『アンダーワールド・番外編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編 冥界

ハイパー弥生

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「悪霊に侵食されている所が、

少しだけ洗浄できているようなんです」

「そうなの? 」

二人が向井を見た。

安達の事は隠し通せないので、

霊感体質が強くて悪霊にやられた魂と、

本当の事はふせ、

軽い説明がなされていた。

なので全てを知っているのは、

古い死神と向井だけだ。

「はい。

ニットンさんに検査してもらって、

いい状態だというので、

明日炎帝様に見てもらうことに」

「じゃあ明日は向井さん留守かぁ~

チビ達がうるさそうだ」

セーズが笑った。

「お土産頂けるようなので、

宜しくお願いします」

向井も笑った。



向井達が作ったものを運んで席に着くと、

「ねえ~弥生ちゃんハイパーになったんだって? 」

トリアが楽しそうに言った。

「ハイパー? まだそこまではいってないよ~」

笑って否定する弥生に、

「そんなことないよ。

あの動き見たらビックリするから。

牧野君の取りこぼしのカバーも完璧。

指示も的確だし、悪霊リベロだよね」

エナトもビックリした顔で話した。

「ほぉ………弥生ちゃんがリベロなら、

坂下君はオールラウンドなので、

アウトサイドヒッター…アタッカーで、

牧野君はこの二人を守るブロッカーに変更ですね」

冥王が楽しそうに話した。

「やだよ! 守備なんて」

膨れる牧野に、

「いや、今はねブロッカーも、

攻撃力の高い選手がやるポジションなんだよ。

つまり、牧野君は守備も攻撃力も、

両方備えているんだから最強なんだよ」

坂下が言った。

「そうなの? 」

「そうよ。ミドルブロッカーは、

素早く動ける人がなるんだから。

牧野君は少し雑だから、

あともう一呼吸待ってから動き出すと、

うまくいくと思うんだけど、

我慢ができないのよね」

弥生もビールを飲むと牧野を見た。

「………むぅ」

うどんを食べながら、

牧野は面白くなさそうな顔をした。

その横で同じような表情で、

チヂミを食べるハクを見て、

大人達が笑う。

「でもさ、

あとから来た人にどんどん追い抜かれて、

勇者がビリッケツになっちゃうな」

妖鬼も肉を食べながら笑った。

「ポンコツでビリッケツでは、

勇者失格ですよ」

冥王が言うと、

「ふん。今はちょっと調子が悪いだけ。

まぁ見てなって。

俺だって色々考えて戦ってんの」

牧野はムスッとしながら、

皿からチヂミを取った。

「禄でもない事、

考えてるようにしか見えないけどね」

トリアもチヂミを皿に乗せると、

ビールを飲みながら食べた。

向井はそんな食卓の風景に笑顔になると、

「そうだ。明日天上界に、

安達君を連れて行きますけど、

冥王はどうされます? 」

と横に座ると聞いた。

「シェイカーは大分出来上がってるので、

一緒に行きます」

「分かりました。俺も来週から、

少し忙しくなるので」

向井が話した。


金帰火来。

黒地の議員たちはこんな状況でも、

昔ながらの風習に従って、

票田集めのための草刈りをしている。

最近は黒地でも、

議員特別区に住む階級民に不満が高まり、

暴動が起こる事件が増えていた。

その不穏分子を消さないと、

国際社会から非難を受けている事もあり、

トップも必死なのである。
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