68 / 164
番外編 西支部
デコパーツに夢中
しおりを挟む
「明日行ってこようと思って。
冥王もレジンで作ってはいるんだけど、
数が多くて大変じゃない。
で、幾つか出来上がってるデコパーツが欲しいらしいの」
アンが言い、
「真紀子さんも行くって言ってたから、
多分チビも行きたがるかな」
と向井を見た。
「えっ? 」
驚く向井に、
「だって安達君も行くんでしょ。
だったら向井君も行かなきゃ。
私も巾着にデコつけようかな」
トリアが笑いながら言った。
「そういえばゼスも夢中になって作ってるな。
ゾンビ少年のカード入れて喜んでるからね」
エナトも思い出して笑った。
「どんなの作ってるの? 」
牧野が聞いた。
「気になるなら見に行ったら?
今作ってるから」
弥生の言葉に牧野は、
食べ終わったお弁当をゴミ箱に捨てると、
部屋を飛び出していった。
「本当に疲れてるのかしらね。
忙しない子」
トリアはため息をついて笑った。
向井も食後に珈琲を飲み終えると、
工房へそのデコとやらをのぞきに行った。
見ると牧野が真剣にデコパーツを並べていた。
「これはオヤジが作ったの? 」
レジンで作った羽や王冠、リーフを見て驚いていた。
「そうですよ。ね~」
冥王は楽しそうに作ったパーツをボックスに仕舞いながら、
デコ作家の村本を見た。
「冥王は細かい作業得意ですよね。
ドールハウスも制作中と聞いて、
ビックリしました」
「聞きました? 聞きました? 」
冥王が自慢げにその場にいる者達に言う。
近くには青田や河原、森村といった派遣霊も、
一緒に作品を制作していた。
早紀、安達、ゼス、シェデムも楽しそうに作っている。
「皆さん、デコに夢中ですね」
向井が声をかけると、
「おっ、向井君もやってみますか? 」
椅子に座る冥王が顔をあげた。
「そうですね~
俺もちょっといいものもってるんですよ」
向井の意外な反応に冥王達が驚いていると、
工房の棚からクリアケースを持ってきて、
みんなに見せた。
「えっ? 」
作業していた彼らが驚いて向井を見上げる。
「これ全部、向井が作ったの?
可愛い! 猫やクマもあるよ」
安達が口をあんぐり開けた。
「向井さんのアイデアは面白いですよ」
奥の個室から若い男性霊が出てきた。
「有難うございます。実はね。
彼が作っているのを見て、
俺もやりたくなって作ってたんですよ」
向井が作家の葛城佑を見た。
彼はシーリングスタンプ作家だ。
多くのアイデア雑貨を作り、本にもなっている。
「向井君はこういうものが好きなんですね」
冥王が作ったものを見ながら言った。
「好きというより、チビ達のご褒美で作ってたら、
楽しくなってハマりました」
「ご褒美? 」
早紀が聞き返しながら、
ふと何かを思い出したのか、
向井を指さした。
「あ………あのロゼットだ! 」
「ロゼットってなんですか? 」
冥王が早紀を見た。
「ほら、勲章みたいな形になってるブローチ。
チビが腰とか胸に付けてるでしょ。
あれ、向井君が作ったの? 」
「作ったのはシーリングスタンプだけ。
それを真紀子さんにお願いして、
ロゼットにしてもらったんです」
冥王もレジンで作ってはいるんだけど、
数が多くて大変じゃない。
で、幾つか出来上がってるデコパーツが欲しいらしいの」
アンが言い、
「真紀子さんも行くって言ってたから、
多分チビも行きたがるかな」
と向井を見た。
「えっ? 」
驚く向井に、
「だって安達君も行くんでしょ。
だったら向井君も行かなきゃ。
私も巾着にデコつけようかな」
トリアが笑いながら言った。
「そういえばゼスも夢中になって作ってるな。
ゾンビ少年のカード入れて喜んでるからね」
エナトも思い出して笑った。
「どんなの作ってるの? 」
牧野が聞いた。
「気になるなら見に行ったら?
今作ってるから」
弥生の言葉に牧野は、
食べ終わったお弁当をゴミ箱に捨てると、
部屋を飛び出していった。
「本当に疲れてるのかしらね。
忙しない子」
トリアはため息をついて笑った。
向井も食後に珈琲を飲み終えると、
工房へそのデコとやらをのぞきに行った。
見ると牧野が真剣にデコパーツを並べていた。
「これはオヤジが作ったの? 」
レジンで作った羽や王冠、リーフを見て驚いていた。
「そうですよ。ね~」
冥王は楽しそうに作ったパーツをボックスに仕舞いながら、
デコ作家の村本を見た。
「冥王は細かい作業得意ですよね。
ドールハウスも制作中と聞いて、
ビックリしました」
「聞きました? 聞きました? 」
冥王が自慢げにその場にいる者達に言う。
近くには青田や河原、森村といった派遣霊も、
一緒に作品を制作していた。
早紀、安達、ゼス、シェデムも楽しそうに作っている。
「皆さん、デコに夢中ですね」
向井が声をかけると、
「おっ、向井君もやってみますか? 」
椅子に座る冥王が顔をあげた。
「そうですね~
俺もちょっといいものもってるんですよ」
向井の意外な反応に冥王達が驚いていると、
工房の棚からクリアケースを持ってきて、
みんなに見せた。
「えっ? 」
作業していた彼らが驚いて向井を見上げる。
「これ全部、向井が作ったの?
可愛い! 猫やクマもあるよ」
安達が口をあんぐり開けた。
「向井さんのアイデアは面白いですよ」
奥の個室から若い男性霊が出てきた。
「有難うございます。実はね。
彼が作っているのを見て、
俺もやりたくなって作ってたんですよ」
向井が作家の葛城佑を見た。
彼はシーリングスタンプ作家だ。
多くのアイデア雑貨を作り、本にもなっている。
「向井君はこういうものが好きなんですね」
冥王が作ったものを見ながら言った。
「好きというより、チビ達のご褒美で作ってたら、
楽しくなってハマりました」
「ご褒美? 」
早紀が聞き返しながら、
ふと何かを思い出したのか、
向井を指さした。
「あ………あのロゼットだ! 」
「ロゼットってなんですか? 」
冥王が早紀を見た。
「ほら、勲章みたいな形になってるブローチ。
チビが腰とか胸に付けてるでしょ。
あれ、向井君が作ったの? 」
「作ったのはシーリングスタンプだけ。
それを真紀子さんにお願いして、
ロゼットにしてもらったんです」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる