58 / 164
番外編 西支部
どうする弁明
しおりを挟む
「さすがにAIとフェイクでは誤魔化せないと思うけど。
それともこれすら危険と感じないほどに、
この国は想像力が欠如してるのか、
洗脳されているのかしら。ねぇ? 」
トリアが言いながら向井とサンクを見た。
「俺はこの国の人間ですが、
冥界に来て三年。
この仕事をしていなかったら、
きっと生まれ変わったあとも、
多少の疑問と不満はあれど、
この魔境で普通に生活していると思いますよ」
「えっ? 」
トリアとサンクがビックリした顔で向井を見た。
「ははは。そんなに驚かなくても。
まぁ、俺はそんな人間です。
今頃山口大臣は、
政治生命を死守するのに必死でしょうね」
向井は楽しそうに笑った。
「向井君の方が鬼ね」
トリアが言いサンクもプッと吹きだした。
黒地では怪我人も運ばれ、
警察と防衛隊とで何やら揉めていた。
「私達には関係ないからね」
トリアが言ったところで、
牧野達が戻ってきた。
「今ので捨て地にも小さな負が悪霊になりかけてたから、
まとめて除去してきた」
岸本が言うと、
牧野が疲れた様子で肩で息をしていた。
「どうしたの? 」
サンクが牧野を見た。
「黒地の方を私とヴァンと一緒に除去しに行って、
あの状況だったからまともに毒を受けちゃったのよね」
「それは………ガードはどうしたんですか? 」
向井が気の毒そうな顔をした。
「ガードする間もなく襲われた。
ポプリが身代わりになって壊れた~
ヴァンがいなきゃ死んでるのに死んでたよ」
牧野が破けた巾着を見せて、
息を整えながら話した。
「こっから見てても、
黒地は空一面に悪霊の繭ができてたからね。
あれじゃ心が弱ってる人間は死ぬね」
サンクも黒地を振り返って話した。
「神の森にも入れず、黒地で発砲騒ぎ。
しかも子供を殺したって大騒ぎだからね。
ニュースで取り上げるとも思えないけど、
AIが画像を拡散させてるから、
無視もできないだろうし、
山口はさて、どうするかな」
ティンもそういうと時計を見てから、
「そろそろ正午だし、お昼でも買って帰ろうか。
ハクは大丈夫? 」
向井の腕の中で寝ている様子をのぞいた。
「龍神に体を利用されたので、
軽く暗示をかけて寝かせました。
支部に戻ったら一応、
トラントさんに見てもらいます」
「そうだね」
岸本も頷くと、
「ここ橙の捨て地には、
有名なハマチバーガーの専門店があるんだよ。
牧野の好きなタルタルがたっぷりで、
美味しいよ」
と説明した。
「タルタル~食べたい~」
「毒受けて死にそうなんじゃないの? 」
「それとこれは別。
食べたらアニメショップ行くんだろ? 」
とご機嫌になった。
「アニメって、牧野は見ないでしょ」
トリアが言うと、
「ゾンビ少年のホログラムカードが出たんだよ」
と笑顔で振り返った。
「牧野君はカード集めてるの? 」
サンクが聞く。
それともこれすら危険と感じないほどに、
この国は想像力が欠如してるのか、
洗脳されているのかしら。ねぇ? 」
トリアが言いながら向井とサンクを見た。
「俺はこの国の人間ですが、
冥界に来て三年。
この仕事をしていなかったら、
きっと生まれ変わったあとも、
多少の疑問と不満はあれど、
この魔境で普通に生活していると思いますよ」
「えっ? 」
トリアとサンクがビックリした顔で向井を見た。
「ははは。そんなに驚かなくても。
まぁ、俺はそんな人間です。
今頃山口大臣は、
政治生命を死守するのに必死でしょうね」
向井は楽しそうに笑った。
「向井君の方が鬼ね」
トリアが言いサンクもプッと吹きだした。
黒地では怪我人も運ばれ、
警察と防衛隊とで何やら揉めていた。
「私達には関係ないからね」
トリアが言ったところで、
牧野達が戻ってきた。
「今ので捨て地にも小さな負が悪霊になりかけてたから、
まとめて除去してきた」
岸本が言うと、
牧野が疲れた様子で肩で息をしていた。
「どうしたの? 」
サンクが牧野を見た。
「黒地の方を私とヴァンと一緒に除去しに行って、
あの状況だったからまともに毒を受けちゃったのよね」
「それは………ガードはどうしたんですか? 」
向井が気の毒そうな顔をした。
「ガードする間もなく襲われた。
ポプリが身代わりになって壊れた~
ヴァンがいなきゃ死んでるのに死んでたよ」
牧野が破けた巾着を見せて、
息を整えながら話した。
「こっから見てても、
黒地は空一面に悪霊の繭ができてたからね。
あれじゃ心が弱ってる人間は死ぬね」
サンクも黒地を振り返って話した。
「神の森にも入れず、黒地で発砲騒ぎ。
しかも子供を殺したって大騒ぎだからね。
ニュースで取り上げるとも思えないけど、
AIが画像を拡散させてるから、
無視もできないだろうし、
山口はさて、どうするかな」
ティンもそういうと時計を見てから、
「そろそろ正午だし、お昼でも買って帰ろうか。
ハクは大丈夫? 」
向井の腕の中で寝ている様子をのぞいた。
「龍神に体を利用されたので、
軽く暗示をかけて寝かせました。
支部に戻ったら一応、
トラントさんに見てもらいます」
「そうだね」
岸本も頷くと、
「ここ橙の捨て地には、
有名なハマチバーガーの専門店があるんだよ。
牧野の好きなタルタルがたっぷりで、
美味しいよ」
と説明した。
「タルタル~食べたい~」
「毒受けて死にそうなんじゃないの? 」
「それとこれは別。
食べたらアニメショップ行くんだろ? 」
とご機嫌になった。
「アニメって、牧野は見ないでしょ」
トリアが言うと、
「ゾンビ少年のホログラムカードが出たんだよ」
と笑顔で振り返った。
「牧野君はカード集めてるの? 」
サンクが聞く。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる