72 / 164
番外編 西支部
立ち上がる勇気
しおりを挟む
「チビの力は偉大だね」
ティンは笑うと、
美味しそうに食べながら歩く姿を見た。
食べながら歩くのが難しいハクは向井に抱っこされ、
ニコニコ笑いながら食べている。
その姿にコロッケ屋へと人が流れて行った。
「ハクは龍神が強く出てるのね。
今回の事もあってよくわかったわ」
トリアもハクを見て微笑んだ。
「向井君が気にしてる理由も、
龍神気質は油断がならないという事ね」
向井もトリアを見て微笑んだ。
そんな彼らがアーケードを抜けると、
スピーカーマイクを持った一人の男性が、
何やら捨て地に向かって話しかけていた。
批判というより、
自分の思いと決断を語っているようで、
警官がやってきて、
連行しようとする一幕もあったらしい。
だが、昨日の防衛隊問題で政界が揉めていることもあり、
さすがにこれ以上強制的に何かを起こすことは、
マズイと感じたのか男性の話を、
大衆もメディアも映像に収めながら、
黙って見ていた。
「面白れぇ」
牧野が愉快そうに黒地の光景を見た。
ハクがむぅ~と顔を顰める様子に、
「これ以上ここにいるのは、
チビにはよくないですね」
向井が言った。
「そうね。いったん戻ったほうがいいかな」
トリアが黒地を見ると、
「あ………でも、悪霊が集まってきてるから、
牧野君の出番ね」
空を黒く覆う悪霊の動きにため息をついた。
「チビ達は私達が連れて帰るから、
除去して戻ったら? 」
早紀が言い三鬼を抱き上げた。
弥生とアンもチビ達を抱きあげると、
真紀子と安達が袋を持った。
「じゃあ、ハクは私が」
トリアがそういって手を出すと、
ハクが首を振った。
「えっ? 帰りたくないの?
お家戻ってお昼食べようよ」
「じいじ」
ハクが向井に抱きつくと言った。
「大丈夫ですよ」
向井がハクの胸を触ると、
「今日はパパがハクのじいじを面倒見ます。
ハクが戻らないと、
お家で待ってる冥王が寂しがっちゃうよ」
と顔をのぞいて笑った。
「じいじ」
「そう。じいじ。ハクが帰るのを、
まだかな~って言ってます」
ハクはむぅ~と考える顔をすると、
トリアに手を伸ばした。
「ハクには何が見えてるのか、
私には分からないけど、
向井君には分かるのね」
トリアはハクの顔を見ると、
「牧野君は札をちゃんと持ってる? 」
と聞いた。
「そんなに数はないけど、これくらいなら。
それにポプリもあるから」
そういって胸から下げる巾着を見せた。
「俺達も出かける時は霊銃装備してるから、
問題ないよ」
ティンも新田と霊銃を装着すると話した。
「じゃあ、大丈夫ね。
ハク、パパにバイバイして」
トリアはハクの顔を見ると、
安達達が待つ空間迄歩いて行った。
「さて、パッと片付けて帰ろうか」
新田は笑うと、牧野の肩を叩いた。
ティンは笑うと、
美味しそうに食べながら歩く姿を見た。
食べながら歩くのが難しいハクは向井に抱っこされ、
ニコニコ笑いながら食べている。
その姿にコロッケ屋へと人が流れて行った。
「ハクは龍神が強く出てるのね。
今回の事もあってよくわかったわ」
トリアもハクを見て微笑んだ。
「向井君が気にしてる理由も、
龍神気質は油断がならないという事ね」
向井もトリアを見て微笑んだ。
そんな彼らがアーケードを抜けると、
スピーカーマイクを持った一人の男性が、
何やら捨て地に向かって話しかけていた。
批判というより、
自分の思いと決断を語っているようで、
警官がやってきて、
連行しようとする一幕もあったらしい。
だが、昨日の防衛隊問題で政界が揉めていることもあり、
さすがにこれ以上強制的に何かを起こすことは、
マズイと感じたのか男性の話を、
大衆もメディアも映像に収めながら、
黙って見ていた。
「面白れぇ」
牧野が愉快そうに黒地の光景を見た。
ハクがむぅ~と顔を顰める様子に、
「これ以上ここにいるのは、
チビにはよくないですね」
向井が言った。
「そうね。いったん戻ったほうがいいかな」
トリアが黒地を見ると、
「あ………でも、悪霊が集まってきてるから、
牧野君の出番ね」
空を黒く覆う悪霊の動きにため息をついた。
「チビ達は私達が連れて帰るから、
除去して戻ったら? 」
早紀が言い三鬼を抱き上げた。
弥生とアンもチビ達を抱きあげると、
真紀子と安達が袋を持った。
「じゃあ、ハクは私が」
トリアがそういって手を出すと、
ハクが首を振った。
「えっ? 帰りたくないの?
お家戻ってお昼食べようよ」
「じいじ」
ハクが向井に抱きつくと言った。
「大丈夫ですよ」
向井がハクの胸を触ると、
「今日はパパがハクのじいじを面倒見ます。
ハクが戻らないと、
お家で待ってる冥王が寂しがっちゃうよ」
と顔をのぞいて笑った。
「じいじ」
「そう。じいじ。ハクが帰るのを、
まだかな~って言ってます」
ハクはむぅ~と考える顔をすると、
トリアに手を伸ばした。
「ハクには何が見えてるのか、
私には分からないけど、
向井君には分かるのね」
トリアはハクの顔を見ると、
「牧野君は札をちゃんと持ってる? 」
と聞いた。
「そんなに数はないけど、これくらいなら。
それにポプリもあるから」
そういって胸から下げる巾着を見せた。
「俺達も出かける時は霊銃装備してるから、
問題ないよ」
ティンも新田と霊銃を装着すると話した。
「じゃあ、大丈夫ね。
ハク、パパにバイバイして」
トリアはハクの顔を見ると、
安達達が待つ空間迄歩いて行った。
「さて、パッと片付けて帰ろうか」
新田は笑うと、牧野の肩を叩いた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる