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番外編 西支部

もつ鍋パーティー

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「そういう遊びも子供には必要だからね。

妖怪の子供が成長するには寿命から考えても、

相当な時間がかかるよ。

だから牧野君も忍耐力が付くかな」

トラントの言葉に大人達は笑うと、

「みんな揃ったからお鍋にしようか」

と声をかけた。

「ちびちゃん用には水炊きね。

チキンが好きなんだもんね」

ヴェンティが言い、

ポーチを片付けると、

ソファーにクッションを置いて座らせた。

ハクは向井の膝に座ると、

室内を見回し笑顔になった。

「ん? 」

向井がその表情にふと違和感を感じ見ていると、

ハクが龍と重なった。

するとハクが上を向いて微笑んだ。

あぁ、龍神が表に現れているのか。

神の温かい気持ちが向井の中に流れ込んできた。

一瞬の出来事だったが、

ハクの魂と誕生した光景が浮かび上がった。

これは………

そういえば河童は元は人間だと言っていたな。

その子供の苦しむ魂を救ったのが、

妖怪である河童なのか………

流れてきた映像が語って見えた。

ハクにはそこに龍の気が入っている。

保護された場所は龍神池があった場所。

そこが妖怪の住む次元と重なることで、

ハクは生まれながらに龍神に守られてきたのだろう。

向井が龍神の想いにとらわれていると、

「ボクも~」

ハクが膝の上で手を伸ばした。

「熱いから気を付けてね」

ヴィンティがお皿にお肉と野菜を入れて、

テーブルの前に置いた。

向井はお皿を取ると、

ハクに渡し食べる様子を見ていた。

「おいしい~」

と笑うハクの笑顔はいつもの姿だ。

向井も微笑むと、

「はい。向井君のお皿」

早紀が渡してくれた。

向井は食べながらハクの魂と安達の魂を、

思い浮かべていた。

状況は似ているのに融合されるものによって、

こんなにも違いがあるとは。

安達君の魂にも神がいたならば、

あんなにも苦しむことはなかったのだろうか。

美味しそうに食べるハクが向井を見る。

その顔に向井も自然と笑顔になった。

「パパのがいい」

「ん? もつですよ。食べてみる? 」

向井がもつをハクの口に入れると、

「………むぅ」

ハクがいつものように顔を顰める姿に、

大人達が笑った。

「美味しい? 」

横に座る安達が聞くと、

「………おいしい? ………わかんない」

と笑った。

「ハクには鶏の方が美味しいね」

シェデムがハクを見た。

「わらわもたべたい」

「こんも~」

チビ達も気になったようで指をさすので、

「ちょっと辛いからね」

とトリアが一つずつ皿に入れた。

三人の食べる様子を見ていると、

「やっぱとりじゃ」

呉葉が言い、こんも三鬼も水炊きがいいと言った。

「そうだよね」

岸本も笑うとビールを飲んだ。

「そういえば安達君と牧野君は三鬼とお揃いなんだね」

サンクがパジャマを見て言った。

「クルールレンジャーは9戦士で、

プリンスなの」

三鬼が言った。

「そうすると…三鬼はブラックプリンスなんだ」

「カッコいいんだよ。

ぼくね。弥生ちゃんにとけいもつくってもらった」

嬉しそうに話す三鬼に、

「弥生ちゃんはチビ達のアクセサリーも作って、

大忙しね」

サランダが笑った。

「こんもマホウのつえ、つくってもらったよ」

「わらわも~カワイイんじゃ」

楽しそうに両手を広げる姿に、

「スプーンを振らないでください。

お行儀悪いし危ないでしょ」

シェデムが注意する。

「チビがいると賑やかだよね。

たまには泊まってもらうか? 」

笑いながら話すサンクに、

「北でも同じこと言われました」

向井が言った。

「これでよかったら牧野も付けて貸出するよ」

「なんだよそれ」

トリアの言葉に文句を言う牧野を見て、

大人達が笑った。
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