43 / 330
番外編 北支部
西でもお泊り?
しおりを挟む
ケーキを食べ終え、
向井は立ちあがると牧野を呼んだ。
「何~」
牧野が走ってくると、
「これから西支部に行くので準備してください」
「えっ? 今から? 」
と向井の言葉に嫌な顔をした。
「なんですか。その顔は」
「だって急務ってことは、酷ぇ毒を持った悪霊って事だろ」
面白くなさそうな牧野に、
「今日は手前だけ除去した手抜きハンターなんだから、
残りの力を西で使ってもらおうと思って」
「むぅ………」
ハクのような表情に向井はプッと吹きだすと、
「ついでにこの前食べ損ねたもつ鍋でも、
食べて帰りましょうか」
「もつ鍋! いいね~」
牧野の顔が笑顔になった。
「どこいくの? 」
三鬼が走ってきて向井の足に抱きついた。
「お仕事です」
「えっ? またおしごと? 」
三鬼が見上げて口をすぼめた。
「どこいくんじゃ」
呉葉とこんも走ってくると二人を見上げた。
「なるべく早く帰ってきますよ。
悪霊ハンターのマキちゃんがいますから。ねっ」
向井が牧野を見た。
「えっ? 俺?
ん~悪霊の大きさ次第かな」
「俺達だけじゃ無理なので………」
向井は室内を見回すと、
「ティン君とオクトさんにもお願いしようかな」
とのんびりヨーグルトを飲んでいる二人を見た。
視線が合うと、向井は二人を手招きした。
「ん? 」
二人は指で自分をさすと、
立ち上がって入り口に歩いてきた。
「なんですか? 」
「西で悪霊問題があったので、
これから来てほしいそうなんです」
「あぁそういうこと」
「いいよ」
二人が頷くと、
「ボクもいく」
とハクがやってきて言った。
「えっ? ハクはお留守番しててください」
「ううん。ボクもいくの」
ハクの様子に、
何か感じるものがあるんだろうか。
向井が考え込んでいると、
「おとまり? 」
「こんもいきたい」
「ボクも」
チビ達が騒ぎ出した。
「なに? どうしたの」
トリアとアートンがやってきた。
「これから西に行くんですけど、
チビがお泊りしたいというので、
ちょっと困ってるんです」
「そういうことか………だったら西に連絡して、
お泊りすればいいじゃん」
トリアが言った。
「また、お泊りですか? 」
冥王が寂しそうな声でぼそっと口にした。
その声に向井達が振り返った。
「みんないるんだからいいじゃない」
ケーキを食べるシェデムが馬鹿らしいと冥王を見る。
アヒル口をする姿に向井は苦笑いすると、
「とりあえず、岸本君に連絡して、
問題ないようならお泊りしましょうか」
とチビ達を見た。
安達もやってきて皆で喜ぶ様子に、
向井は部屋を出て通信室に向かった。
休憩室に戻ってくると、
既にお泊りメンバーが決まったようで、
楽しそうにしていた。
「仕事のないもので参加希望者の中から決まった」
アートンがあきれ顔で笑った。
「黒谷君の喫茶店から、
みんなお泊りしたいみたいでね。
でも、ハクは何で行きたいって言ったんだろう」
「ハクには何か見えるみたいなんですよ。
今回も赤い食べ物を当てたでしょう。
多分、俺達が話しているのを聞いて、
感じるものがあったんだと思います」
「なるほどね」
アートンとトリアは不思議そうにハクを見つめた。
向井は立ちあがると牧野を呼んだ。
「何~」
牧野が走ってくると、
「これから西支部に行くので準備してください」
「えっ? 今から? 」
と向井の言葉に嫌な顔をした。
「なんですか。その顔は」
「だって急務ってことは、酷ぇ毒を持った悪霊って事だろ」
面白くなさそうな牧野に、
「今日は手前だけ除去した手抜きハンターなんだから、
残りの力を西で使ってもらおうと思って」
「むぅ………」
ハクのような表情に向井はプッと吹きだすと、
「ついでにこの前食べ損ねたもつ鍋でも、
食べて帰りましょうか」
「もつ鍋! いいね~」
牧野の顔が笑顔になった。
「どこいくの? 」
三鬼が走ってきて向井の足に抱きついた。
「お仕事です」
「えっ? またおしごと? 」
三鬼が見上げて口をすぼめた。
「どこいくんじゃ」
呉葉とこんも走ってくると二人を見上げた。
「なるべく早く帰ってきますよ。
悪霊ハンターのマキちゃんがいますから。ねっ」
向井が牧野を見た。
「えっ? 俺?
ん~悪霊の大きさ次第かな」
「俺達だけじゃ無理なので………」
向井は室内を見回すと、
「ティン君とオクトさんにもお願いしようかな」
とのんびりヨーグルトを飲んでいる二人を見た。
視線が合うと、向井は二人を手招きした。
「ん? 」
二人は指で自分をさすと、
立ち上がって入り口に歩いてきた。
「なんですか? 」
「西で悪霊問題があったので、
これから来てほしいそうなんです」
「あぁそういうこと」
「いいよ」
二人が頷くと、
「ボクもいく」
とハクがやってきて言った。
「えっ? ハクはお留守番しててください」
「ううん。ボクもいくの」
ハクの様子に、
何か感じるものがあるんだろうか。
向井が考え込んでいると、
「おとまり? 」
「こんもいきたい」
「ボクも」
チビ達が騒ぎ出した。
「なに? どうしたの」
トリアとアートンがやってきた。
「これから西に行くんですけど、
チビがお泊りしたいというので、
ちょっと困ってるんです」
「そういうことか………だったら西に連絡して、
お泊りすればいいじゃん」
トリアが言った。
「また、お泊りですか? 」
冥王が寂しそうな声でぼそっと口にした。
その声に向井達が振り返った。
「みんないるんだからいいじゃない」
ケーキを食べるシェデムが馬鹿らしいと冥王を見る。
アヒル口をする姿に向井は苦笑いすると、
「とりあえず、岸本君に連絡して、
問題ないようならお泊りしましょうか」
とチビ達を見た。
安達もやってきて皆で喜ぶ様子に、
向井は部屋を出て通信室に向かった。
休憩室に戻ってくると、
既にお泊りメンバーが決まったようで、
楽しそうにしていた。
「仕事のないもので参加希望者の中から決まった」
アートンがあきれ顔で笑った。
「黒谷君の喫茶店から、
みんなお泊りしたいみたいでね。
でも、ハクは何で行きたいって言ったんだろう」
「ハクには何か見えるみたいなんですよ。
今回も赤い食べ物を当てたでしょう。
多分、俺達が話しているのを聞いて、
感じるものがあったんだと思います」
「なるほどね」
アートンとトリアは不思議そうにハクを見つめた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
【完結】待ってください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ルチアは、誰もいなくなった家の中を見回した。
毎日家族の為に食事を作り、毎日家を清潔に保つ為に掃除をする。
だけど、ルチアを置いて夫は出て行ってしまった。
一枚の離婚届を机の上に置いて。
ルチアの流した涙が床にポタリと落ちた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる