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番外編 北支部
悪霊退治の為に
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「私も鬼だからね。
人間の考えることはよくわからんが、
大沢帝国の後、
わがままな国民が増えて、
結果、
自分たちの首を絞めたように思えるがね」
究鬼が向井を見た。
その視線にフッと小さく笑う。
「なに? どういう意味? 」
ディオが二人の顔を見た。
「要するに国に忖度するメディアに、
踊らされてしまう人間が多いという事かな。
些細な意見でもハラスメントだの、老害だの、子は宝だの、
年中揉めてるでしょう。
そのたびに国が出てきて法案を作る。
法案ができれば雁字搦めになって、
結果身動きができなくなる。
わがままも過ぎれば、
後々己に返ってくるので、
それが教訓として活かされれば、
この国も立ち直れるのではないかというお話です」
「深いね~」
ディオがうんうんと首を縦に振った。
「とりあえず西に行って、
状況を確認した後にディオ君にお願いします。
究鬼さんには鎮護の霊玉を少しいただけますか」
向井が言うと、
「こっちが四天王のもので、
こっちは弁財天と吉祥天から預かりました」
と向井の掌に乗せた。
「有難うございます。
今回は問題も大きいので、
ヴァン君とエハさんにもお願いして、
仙境から仙木を用意してもらうことにしました」
「そうだね」
究鬼もため息をつくと、
「往生際が悪い人間と戦うのも疲れるよね」
と話しながら笑った。
休憩室に戻ると、
チビ達がリュックに色々詰めて、
楽しそうな姿があった。
つまらなそうな冥王に、
「冥王は何か欲しいものがありますか? 」
向井が声をかけた。
アヒル口をして面白くなさそうな顔に、
タブレットを渡した。
「なんですか? これは」
冥王の顔が嬉しそうに輝いた。
「西の捨て地に大きなアニメ専門ビルができたそうです。
岸本君に教えていただきました。
冥王が好きなキャラクターグッズがあるみたいなので、
欲しいのがあったらお土産に買ってきますよ」
「えっ? アニメショップ? 」
その話に安達とチビが飛んできた。
「君達の好きな漫画やアニメグッズが、
色々あるそうですよ。
仕事が終わったら冥王のお土産もあるので、
一緒に行きましょう」
その話にわぁわぁ言いながら、
冥王と画像を見ていた。
向井はエハとヴァンの姿に、
「これから仙境ですか? 」
「そう。受け取ったらすぐに行くから」
「宜しくお願いします」
入り口で二人を見送った。
「何とかなりそう? 」
トリアとシェデムが向井に近づいてきた。
「まぁ、行ってみないと何とも言えませんけど、
防衛隊の包囲網を解かないことには、
恐怖心で消えてしまうかもしれませんから」
「えっ? 捨て地で消滅? 」
二人が驚いていると、
「冥王に言われたんです。
黒地にいることができなくて、
リスクを覚悟で捨て地に住まう者たちなので、
ストレスが大きくなれば結界の中ですし、
通常の空間とは違うので消える可能性もあると」
向井が説明した。
「はぁ~そういう事か」
「確かに図太く生き残れるものなら、
黒地から出ることはないものね」
トリアとシェデムも納得するように頷いた。
人間の考えることはよくわからんが、
大沢帝国の後、
わがままな国民が増えて、
結果、
自分たちの首を絞めたように思えるがね」
究鬼が向井を見た。
その視線にフッと小さく笑う。
「なに? どういう意味? 」
ディオが二人の顔を見た。
「要するに国に忖度するメディアに、
踊らされてしまう人間が多いという事かな。
些細な意見でもハラスメントだの、老害だの、子は宝だの、
年中揉めてるでしょう。
そのたびに国が出てきて法案を作る。
法案ができれば雁字搦めになって、
結果身動きができなくなる。
わがままも過ぎれば、
後々己に返ってくるので、
それが教訓として活かされれば、
この国も立ち直れるのではないかというお話です」
「深いね~」
ディオがうんうんと首を縦に振った。
「とりあえず西に行って、
状況を確認した後にディオ君にお願いします。
究鬼さんには鎮護の霊玉を少しいただけますか」
向井が言うと、
「こっちが四天王のもので、
こっちは弁財天と吉祥天から預かりました」
と向井の掌に乗せた。
「有難うございます。
今回は問題も大きいので、
ヴァン君とエハさんにもお願いして、
仙境から仙木を用意してもらうことにしました」
「そうだね」
究鬼もため息をつくと、
「往生際が悪い人間と戦うのも疲れるよね」
と話しながら笑った。
休憩室に戻ると、
チビ達がリュックに色々詰めて、
楽しそうな姿があった。
つまらなそうな冥王に、
「冥王は何か欲しいものがありますか? 」
向井が声をかけた。
アヒル口をして面白くなさそうな顔に、
タブレットを渡した。
「なんですか? これは」
冥王の顔が嬉しそうに輝いた。
「西の捨て地に大きなアニメ専門ビルができたそうです。
岸本君に教えていただきました。
冥王が好きなキャラクターグッズがあるみたいなので、
欲しいのがあったらお土産に買ってきますよ」
「えっ? アニメショップ? 」
その話に安達とチビが飛んできた。
「君達の好きな漫画やアニメグッズが、
色々あるそうですよ。
仕事が終わったら冥王のお土産もあるので、
一緒に行きましょう」
その話にわぁわぁ言いながら、
冥王と画像を見ていた。
向井はエハとヴァンの姿に、
「これから仙境ですか? 」
「そう。受け取ったらすぐに行くから」
「宜しくお願いします」
入り口で二人を見送った。
「何とかなりそう? 」
トリアとシェデムが向井に近づいてきた。
「まぁ、行ってみないと何とも言えませんけど、
防衛隊の包囲網を解かないことには、
恐怖心で消えてしまうかもしれませんから」
「えっ? 捨て地で消滅? 」
二人が驚いていると、
「冥王に言われたんです。
黒地にいることができなくて、
リスクを覚悟で捨て地に住まう者たちなので、
ストレスが大きくなれば結界の中ですし、
通常の空間とは違うので消える可能性もあると」
向井が説明した。
「はぁ~そういう事か」
「確かに図太く生き残れるものなら、
黒地から出ることはないものね」
トリアとシェデムも納得するように頷いた。
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