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番外編 北支部

シール大人気?

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「安達君は顔が赤い? 」

トリアが額に手をやると、

「大丈夫。ちゃんとお薬飲んだから」

と逃げて行った。

「ねっ、反抗期でしょ」

向井が言い、牧野とチビと部屋を出て行く姿に、

大人達が笑った。

「牧野君もシールに興味があるの? 」

チビ達と楽しそうに出て行く様子に、

キャトルが不思議そうに聞いた。

「安達君とハクのコラージュを見て、

ちょっと興味を持ったみたいで、

最近は工房でシールを使って作ってるのよ」

「へえ~なに? 安達君とハクのノートは何か違うの? 」

アンの話にカランが言った。

「今日も持ってきてると思うから、

後で見せてもらうといいわよ。

凄く素敵だから」

トリアが笑顔で説明をした。

「この所、みんなシールにハマってるの」

アンもそういうと自分のピアスを見せた。

可愛い花が浮かび上がるように作られた、

レジンのピアスだ。

「えっ? これ手作り? 」

キッチンから戻ってきたフェムティが、

アンに近づいてアクセサリーを見た。

「可愛くて綺麗~」

「でしょう? これシールを重ねて作ったの」

「いいな~私でもできる? 」

「出来るわよ。時間のある時に工房に来たら? 

教えてもらえるから」

アンの話にフェムティも嬉しそうに頷いた。

そんな立ち話に、

「早く~」

こんが痺れを切らして呼びに来た。

向井の手を引っ張ると、

大人達は笑いながらあとをついて言った。


銀の捨て地は中心地に近い場所に位置し、

北の捨て地の中では、

マルシェなどのイベントが盛んな地域になる。

その為、多くの資材ショップがあり、

アンが目を輝かせていた。

「ここは問屋街ね。

弥生ちゃんや真紀子さんがいたら、

ずっと見て回っていそう」

「専門店が捨て地に移動してきたから、

中心地の方が今はショッピングモールが多いかも」

フェムティの説明に、

「今度はここに材料買いに来よう」

トリアも店を眺めながら資材通りを進んでいった。

「着いたよ」

前を歩くキャトルが皆を呼ぶと、

チビ達が楽しそうに走って行く。

「うわぁ~」

チビの嬉しそうな声に、向井達も店内を見て驚いた。

「シールってこんなに種類があるんですね」

「ここは趣味だけじゃなくて、

商業利用できる店舗なんで、

プロの作家さんも利用してるから、

運が良ければ会えるかもね」

キャトルの説明を聞きながら、

夢中になっているチビに近づくと、

向井も屈んで覗いた。

「何個まで? 」

三鬼が向井を見た。

「八個までいいですよ」

「数、分かってるの? 」

トリアが向井の横に来た。

「聞くだけで、理解はできてないです」

向井は笑うと、

「それでも五個迄は数えてるので、

今は六から十までを勉強中ですね」

立ち上がるとチビ達の選ぶ様子を見ていた。

ハクが歩き出すのを見て、

「ここは私が見てるから大丈夫よ」

トリアに言われ、

向井が後を追っていく。

ハクは他のチビと違い、

選ぶシールもバラエティに富んでいるのかもしれない。

あちこちのぞきながら、

向井に抱っこされ、

パールやラインストーン、

布にコラージュペーパーなど選び、

最後にキャラクターのぷっくりシールや、

フレークシール、PETテープを手に、

満足げに笑っていた。
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