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番外編 西支部

レアキャラ?

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冥王へのお土産をカゴに入れると、

チビも夢中になって選んでいた。

「ボク、シバロボがいい」

三鬼が恐竜王国で新たに仲間になった、

ロボットの柴犬のぬいぐるみを手に取った。

「三鬼はマメシバ好きだもんね」

早紀も笑顔でぬいぐるみを見た。

ハクは今一番ハマっているチッチとプップを見つけ、

「ボクこれ~」

と嬉しそうにポーチを選んだ。

斜め掛けの小さなバッグだ。

「これに何を入れるの? 」

ヴェンティが聞くと、

「シール」

と笑顔で言った。

ハクはお気に入りのシールを、

一番好き、次に好きと言いながら分けて、

ファイルにしまっていた。

そこも他のチビ達とは違う。

きっと一番大事なものはこれに入れておきたいのだろう。

向井は微笑むとポーチをカゴにいれた。

こんと呉葉も魔法少女のリボンとヘアピンを見つけると、

トリアと一緒に戻ってきた。

「これがそのダイヤモンドプリンセスのリボンなのね」

ヴェンティがキラキラストーンが付いたヘアアクセを見た。

「カワイイの~」

こんが言い、呉葉と一緒にね~と笑顔になった。

「このリボンね。定期的に新作が出るんだけど、

私から見たらどれも同じに見えるのよね」

トリアが声を潜めてヴェンティに言った。

「業者の戦略ですね。

変身するのにリボンが変わるので、

これじゃなきゃダメなんだそうです」

向井も嬉しそうなチビに苦笑した。

「あとはお兄ちゃんたちね」

トリアは真剣にカードの袋を選んでいる二人を見た。

「安達君、カードは冥王の分もね」

向井が声をかけた。

「カードって中身が見えないものが殆どじゃない。

私も子供の頃にチビと同じで、

好きな魔法シリーズのキャラがあって、

集めてたのよね」

「そうなの? 」

トリアが早紀を見た。

「カードって集めたくなるのよ。

牧野がレアカードの話してたでしょ。

あれって、数が少なければ大金を生むんだから」

「嘘でしょ」

トリア達が驚く顔で言った。

「本当ですよ。

冥王が楽しみにしている一番くじがあるでしょう。

あれもレアキャラが出れば、

高値が付きます」

「えっ? 」

トリアが向井を振り返った。

「冥王も幾つかレアキャラ持ってるので、

オークションかけたら、

買ったお金より高く売れます」

向井が笑った。

「やだ~じゃあ、あのオタク部屋は、

宝の山になるかもしれないってことね」

トリアが両手を頬に当てニヤリと笑った。

「トリア、悪だくみの顔になってるよ」

ティンがあきれた顔をした。

向井達が笑っていると、

「俺は紫と黄色にする~冥王はこの青と緑の袋」

「俺はこれとこれ~」

二人が袋を持って戻ってきた。

「悩むよね。

これはひと袋にカード五枚入ってるんだけど、

この前は超~レアが入っててさ」

「だったらそれ、高く売れるんじゃないの? 」

トリアが牧野を見た。

「売らないよ! 」

文句を言う姿に向井達が笑った。

キャラグッズを買った後、

地下のガチャスペースに行くと、

その横に期間限定のキャラクターカフェがあった。

目を輝かせるチビと安達に、

大人達は笑うと、

「喉も乾いたし、寄って行こうか」

とトラントが助け舟を出した。
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