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番外編 北支部

北支部でお泊り

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「できれば全てに結界はっちゃえば楽なんだけど、

下界干渉にも限界あるからな~」

「そうなったらもう、

議員の殆どが消えちゃうわよ。

面倒くさいから、冥王を大統領にして、

冥界国にしちゃうか」

キャトルとトリアの話に、

笑い声が漏れる。

「そんな単純な事ならいいけどね。

で、どうする? 」

アートンが向井に聞いた。

「そうですね。

この白い点の黒地だけ除去して、

悪霊が集中しないように、

ここに軽く結界を作りましょう。

この白い点………要するに灯を持つ住人が増えて、

捨て地化するようなら、

冥王に許可をもらって大きな水の壁を作れば、

白の陣地が増えますね」

向井がみんなを見た。

「今回は除去して様子を見ましょうか」

向井は画面を見ながら提案した。

「牧野君も北の皆さんに、進化した姿を見せないとね」

「なに? 牧野の進化? そんなに凄いの? 」

倉田がビックリした顔で振り向いた。

「俺だってね、強くなってんの」

胸を張る牧野に皆が笑い、

「では、大きく結界はるよ~」

キャトルの合図で、それぞれ持ち場へと向かった。


昼食を買って北支部に戻ると、

休憩室でチビ達が真剣に塗り絵をしていた。

「なに? 中央から持ってきたの? 」

トリアがお弁当をテーブルに置いて聞くと、

「俺が昨日買ってきたんだよ」

キャトルがドリンクを並べながら話した。

「随分、用意がいいね」

アートンも笑いながらチビ達を見ると、

奥の畳スペースにテーブルを置き、

楽しそうに塗って、シールを貼っていた。

安達達も一緒になって塗り絵をしている。

「この所中央に出かけてたでしょ。

その時にチビと遊ぶことも多くなって、

今は貼ったり塗ったりが好きだって言うから、

買っといたんだよ」

キャトルが説明した。

「すいませんね」

向井が袋の中身を出しながら言うと、

「気にしないで。

そのおかげでシール専門店も見つけたし。

あのクレヨンも野菜で出来てるから、

口に入れても安全なんだってさ」

キャトルが笑った。

「ほら、お昼食べたらシール屋さんに行くんでしょ。

お手々洗って来てください」

トリアが和室に言って声をかけた。

クレヨンを仕舞うと、アン達と洗面所に走って行った。

「子供って疲れるわ」

フェムティが笑いながらやってきた。

「中央は毎日あんな状態なんだって思ったら、

大変よね」

「慣れよ慣れ。それに人数多いから、

誰かしら面倒見てるし、

遊んで疲れちゃえば寝てくれるし? 」

トリアがお弁当を並べた。

「私このサーロインステーキ弁当好きなのよね。

ランチなのによく買えたわね」

「先に予約しておいたんだ。

今日は牧野も来るって言ってたから」

倉田は既にお弁当を見ながらニコニコしている牧野に笑った。

「牧野君は食べ物につられて動くからね」

アートンが笑っていると、

チビ達が戻ってきた。

「キッズチェアーないから、

チビ達は畳のテーブルの方がいいかな」

向井はそういうと、チビ達を座らせてお弁当を置いた。

「ちびちゃん達はハンバーグね」

アンが言いながら、

「お兄ちゃんたちもチビと一緒に食べる? 

牧野君の好きな畳にふかふかのお座ぶよ」

「ん~じゃあ、そうしようかな」

牧野と安達はお弁当を持って移動した。
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