『アンダーワールド・番外編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編 西支部

大臣体調不良で雲隠れ

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カフェでも楽しい時間を過ごし、

中央のお土産も買うと、

支部へと戻った。

「お帰り~」

休憩室では岸本達がお茶をしながら待っていた。

「下界はどうだった? 」

シェデムが聞く。

「今のところ静か」

トリアは荷物を置くと、

「これお土産。帰りにキャラカフェ寄ったから、

そこの人気メニュー買ってきた」

とケーキボックスを渡した。

「アニメショップにキャラカフェ出来たの? 」

サランダがケーキの箱を受け取り言った。

「期間限定でね。ほら、あれ見て」

トリアはそういうと嬉しそうにソファーベッドで、

買ってきたものを並べているチビに視線をやった。

「カフェで注文するとコースターとか、

持ち帰れるキャラグッズがあるのよ。

チビとお兄ちゃんたちは楽しかったみたいよ」

「へえ~よかったじゃん。

ハクも通常に戻ったみたいだね」

ヴァンも笑うと、

「ケーキ食べよう」

と箱をのぞいた。

美味しそうに岸本達がケーキを食べている間、

チビ達は一時間ほどお昼寝をしたからか、

すっきりした状態で目覚め、

「また、おいで」

と岸本達に言われ笑顔で手を振って帰ってきた。



「お帰り~」

セイが死神課のカウンターから出てきた。

「はいこれ、お土産。

あと、夕食に鯛めし専門店でお弁当買ってきました」

「豪勢だね~」

カトルセも奥からやってくると、

袋を覗いた。

チビ達はじいじ~と騒ぎながら休憩室に走って行った。

牧野達も追っていく。

カトルセとセイも袋を受け取り、

楽しそうに歩いて行った。

すると通信ルームからディッセが出てきた。

「今ね、

こっちの下界でもちょっとした騒ぎになってるよ」

向井とトリア、シェデムを見て声をかけた。

「あの映像はドローンだけじゃなくて、

スマートゴーグルでも撮影されてたからね。

もうカオスな感じで情報が出回ってる」

「信じる信じないは自由だけど、

あれを目の前で目撃した者たちの口封じは、

ちょっと難しいわね」

トリアも顔を顰めた。


ディッセの話では、

西で起こった事件は瞬く間に広がり、

下界でも議員財閥の横暴だと、

黒地ですら騒ぎになったらしい。

暴動になる前に鎮圧されたようだが、

さすがに今回ばかりはそのやり方に、

党内でも問題になったという。

山口大臣はすべて水沢が起こしたことで、

自分は一切関与していないと言い、

そのまま体調不良を理由に入院。

だがことは、

捨て地再興庁内の防衛隊が起こした不始末であり、

体面上長官が会見をすることになった。

抑々この防衛隊は、

国のトップが罪人扱いした捨て地から、

中央人を守る目的で発足した部隊だ。

捨て地はすべてを国に奪われ、

守るすべも持たない土地なのだが、

メディアによって毎日のように叩かれてきた。

それでも黒谷をはじめ、

生活を守るために戦いを挑み続けてきた者達がいたので、

冥界も注視してきたのだ。

人間の負は戦争をも引き起こすほどのもの。

それが悪霊となり増え続ければ、

冥界も機能不全に陥ってしまうだろう。

人柱を行ったことを考えても、

ここに神の結界がなければ捨て地はどうなったのか。
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