『アンダーワールド・番外編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

文字の大きさ
上 下
132 / 330
番外編 龍神向井

賑やかな食卓

しおりを挟む
「じいじ~」

「いない~」

呉葉と三鬼が起き上がって、

キョロキョロとあたりを見回した。

「じいじはここにいるよ。

目、覚めたか? 」

アートンは笑うと、

早紀と一緒にキッズルームに歩いて行った。

「おトイレは? 」

「いく」

こんが目をこすりながら言うと、

立ち上がるチビを連れて二人が部屋を出て行く。

それと入れ替わりで、

今度は虎獅狼達が休憩室に入ってきた。

「あら、珍しい。今日は犬の姿? 」

洋服を着たまま犬になっている虎獅狼に、

真紀子が声をかけた。

「たまには本来の姿に戻らんと、

忘れてしまうからな」

虎獅狼は笑うと、

人間の姿に戻った。

「夕食はここで食べると向井に言われたぞ」

クロが言うと、

「今日は黒谷君からのお惣菜があるので、

ここで食べましょうということになったの。

虎獅狼達も紅茶飲む? 」

「悪いわね」

千乃もソファーに座ると弥生を見た。

「夕飯前だけど、シュークリームもあるからどうぞ」

弥生が箱を差し出すのをハクとクロウがじっと見る。

「君達はダメ。もう食べたでしょ。

お夕飯食べられなくなるからね。

あっ、そうだ。ジュース飲む? 」

抱っこしていたティンが下すと、

冷蔵庫まで連れて行った。

「ボク、リンゴ」

ハクが手を伸ばす。

「クロウはどうする? 」

「ブドウ」

「じゃあ、向こうで飲もう」

ティンが二人と一緒にテーブルに行くと、

キッズチェアーに座らせ、

ジュースを渡した。

「もうここって、保育所ね」

真紀子が嬉しそうに飲むチビを見て微笑んだ。

「ガキが五人もいりゃ、そうだろ」

牧野の言葉に、みんなの視線が集まった。

「なんだよ。俺はチビとは違うぞ」

皆の笑い声を聞きながら、

「はい、紅茶をどうぞ」

弥生がカップを運んできた。

「すまんな」

虎獅狼達が飲み始めると、

「なにのんでるの~」

こんの声が聞こえてきた。

「もう一組がトイレから戻ってきた」

坂下は笑うと、

「ジュース飲む? 」

と声をかけた。

「のむ~」

三人が走ってきたので、

「何がいい? 」

と聞く。

「わらわはモモ~」

「ボク、いちごミルク」

「こんは………バナナ」

坂下はそれぞれ冷蔵庫から出すと、

三人を連れてキッズチェアーに座らせた。

「おなかすいたぞ」

呉葉がジュースを飲みながら言っていると、

配膳ロボットと一緒に向井達がやってきた。

「お夕飯が出来ましたよ」

「ほら、ご飯だってよかったじゃない」

早紀がワゴンを引くセーズ達を見た。

「これだけ人数がいると、

ちょっとの量じゃ足りないから大変ですよね」

どこからともなくやってくる者達を見ながら、

向井もテーブルを拭くと、

大皿を次々と置いていった。

「今日は何~? 」

牧野も楽しそうに皿を並べる。

「一口サイズのチキンチーズカツは、

ライスコロッケとおむすび。

照り焼きチキンはサンドイッチと炒飯。

サラダチキンはチーズとトマトのサラダとパスタ。

あと、あぶり焼きチキンのバーガーと、

チキンと野菜のスープもあるから。

欲しい人はカウンターに取りに来てください」

「はぁ~疲れた」

セーズとドセが大きくため息をつく。

「ご苦労様でした」

向井がスツールに腰かける二人に、

ビールジョッキを持ってくると手渡した。

「どうぞ。咽乾いたでしょう」

「あ~嬉しい。有難う」

「冷たい~」

セーズとドセがキッチンで飲んでいると、

他の者達もビールサーバーめがけてやってきた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

『 ゆりかご 』  ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。

設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。 最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。 古い作品ですが、有難いことです。😇       - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - " 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始 の加筆修正有版になります。 2022.7.30 再掲載          ・・・・・・・・・・・  夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・  その後で私に残されたものは・・。            ・・・・・・・・・・ 💛イラストはAI生成画像自作  

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

処理中です...