『アンダーワールド・番外編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編 騒ぐ下界

初めてのイベントに興奮

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「この前のイベントより大きいですね」

毘沙門天がハクを抱きながら辺りを見回した。

「そうですね。ステージがない分、

ショップと飲食のテーブルが多くなってますね」

クロウを抱く向井が、

毘沙門天と並んで歩きながら説明した。

呉葉とこんはトリアと赤姫と手を繋ぎ、

三鬼は新田と一緒に話しながら歩いていた。

「あ~」

クロウがショップを見つけ笑顔になった。

「ありましたね~」

向井が笑顔で話しかけると、

三鬼達が大人の手を引っぱってお店に向かった。

「いらっしゃい」

六十代位の男性が声をかける。

「あっ」

横を見ると三鬼のお気に入りの作家もいた。

「こんにちは」

男性が笑顔で声をかけた。

「これ、うちの親父」

「これってお前は失礼な奴だな」

父親は怒ったふりをして、

「どうも。これ・・の親をしております鈴木幸長です」

と向井に頭を下げた。

「ボクね~きょう、このおウチをかってもらうの」

三鬼がそういって向井を見上げた。

「嬉しいな~これ、おじさんが設計したの」

幸長がニコニコ笑いながら言う横で、

「おじさんじゃなくておじいさんでしょうが」

夏彦が笑った。

「親父は建築家なんですよ。

今回、設計するからって言うんで、

親子共作なんです。気に入った? 」

夏彦が三鬼を見た。

「こんもね~いっしょにあそぶの」

こんと呉葉も嬉しそうに話す。

「という訳で、この子達と約束したので、

一つお願いします」

「有難うございます」

親子で同時に言う姿に毘沙門天が笑った。

「いいですね~息もピッタリだ」

「これはうちの親父です」

向井が紹介する。

「いやぁ~カッコいいなぁ~俳優さんみたいだ」

幸長の顔が驚きに変わる。

「親子そろっていい男でうらやましい」

「お褒めの言葉を頂いたので、

あともう一つ。

下の子達がその積木が欲しいというので、

それも包んでください」

向井が笑って言った。

「これもね。新作なんですよ。

うちの下の子がものを重ねられるようになったんで、

試しに作ったら人気をもらって」

夏彦が嬉しそうに言ってから、

夢中になってみているクロウとハクに笑顔になった。

「気に入った? 」

じっと見ている二人に夏彦が声をかけると、

「ボク、クマさんすき~おそろい」

クロウがそういいながら積み木のクマと、

自分のウェア引っ張った。

「ホントだ。カッコいいね~クマさんの宇宙飛行士だ」

「ボクはネコ~」

ハクも嬉しそうに言う。

「お揃いだ。あっ、お子さんみんなお揃いなんですね」

夏彦が笑顔でチビ達を見た。

「みんなでいっしょじゃ」

呉葉が得意げに言う姿に大人達が笑った。

「じゃあ、今ご用意しますね」

夏彦は箱を取り出すと袋に入れた。

向井が料金を支払いながら辺りを見回すと、

牧野達は少し離れたお目当ての店にいた。

赤姫も一緒になって楽しそうに見ている姿に、

「あれはおねだりされるわね」

トリアが小声で言って笑った。

向井達が夏彦たちに頭を下げ、

牧野達の方へ歩いて行くと、

「俺はこれが欲しいの」

牧野の声が聞こえた。

「どれも素敵じゃ」

赤姫も吟味しながらにこやかに作品を見ていた。
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