「アンダーワールド＊冥界と下界＊」～神・死神・人間・妖怪の戦が今始まる～番外編

八雲翔

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番外編　西支部

騒ぐ国　無関心な国民

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向井達が悪霊退治を終えて戻ってくると、

既に夕食時間は過ぎ、

チビ達はお風呂を済ませ寝ている時間だった。

「さっきまでパパは～って言ってたんだけど、

さすがに疲れてたんだろうね。

新田君と源じいとお風呂に入って寝ちゃった」

トリアが笑って話した。

「源じいもチビとのお風呂は久しぶりで疲れた～って、

ハンモックに揺られて寝てるよ」

妖鬼が休憩室に入ってくるとキッチンに向かった。

「腹減った～」

牧野はソファーに飛び乗ると、

お弁当を開けた。

「お行儀悪いな～」

新田もそういいながら部屋に入ってくると、

「俺も珈琲飲もう」

とキッチンに向かった。

向井とアートンもお茶を用意すると、

テーブルに運んだ。

「はい、どうぞ」

アートンが湯呑を置くと、

「有難う」

エハとヴァンも既にお弁当を食べ始めていた。

「これ美味しいね」

エナトも口に運びながら笑顔になる。

「西の有名な鯛めし屋さんのお弁当なんですよ。

岸本君が予約してくれてて」

向井もソファーに座ると、

頂きますと食べ始めた。

「これ予約しないとなかなか食べられないんですって」

トリアが紅茶を飲みながら話した。

「それより今回の事で、

天下り事業に裏金問題が明るみに出て、

下界では大騒ぎになってるわよ。

海外の企業もからんでるからスキャンダルよ」

「へえ～でも、下界はあまり騒ぎになってなかったけど。

まぁニュースはエンタメしか流れないからね」

アートンも食べながら言った。

「ネットでは映像が拡散されたけど、

大御所もインフルエンサーも政府寄りだし、

推しの言う事は絶対って言うものも多いから、

フェイクで終わっちゃうんじゃないかな」

ヴァンも口を開くと、

「ほら、人の噂も七十五日って言うけど、

確かにこの国見てると熱しやすく冷めやすい？　

すぐに飽きちゃうからね」

とお弁当を食べた。

「黒谷君や水沢さんみたいに、

頑張っている人間がバカみたいね」

エハもため息をつくとお茶を飲んだ。

「そういえば冥王は？　」

エナトが聞いた。

「工房でデコやってる。

ミニチュアハウスもまだ途中なのにね～」

妖鬼があきれたように笑うと言った。

「そうだ。デコ、俺も作ろう～」

牧野が鯛飯を食べながらニコニコ顔になった。

そんな話をしてると、

弥生とアンが入ってきた。

「あっ、みんな戻ってきてたんだ。

ご苦労様」

アンが言うと弥生とキッチンに行った。

二人は冷蔵庫からレモンジュースを出すと、

ソファーにやってきた。

「牧野君、デコやりたいの？　

今言ってなかった？　」

弥生がジュースを飲みながら聞いた。

「そう。俺のレアカードをデコろうと思ってさ」

「だったら、

黄色の捨て地にデコパーツ専門店があるって」

「えっ？　」

弥生の話に牧野が身を乗り出した。

「今工房で村本さんと冥王達が、

デコしながらその話をしてて、

安達君と早紀ちゃんが買いに行くって言うから、

私達も見に行こうかな？　って」

弥生はアンを見てネッと笑顔になった。

「だったら俺も行く。いつ行くの？　」

牧野が手をあげた。

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