『アンダーワールド・番外編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編 龍神向井

バリアを破壊を狙う者達

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「随分、空が見えてるね」

ティンが中央の都を歩きながら上に顔をあげた。

国民の負も体にまとわりつくものが多い。

スマートゴーグルを見ながら、

笑っている姿は不気味だ。

「追いやられて住めなくなってる人たちも、

下区にまだまだいるんだよね。

こうやってみても、

捨て地に移れそうな人たちもいるでしょう」

アートンが街を眺めながら話した。

「なんで苦しいのに捨て地に来ないの? 」

牧野が言った。

「事情は人それぞれだからね」

坂下は牧野の肩を叩き、

「なんか軽く食べて帰ろうか? 」

と言いながら彼らは歩き出した。


冥界に戻るといつもは、

はしゃぐチビ達の声が聞こえてくるのだが、

今日はシーンとしている。

「寝てるのかな? 」

坂下も不思議そうな顔をすると、

セイに霊銃を返却した。

弥生達も霊銃を返して書類にサインをする。

「先程迄、四天王と赤姫が来てたんですよ」

セイが笑顔で説明した。

「一緒にゲームして、おやつ食べて、

楽しかったんじゃないですか」

「へえ~」

アートン達も笑顔になると休憩室に向かった。


部屋に入ると冥王もちびちゃんたちと、

キッズルームで大の字で寝ていた。

「あっ、お帰り~」

早紀が雑誌から顔をあげて振り向いた。

「おやつあるけど食べる? 」

真紀子もそういうとソファーを立ちあがって、

キッチンに歩いて行く。

「おやつ? 」

牧野がウキウキしながらキッチンに来た。

「おぉ~可愛いシュークリームだ」

その声に坂下達もカウンターに歩き出した。

「向井君が買ってきたの。美味しかったよ」

早紀が声をかけた。

「皆は珈琲でいい? 」

「私も手伝います」

弥生が食器棚からカップを取り出した。

「で、その向井は? 」

牧野がケーキ皿にシュークリームを乗せて、

部屋を見回した。

「なんでも来月にあるイベントで、

黒谷君の所に呼ばれて行ってるの」

「ということは安達も一緒か」

真紀子の説明にムッとした顔で牧野が言った。

「それじゃ金魚の糞だよ」

坂下があきれたように笑う。

「もう少ししたら戻ってくるから、

おやつ食べて待ってたら? 」

真紀子も笑うと、思い出したように弥生を見た。

「そうだ。イベントね。大きくブースをもらったんですって。

弥生ちゃんも出す? 」

「出したい。真紀子さんも出すの? 」

「うん。ほらあの巾着が人気なんで、

数を揃えて欲しいって言われたの。

あと、アンちゃんもチビ画伯のポストカードも、

安達君も虎獅狼君達も出すわよ」

「へえ~かなり大きなイベントなんだね」

ティンも楽しそうな顔をした。

「ほら、青の捨て地の駅前に、

イベント会場が出来たでしょ。

それでね、赤の捨て地にも、

集客を戻したいねってことになったらしいの。

中央寄りの使われてなかった大型店舗を改装して、

今回はマルシェをすることにしたって」

「そうなんだ」

アートンも頷くと、トレイを持ってテーブルに歩いて行った。
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