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番外編 騒ぐ下界

イベントで大興奮

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「自立型の風船なの。

ほら、イベントとかウェディングに、

風船飾るでしょう? あれよ」

弥生も説明すると、

チビ達にクレヨンを渡し、

「好きな風船選んで、それに色を塗ったら膨らませてあげる」

とキャラクターが描かれた風船を見せた。

チビ達が真剣に選んで色を塗り始めるのを、

向井達も微笑んで見ていた。

他の子供達も塗り終わるとスタッフに渡して、

ポンプで空気を入れてもらっている。

「弥生ちゃん、出来た~」

こんが手をあげて風船を渡すと、

空気を入れてもらい手に持って喜んでいた。

「可愛い~ウサギさん~」

そのあと、呉葉、三鬼、ハク、クロウと続き、

それぞれ風船を手に満足そうに眺めていた。

「じゃあ、私達ブースに行くけど、

二人も戻ってくるでしょ」

「うん。もう少ししたら他のスタッフと交代だから」

トリアの言葉に黒谷が頷いた。

「分かりました。では、あとで」

向井も声をかけると、

トリアとチビ達のあとを追って歩き出した。

「あれは何じゃ? 」

途中で呉葉が向井の手を引っ張って聞いた。

「ん? あぁ、ポップコーンですね」

「ポップ? 」

「ポップコーン」

向井が笑いながら教えていると、

「こん、食べたい」

子供達が買って食べている姿に、

チビ達もじっと見ていた。

「そうか、

君達はポップコーンを食べたことはなかったか」

向井が思い出すように話した。

「買って行こうか」

トリアもチビ達の様子に笑うと、

お店に向かった。

クリアな箱の中で弾かれるコーンの様子を、

夢中で見ている姿に店員が声をかけた。

「いらっしゃい。面白い? 」

顔を輝かせて見ているチビに笑うと、

向井達を見た。

「フレーバーの種類があるので、

お好きなのを選んでください」

「甘い? 」

ハクが向井を見て聞いた。

「甘いのだとキャラメルとチョコと………」

向井がメニューを見ていると、

「苺ミルクも甘くて美味しいですよ」

「苺? 」

三鬼とこんの顔が輝いた。

「お子さん用に小さなカップも、

ご用意できますよ。

どうされます? 」

「僕、これ~」

ハクがチョコを指さすのを見て、

呉葉とクロウもそれがいいと言った。

「では、苺を2つとチョコを3つ、

それとキャラメルはLサイズで1つお願いします」

「はい」

店員はそういうとポップコーンに味を付けると、

それをカップに入れて渡してくれた。

「いい匂いね」

トリアがカップを受け取りチビ達に渡した。

「こぼさないように気を付けてください」

向井が料金を支払いながら声をかける。

「美味しい~」

チビ達の笑顔にお客が集まってきた。

「あら、嬉しい」

店員は笑顔でチビ達に手を振った。

「風船持ってると危ないから」

トリアがそういってチビ達から風船を受け取る。

「ハクとクロウは持って歩くのは無理かな」

向井はそういうと二人を抱き上げた。

「パパも食べる? 」

「くれるの? 有難う」

二人が口に中に入れてくれた。

「美味しい? 」

「うん。美味しい」

そんな姿に客が振り返り見ている。

龍と天使のオーラが三人を包み、

輝いていた。


ハクとクロウはそこにいるだけで、

周りを幸せにしてくれる。

この力が黒地に利用できるといいんだろうけど、

危険すぎて使えないのが惜しいわ。


トリアは笑うと、

「迷子になるからパパから離れないで」

と三人を呼んだ。
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