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番外編 冥界

ビールサーバーに大喜び

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「お帰りなさい~」

足の速い呉葉が一番に飛びついてきた。

「元気ですね~」

向井が笑うと、

「鞠突きしてたの」

こんも抱きついて上を向いた。

「わらわは上手くできない」

「でも、諦めずに練習するのはいいことです」

向井の言葉に呉葉の顔に笑顔が広がった。

「僕もできない~」

ハクも笑う。

見ると安達も突くのは苦手なようで、

牧野と妖鬼達に教わりながら、

足にくぐらせる練習をしていた。

「マキちゃんは凄いの。

足の間をポンポン入れるんだよ」

興奮して言う三鬼の話を補足するように、

早紀が横から話した。

「牧野は子供の頃にミニバスやってたんだって。

じいちゃん先生の息子さん? が監督してたんで、

やらされたって」

「あぁ、それでサッカーよりバスケなんだ」

新田も納得したように頷いた。

「牧野君てなんとなく、

サッカーのイメージだったんだよね」

「そうだよね。

何で身長伸びなかったんだろうね」

ディッセも笑うと、

鞠突きする牧野達を見た。

安達の身長が伸びてることもあり、

牧野の目標は、

170センチの身長を伸ばすことらしい。

向井達が笑いながら話していると、

「準備できたから、皆手を洗ってきて」

「焼き鳥の準備もしますよ」

坂下と佐久間がキッチンから、

材料を運んできた。

「ご飯だ~!! 」

牧野と安達が走ってくると、

チビ達もワ~ッと洗面所に向かった。

「あ~疲れた~」

妖鬼と鬼道がキッズルームから歩いてきた。

向井達もキッチンに向かう。

真紀子が、

「皆ビールがいいわよね」

と冷蔵庫から取り出した。

「あ~ビールサーバーが欲しい」

早紀がそう言ったところで、

「家庭用のビールサーバー用意したよ」

とセーズが笑いながら運んできた。

「早紀ちゃんと牧野君が、

ビアガーデンって騒いでたでしょ。

泡泡が飲みたい人は、

自分でセットして作ってください。

グラスは置いとくから」

「サ~バ~!! 嬉しい~♪ 」

早紀が嬉しそうに缶をセットして作っていると、

俺も~私も~と、

キッチンに人が集まってきた。

「サーバー五個用意したのに、

これじゃ全然足りないね」

セーズがため息まじりに笑った。

「人数が多いから仕方ないよ」

カトルセも笑うと、グラスを用意した。


皆がそろったところで肉を焼き始めると、

ドセが入ってきた。

ワゴンに乗せたケータリング容器に、

「ちょっと肉貰うよ」

と詰めてお弁当を作っていく。

子供霊別棟のスタッフは数が少ない。

その為、子供霊の面倒を見ることもあり、

なかなか部屋を開けられなかった。

昔と違い今は、

八歳までの子供霊が別棟で暮らし、

それを過ぎると再生されるようになった。

「子供霊も大分少なくなったから、

テトラたちも楽になってよかったわよね」

シェデムが休憩室に入ってきた。

「今日は子供霊も、

かき氷のおやつに喜んでたから、

今は休んでるんじゃないかな。

だから、今のうちに夕食にしないとね」

ドセはそういうと、

お弁当を乗せたワゴンをもって、

部屋を出て行った。
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