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番外編 ハイパー弥生
北の捨て地の見回り
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黒地は綺麗に除去出来ているので、
今の所大丈夫そうだ。
向井達は来たついでに、北の捨て地を少し見て回っていた。
「この辺もスパイが増えて、
負もちょこちょこあるでしょ。
これくらいは問題ないので、
時間が立つと消滅しちゃうんだけど、
消えない場所にはスパイがいるんで、
それが少し厄介なんだよね」
キャトルが歩きながら話した。
街並みもずいぶんと変化し、
お店も増えている。
「活気が出てきましたよね」
「でしょう。俺達も捨て地に関しては、
大分安心してきたんだ。
負は定期的に払ってるし、
この状態なら、問題なく生活して、
人生を終わらせられるかなと思ってます」
「そうですね。
迫害されている捨て地は、
病気になると受けられる医療も限られてますし、
終の棲家とは言えませんけどね。
それでもゆったりとした生活を求める人には、
捨て地そのものが終の棲家なのかもしれませんね」
向井も穏やかな顔で、
笑顔がこぼれる人々を眺めていた。
「こっちの睡眠時間が減ってる分、
幸せな人が増えないと、
俺達の方が不幸だからね」
ティンも顔を顰めると、二人を見ながら笑った。
向井達がキッズショップに入って行くと、
何人かのお客が洋服を選んでいた。
今日はセールの日らしく、
半額の服も飾られていた。
「おっ、良い時に来たんじゃない? 」
キャトルが言うと、
「あっ、以前にも来てくれましたよね。
ご購入いただいたお洋服を見かけたって、
お客様が買いに来てくれて。
三つ子ちゃんのお話をされていたんですよ」
店主が嬉しそうに近づいてきた。
向井はその時のことを思い出し、
「はい。うちの子のお揃いのウェアに、
こういう可愛いウェアは見かけないとおっしゃったので、
このお店を紹介したんです」
向井が説明した。
「おかげさまで遠くの捨て地からも、
お客様が来てくれて。
ネットショップもあるんですけど、
通信が難しい時もあるので、
買いに来たって言ってもらって。
本当にうれしくて助かりました」
「こちらこそ。うちの子も気に入って着てます」
「嬉しい。有難うございます。
今日は半年に一度のセール日なので、
見ていってくださいね」
そこまで言って、店主がクロウを見た。
「こんにちは」
声をかけられ恥ずかしそうに、
「こんにちは」
と言った。
「兄貴の末っ子は双子なんですよ。
なので、この子とお兄ちゃんのを、
探しているんですけどね」
キャトルが説明した。
「そうなんですね。2、3歳児のコーナーは、
お客様が増えて種類も多くなったんですよ。
ここは全てそのサイズなので、
ゆっくり選んでください」
店主はそういうと、他の客の方へと歩いて行った。
「おっ、可愛いのが沢山あるな~」
ティンも笑顔で見てると、
「あ~」
クロウが手を伸ばした。
「可愛い~」
見るとクマの宇宙飛行士のワッペンがついていた。
「これ? 」
「うん。可愛い」
ティンがオーガニックコットンのセットアップを、
手に取った。
胸にもパンツにもワッペンがついていて、
動きやすそうだ。
「じゃあ、ちびちゃん達も色違いで、
セットで買って行こうか」
ティンはそういうと、
「クロウはこの青がいいんだよね。
ならハクはオレンジで三鬼はグリーンかな。
あと呉葉とこんはスカートのセットにして、
パープルとピンクか?
ワッペンはどうする? 」
ハンガーを動かしながら向井を見た。
今の所大丈夫そうだ。
向井達は来たついでに、北の捨て地を少し見て回っていた。
「この辺もスパイが増えて、
負もちょこちょこあるでしょ。
これくらいは問題ないので、
時間が立つと消滅しちゃうんだけど、
消えない場所にはスパイがいるんで、
それが少し厄介なんだよね」
キャトルが歩きながら話した。
街並みもずいぶんと変化し、
お店も増えている。
「活気が出てきましたよね」
「でしょう。俺達も捨て地に関しては、
大分安心してきたんだ。
負は定期的に払ってるし、
この状態なら、問題なく生活して、
人生を終わらせられるかなと思ってます」
「そうですね。
迫害されている捨て地は、
病気になると受けられる医療も限られてますし、
終の棲家とは言えませんけどね。
それでもゆったりとした生活を求める人には、
捨て地そのものが終の棲家なのかもしれませんね」
向井も穏やかな顔で、
笑顔がこぼれる人々を眺めていた。
「こっちの睡眠時間が減ってる分、
幸せな人が増えないと、
俺達の方が不幸だからね」
ティンも顔を顰めると、二人を見ながら笑った。
向井達がキッズショップに入って行くと、
何人かのお客が洋服を選んでいた。
今日はセールの日らしく、
半額の服も飾られていた。
「おっ、良い時に来たんじゃない? 」
キャトルが言うと、
「あっ、以前にも来てくれましたよね。
ご購入いただいたお洋服を見かけたって、
お客様が買いに来てくれて。
三つ子ちゃんのお話をされていたんですよ」
店主が嬉しそうに近づいてきた。
向井はその時のことを思い出し、
「はい。うちの子のお揃いのウェアに、
こういう可愛いウェアは見かけないとおっしゃったので、
このお店を紹介したんです」
向井が説明した。
「おかげさまで遠くの捨て地からも、
お客様が来てくれて。
ネットショップもあるんですけど、
通信が難しい時もあるので、
買いに来たって言ってもらって。
本当にうれしくて助かりました」
「こちらこそ。うちの子も気に入って着てます」
「嬉しい。有難うございます。
今日は半年に一度のセール日なので、
見ていってくださいね」
そこまで言って、店主がクロウを見た。
「こんにちは」
声をかけられ恥ずかしそうに、
「こんにちは」
と言った。
「兄貴の末っ子は双子なんですよ。
なので、この子とお兄ちゃんのを、
探しているんですけどね」
キャトルが説明した。
「そうなんですね。2、3歳児のコーナーは、
お客様が増えて種類も多くなったんですよ。
ここは全てそのサイズなので、
ゆっくり選んでください」
店主はそういうと、他の客の方へと歩いて行った。
「おっ、可愛いのが沢山あるな~」
ティンも笑顔で見てると、
「あ~」
クロウが手を伸ばした。
「可愛い~」
見るとクマの宇宙飛行士のワッペンがついていた。
「これ? 」
「うん。可愛い」
ティンがオーガニックコットンのセットアップを、
手に取った。
胸にもパンツにもワッペンがついていて、
動きやすそうだ。
「じゃあ、ちびちゃん達も色違いで、
セットで買って行こうか」
ティンはそういうと、
「クロウはこの青がいいんだよね。
ならハクはオレンジで三鬼はグリーンかな。
あと呉葉とこんはスカートのセットにして、
パープルとピンクか?
ワッペンはどうする? 」
ハンガーを動かしながら向井を見た。
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