『アンダーワールド・番外編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編 冥界の副業

コミックフェスに参戦

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「えっ? 冥界がアリーナの親会社? 

そんなことできるの? 」

田所が驚きの余り咳き込んだ。

「出来るのよ。冥界の魔法を使えばね。

一応クリエイターズファントムという会社もあるしね」

「それは俗に言うペーパーカンパニーでは? 」

佐久間も驚きながら笑う。

「あら、ちゃんと会社はあるわよ。

冥界だけどね。ゴースト会社なんだからピッタリでしょう」

シェデムがいい、皆が笑った。

「で、代表は冥王なんですか? 」

向井も笑いながら聞く。

「そうよ。冥王・ハーディー・龍之介という、

立派な名前があるんだから使わなきゃ。

人間じゃないけど、形だけ存在すればいいの」

「いいな~オヤジは社長か~」

シェデムの話に牧野がうらやましそうな顔で、

冥王を振り返った。

「私は社長じゃなくても偉いんですよ」

冥王がツンと上を向く。

「でもね~あれを直すのに莫大なお金がかかったから、

元を取る為にも使ってもらわないとね。

時間止めて、下界を操作して、

更に海外の冥界からも死神に来てもらって、

親方の妖鬼と究鬼、ディオを中心に、

身内だけで修理の為の大規模工事をしたんだから」

「あっ、それで向井さんも冥王と冥界に出掛けてたんだ」

ティンがポンと手を叩くと向井を見た。

「向井信者が天上界には多いから、

顔出してくれると神様たちの機嫌がいいのよ」

シェデムが向井を見て笑った。

「俺は意味も分からず付き添いで行ったんですけどね。

そういう理由だったんですね」

「そう。で、今回はコミックフェスが使うので、

うちにも話が来たってわけ。

冥界のアリーナなのに一度も使ったことないから、

これはちょうどいいかなって思って。

ティンにも来てもらうよ。

イケメン販売員って噂が広まってるからね」

シェデムが振り返ってティンに言った。

「ねえ、コミックフェスって本の他にも何か売るの? 」

新田が聞くと、

「アクリルスタンドとキーホルダー

サコッシュとキャンパストート

あとミニハンドタオルかな」

トリアが指を折りながら話す。

「キャンパストートは和明さんとコラボで作ったのよ。

どれも数は限定数なんだけど、

オリジナルグッズは嬉しいことに人気なんで、

イベントごとに増やしてるの」

「へえ~和明さんのバッグが売られるんだ」

牧野が笑顔でトリアを見た。

「バッグデザイナーのキャンパストートだからね。

使い勝手もいいし、

うちでオリジナルキャラのプリント入れたから、

それに合わせて作ってもらったの。

エコバッグとしても十分使えて、

今回の一押し」

「どんなの? 」

弥生が聞くと、

「試作品があるから見てみる? 」

フンフがそういって立ち上がると部屋を出て行った。

暫くして箱を持って戻ってきた。

Lサイズの段ボールをテーブルに置くと、

中身を取り出した。

「へえ~可愛い。大きさもちょうどいいね」

早紀が肩にかけて、持った感じを確かめた。

「でしょう。こっちのサコッシュは、

真紀子さんに作ってもらったもの。

これは人気なんだよね」

フンフが笑顔で真紀子を見た。
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