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番外編 西支部

お洒落なチビ

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ハクと三鬼が下着姿でキャッキャと騒ぐ姿に、

「子供じゃ」

「本当にね~」

呉葉とこんは着替えて部屋に入ってきた。

大人達はそんな様子に呆気にとられると、

顔を伏せて笑った。

「最近はおませさんなのよね」

シェデムは笑いながら早紀と立ち上がると、

「では、お姉ちゃんたちは、

髪の毛をちゃんと乾かしましょう」

とベッドの方に移動して、ドライヤーを当てた。

向井とティンがハクと三鬼を捕まえていると、

トラントと牧野がパジャマを持ってやってきた。

トラントは魅力的な容姿の西支部の三十代の医者だ。

「子供は体温高いからね。

裸が気持ちいいんだろうな」

トラントは笑うと、

「ただし妖怪の子供は人間より弱いから、

気を付けないとね」

とパジャマを渡した。

「そうなんですか? 」

向井がハクにパジャマを着せながら言う。

「妖怪の子が育たない理由の一つに、

菌に弱いこともあるんだよ。

大人になれば人間より丈夫なんだけどね」

「そうなの? それは知らなかった。

気を付けないと」

トリアもビールを飲みながらチビを見た。

ティンが三鬼にパジャマを着せていると、

安達が入ってきた。

「ハクと三鬼も髪の毛乾かすから、

こっち来てください」

シェデムに呼ばれて二人が走って行く。

「こんと呉葉は大分毛が伸びたから、

カットしようか」

オクトが言うと、

「ダメ」

二人が首を振った。

「大丈夫だよ。ちょっとだけ切って、

えっとピンクダイヤとブラウンダイヤだっけ? 

そのおリボンを付ければプリンセスと同じだから」

オクトの話に二人はハッとなって、

向井の膝に座った。

「お店行くんだよね」

「おのな~プリンセスと同じおリボンが欲しい」

「お仕事終わった後にね」

向井が二人に話していると、

「プリンセスのおリボンてどんなの? 」

チェントが聞いた。

「ピンクダイヤが付いてるの」

「わらわのもブラウンダイヤがキラキラなんじゃ」

「えっ? ダイヤモンドなの? 」

サランダがビックリして聞く。

「ダイヤモンドと言ってもガラスストーンよ」

トリアが笑い、近くにあったタブレットを開いた。

その画像を大人達がのぞく。

「あらホント。きらきらして可愛い」

チェントが笑顔になった。

「あのな~」

呉葉とこんが向井の膝から降りると、

リュックを開けてポーチを持ってきた。

ポーチの中にはいろんなものが入っている。

「指輪とイヤリングは弥生ちゃんが作ってくれた」

二人が中から取り出して説明する。

「コンパクトもあるの? 」

サランダが驚くと、

「ピンクプリンセスはこの鏡で悪い奴を吸い込むの」

「お粉も付いてるんじゃ」

二人がリップやブラシを並べるのを見た。

「はぁ~子供用とは思えないね」

「でしょう」

笑う岸本にトリアが言った。

「黒谷の店なんか部屋にキッズルームできちゃってさ。

凄ぇ~邪魔。

おままごとセットなんてキッチンと道具で溢れて、

俺様の憩いのサンルームが息苦しい」

牧野がむくれた顔で歩いてきた。
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