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番外編 西支部

西支部へ到着

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西支部に着くと岸本とサランダが入り口で待っていた。

「泊りに来たぞ~」

呉葉が言い、チビ達が嬉しそうに走って抱きついた。

「よく来たね」

「いらっしゃい」

岸本とサランダが笑顔で出迎えた。

「とりあえず中に入って」

向井達が休憩室に向かうと、

奥の部屋に大きなソファーベッドが置かれていた。

「おっ、すげぇ~」

牧野が走って行くと寝転がった。

その姿にチビ達も真似をするように飛び乗ると、

ゴロゴロと転がった。

「大人はごろ寝でもいいけど、

チビちゃんたちはそうもいかないものね」

トレーナーのヴェンティが入ってくると言った。

「わざわざすいません」

向井が申し訳なさそうな顔をすると、

「いいのよ。

元々トレーニングルームに置いてあったんだけど、

使ってないからここに移動させたの」

チビ達が気持ちよさそうに寝る様子に、

「ちょうどよかったな」

岸本も笑った。

「一応おねしょシートも用意してあるから」

チェントも笑うとホットチョコを、

配膳ロボと運んできた。

「夕食はもつ鍋ね。

牧野から言われて用意した」

「えっ? そんな事言ったの? 

どうしようもないわね」

ベッドの上でチビとはしゃぐ姿に、

シェデムは微苦笑した。

「ほら、ホットチョコ入れたから、

こっちいらっしゃい」

チェントが呼ぶと牧野とチビが走ってきた。

向井達は困った顔で笑うと、

ソファーに座らせた。

「そうだ。向井さんにはちょっと、

現状だけ確認してもらいたいからいいかな」

サンクが休憩室に入ってくると声をかけた。

「いいですよ」

向井とトリアとシェデムの三人は、

岸本達と別室に向かった。

西支部も北支部と同じく、

中央より少し狭いくらいで基本変わらない作りになっている。

スタッフ数が少ないので、

食堂や工房などがないが、

その他の施設は揃っていた。

「中央から来ると静かでしょう」

サンクが笑いながら向井に話す。

「そうですね。中央は霊の数もあるので、

静かな時がないかもしれませんね」

「それなのに冥王はお泊りって言うと、

淋しいって騒いでるのよ」

トリアが言った。

「牧野君とチビちゃんがいないのは、

やっぱり静かなんじゃないの」

サランダも笑うと通信ルームに入った。

通信ルームはどこも変わらない作りで、

何もないシンプルな部屋だ。

空間にディスプレイが浮かぶので、

その操作で下界の状況を確認できる。

岸本が中央に手を伸ばすと、

ディスプレイが現れた。

上から見た映像と多方面から映し出された映像とが、

同時に浮かび上がった。

「はぁ~これは………酷いね」

トリアが眉間にシワを寄せ、

腕組をした。

防衛隊に取り囲まれているので、

捨て地は威圧感で息苦しいだろう。
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