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番外編 北支部

捨て地スパイ

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最近増えている問題の一つが、

ポイントを増やすために、

捨て地再興庁やAI推進庁に情報を売るものが、

捨て地でも出てきたことだ。

さほど問題のない情報であれば、

捨て地であっても消されることはない。

が、それが周りを巻き込む情報となると、

消去されることが最近の調べで報告があった。

「捨て地でスパイ活動って無理なんじゃないの? 」

倉田が驚いて言った。

「そう思うでしょ? 

でも、つい先日ママ友消去事件があって、

大騒ぎだったのよ」

トリアが残りのケーキを口に放り込んだ。

「国は捨て地情報提供には、

お金も湯水のように使うから、

ポイント釣りって言われてるの。

水沢記者の様に狙われている人の情報は、

高く買ってもらえるから、

気軽に売っちゃう人もいるのよ。

ただ、

それが行き過ぎたことで捨て地から排除されたんだけど」

「おかげでスパイはかなり減っていると思う」

トリアとアートンの話にカランがあきれ顔になった。

「そんなことがあってもスパイはいるんだ」

「そりゃ人間だもん。色んな人がいるわよ」

「俺としてはスパイがいそうな地域は、

ある程度把握できるので、

調査はしやすいですよ」

「どうしてわかるの? 」

フェムティが向井を見た。

「捨て地にも負はあるでしょ。

その負が増えてる場所にはスパイがいます。

冥王にも伝えてあるので、

毘沙門天様達と話し合いはされています」

「そうなんだ」

カランも頷いた。

「戦ってくれる記者や議員がいるのが分かれば、

それだけでも救われるでしょう。

黒と白。どっちに転ぶのかは、

国民の判断にゆだねられてますから、

俺達は悪霊退治をしてればいいんです。

そう考えたら、楽な仕事ですね」

向井は笑うとケーキを食べた。

「向井さんて不思議だよね」

「そうですか? 」

向井がキャトルを見る。

「ほら、この感じ。

向井さんに話すと落ち着くでしょ。

だからさ、

みんな冥王の前に向井さんに話すんだよね」

「という事は………冥界での一番の権力者は、

向井さん? 」

アートンの言葉にフェムティが言い、

皆が向井の顔を見た。

「俺に権力があるなら、

まずは給料を働きにあった額にしてますよ。

あっ、それより悪霊退治止めますね」

向井があきれたように言うと、みんなが笑った。



夕食は休憩室に鍋を用意し、

全員で食べることにした。

「北って、今はこれしか人数いないの? 」

全員揃っても十四人。

中央から来た十人足して二十四人。

「これでお前が楽してるの分かっただろう」

倉田の言葉に牧野が不貞腐れたように、

フンと鼻を鳴らした。

「今のうちにお風呂に入ってきたら? 」

食事の準備をしながらトリアが言うと、

「そうだ。風呂だよ~ここのは広いんだぞ~」

牧野がチビ達に話し、わぁ~と浴室に走って行った。

「うるさいのがいなくなった~」

アンが笑うと、

お皿を並べソファーに座った。

「牧野達だけじゃチビを見るの大変だろ? 

お前らも入ってきたら? 」

とキャトルとトロワを見て、倉田が言った。

トロワは北の図書室担当の二十代の男性だ。

「じゃあ、そうしようか」

二人は顔を見合わせ、部屋を出て行った。
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