『アンダーワールド・番外編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編 冥界の副業

お買い物を終えて

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買い物を終えて喫茶店に戻ると、

お昼を食べ、

絵を額に入れてキッチンの壁に飾った。

全体に北欧風になった室内にアクセントカラーを、

キッチンには取り入れられていた。

そのダスティーカラーの壁に木目の額がよく映える。

「おっ、こうやって見ると、

立派な絵に見えるぞ」

牧野が腕組みしながら絵を眺めた。

「うん。いいね~みんな有難う」

黒谷も嬉しそうに笑顔のチビ達を見ると、

お礼を言った。

チビ達はサンルームに移動すると、

買ってきたペンを手に、

クロッキー帳を取り出し、

絵を描き始めた。

牧野と安達もハクとクロウの絵本に、

「へえ~物語が作れるんだ」

と楽しそうに二人と話しながら眺めていた。

黒谷は喫茶店のレジの所にオルゴナイトを飾ると、

満足げに眺め、

リビングに戻ってきた。

ディッセ達も一緒に部屋に入ってくるのを見て、

向井と新田が珈琲を淹れにキッチンにいった。

「駄菓子が残ってるからどうぞ」

トリアも珈琲を飲みながら駄菓子を口に入れた。

「はい。珈琲」

向井と新田がテーブルに戻ってくると、

ディッセ達の前に置いた。

「俺さ。このきな粉棒? 

初めて食べた時からハマっちゃって。

美味しいよね」

「私も好き~」

ディッセとシェデムが礼を言うと、

珈琲を飲みながらきな粉棒を手に取った。

向井がサンルームをのぞくと、

皆で気持ちよさそうに寝ている姿に笑顔になった。

ブランケットをかけてテーブルに戻ると、

「寝てるんだ。道理で静かだと思った」

オクトがサンルームを振り返った。

「朝から動きっぱなしでしたからね」

向井もあんこ玉を口に入れた。

「安達君の薬が増えてたけど、

体調に変化があったの? 」

シェデムが聞いた。

「大丈夫ですよ。

副作用の問題があるので、

炎帝様が処方を変えているんですよ。

植物園にも新しい薬草が作られたとかで、

調合を研究しているみたいで」

「そうなんだ」

新田もチョコケーキを食べながら、

気持ちよさそうに眠る安達を見た。

「成長が止まって落ち着いてきたので、

今のうちに合う薬を調べてみたいと、

おっしゃってました。

まだもう少し大きくなるかもしれませんからね」

「それは牧野君が慌てるはずだね」

坂下も笑った。

「そういえば、牧野はお金を何に使ってるの? 

ファッションに使ってるのは知ってるけど、

フェムトンにも時給アップしたって聞いたのに、

いつも金欠でしょ」

トリアが眉を顰めて向井を見た。

「牧野君は着道楽だよね。もう、凄いこだわりが強いからさ。

俺は安くて着心地良ければ何でもOKなんだけど」

新田が笑った。

「夢を売るスターの言葉とは思えないわね」

シェデムがあきれ顔で笑った。

「今日着ているデニムは牧野君のお気に入りで、

ヴィンテージものですよ。

今から五、六十年近く前? 二〇二〇年のブランドものです」

「へっ? 」

向井の話に皆の顔が驚いた。

「もう、そのブランドショップもないので、

凄く貴重なんですよ」

「誰も生まれてない………あっ、トリアは生まれてるか」

周りの顔を見回しながら、オクトが笑った。

「値段見てみます? 」

向井はそういうとタブレットを開いた。

「!? 」

全員が絶句する表情になる。

「もったいない………着道楽じゃすまないね~」

ディッセが笑った。

「トリアさんが言ったオタク部屋の冥王の部屋もそうですけど、

牧野君は綺麗に着てますから宝の山ですよ」

「なんと! 」

トリアが両手を口に当てニヤリとするのを、

皆も笑った。
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