『アンダーワールド・番外編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編 ハイパー弥生

式神課のお手伝い

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暫くして弥生がエハたちと出掛けていく姿を、

冥王が不思議そうに見ていた。

その様子に狭間が声をかけた。

「冥王。こんな廊下で立ち止まってどうしたんですか? 」

「ん? 」

冥王は振り返ると、

「今、弥生ちゃんが霊銃持って、

エハ達と出掛けて行ったんでね」

と言った。

「あぁ、その事ですか。

最近、消去の数が少ない時はフンフが変わって、

弥生ちゃんは式神課のヘルプに入ってるんですよ」

「ほぉ~」

冥王は腕を組むと、片手で顎を触った。

「霊銃訓練で弥生ちゃんのスコアは、

冥界ナンバー1なんですよ」

「えっ? それは向井君も抜いたってことですか? 」

冥王の顔が驚きに変わった。

「そうなんですよ。訓練所のランキング見てみます? 」

狭間はブレスレットから空間ディスプレイを出すと、

冥王に見せた。

「スコアもほぼ満点ですか。これは凄い」

「ですよね」

狭間が笑った。

「この、圏外という牧野君のスコアは何ですか? 」

「あぁ、牧野君は訓練所に来ないので、

ランキングに入ってこないんです」

「ふむ、どうしようもないですね~」

アヒル口にする冥王に、

「彼は訓練には向いてないですね。

本番でやらせた方が力を発揮できるタイプなので、

そこそこ練習させてる方が、

ストレスもたまらなくていいと思いますよ」

狭間が苦笑した。

「ふむ、死んでるのに更に死ぬ目に合わないと、

能力が出てこないとは」

冥王も苦笑いした。

そんな話をしているとふらふらしながら、

牧野が戻ってきた。

佐久間とオクト、エナトも疲れた様子で、

霊銃をカウンターに返却していた。

「最近の下界は下りるだけで毒にやられるので、

体力が取り柄の牧野君にもキツイみたいですね」

狭間がそういったところで、牧野が歩いてきた。

「あ~腹減った~………」

そこで冥王と狭間の姿に気づき、

「こんなところで何してんのさ。

………オヤジは今日も楽しそうだな」

冥王の顔を見て、フッと笑うと食堂へ向かった。

「な、なんですか。あれは。私だって、

色々忙しいんですよ」

「だったらお仕事したらどうですか」

狭間も笑うと、あとから来た佐久間たちと話しながら、

食堂に入っていった。

「………」

面白くなさそうにむくれる冥王に、

チビ達が走ってきた。

「じいじだ~」

「おチビちゃん達は今日も元気ですね~

おや? 向井君はお休みですか? 」

冥王がチビ達の頭をなでながら、

後ろから歩いてきた向井とアン、妖鬼に声をかけた。

「いえ、待機です。今日は西に坂下君とトリアさん、

早紀ちゃんが除去に出てて、

問題が大きくなったら行くことに」

「そうですか。安達君は黒谷君の所ですか? 」

「はい。シェデムさんとディッセさんと一緒に、

お手伝いで行ってますよ」

「悪霊だらけなのに、人数が少なすぎるのよ。

私だって最近は除去に出てるんだから」

アンも不満そうに冥王を見た。

「それはすいませんね」

申し訳ないという様子で話をしていると、

「ねえ~アイス~」

こんが言った。

「アイス? 」

不思議そうな顔の冥王に、

「食堂に行って、

ソフトクリームを食べようかって」

向井が説明した。

「じいじもたべよう~」

「チョコなんだよ」

呉葉と三鬼も見上げて手を引いた。

「いいですね~では、じいじも一緒に頂きましょう」

皆で食堂に歩き出した。
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