァンを見た。

「ほら、今エコ無罪って流行してるでしょ。

それで歩いてた老人がターゲットになってたんで、

結界張ったの」

ヴァンが話した。

「そういえばうちにいる作家の大月さんも、

それで死んでるんだもんね」

トリアが顔を顰めて言った。

「そう。で、たまたま俺とエハとティンが、

ここに来る途中で目撃して、

とっさに結界張っちゃったんだよ」

その話に向井も驚いた。

「抑々、なんでそんなことになったの」

トリアが聞いた。
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