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番外編 北支部
懲りない人々
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「大沢帝国崩壊の少し前に、
ここでも一部住民が、
署名活動や抗議の抵抗運動があったんだよ。
ただ政治批判は就職活動にも影響するからね。
偏った正義とマスコミにも叩かれて、
若者は参加しなくなったよ。
小さくても抵抗するものがいるうちは、
冥王も力を貸しましょうと、
俺達に守るように言ってたんだけど、
今やこんな状態でしょう。
冥界も人数が少ないし、
除去で精一杯なんだよ」
キャトルはため息をつきながら笑った。
「悪霊が増えるわけね」
トリアも難しい顔をした。
「そういえばこの辺りの刑務所はどうですか? 」
向井が辺りを見回しながら聞いた。
北は地震続きで住める土地がさらに狭まっている。
外国人も母国に戻る者が増え、
移民に占領されている地域もある。
それぞれがコミュニティーの中で生活しているが、
捨て地にいる自国民だけが、
増える捨て地法案に辟易していた。
それでも黒地よりストレスはなく、
自由な暮らしができることに満足しているのが救いだ。
この景色の生活を享受できるだけでも、
不便以上の喜びを感じているのかもしれない。
「国の面積自体は変わってないけど、
地殻変動、気候変動なんかもあって、
住めない土地が増えたからね。
北は八か所あったんだけど、
この前の結界で受刑者、刑務官が消されて、
今は二ヵ所だけ。
罪人の消去だから問題ないけど、
消えなかったものもいるからさ。
中央はどう? 」
倉田の話に、
「中央も似たようなもんです」
「じゃあ、西も同じか」
向井とトリアが顔を見合わせた。
「刑務所内でも残った人間は、
軽いパニック状態だったから記憶操作したの。
それと外国人も消えてるから、
その事でも冥王とディッセは呼び出されて出掛けて行った。
悪霊消えて金消えて…疲労困憊よ」
トリアは不満げに皆の顔を見回した。
「なんで俺達がそんなことまでしなきゃいけないのさ。
死んでるのに~」
牧野が不機嫌に声をあげた。
「国によっては冥界も手抜きがあるけど、
ここは黙認できないくらい、
事態が悪化してるからね。
国民性じゃないの」
アートンは笑って牧野の背中を叩くと、
「問題のある所だけ片付けちゃおう」
と倉田を見た。
倉田のバングルから映像が浮かび上がる。
「北は三分の二が黒地なんだけど………」
映像に触れながら説明する。
「黒地の中の白い点があるだろう。
これは冥王のお守りを持っている人。
それが………ここに集中してるんで、
この辺りは生活も大変だと思うんだよね。
大臣からの締め付けもあるし」
向井達も画像を見ながら頷いた。
ここでも一部住民が、
署名活動や抗議の抵抗運動があったんだよ。
ただ政治批判は就職活動にも影響するからね。
偏った正義とマスコミにも叩かれて、
若者は参加しなくなったよ。
小さくても抵抗するものがいるうちは、
冥王も力を貸しましょうと、
俺達に守るように言ってたんだけど、
今やこんな状態でしょう。
冥界も人数が少ないし、
除去で精一杯なんだよ」
キャトルはため息をつきながら笑った。
「悪霊が増えるわけね」
トリアも難しい顔をした。
「そういえばこの辺りの刑務所はどうですか? 」
向井が辺りを見回しながら聞いた。
北は地震続きで住める土地がさらに狭まっている。
外国人も母国に戻る者が増え、
移民に占領されている地域もある。
それぞれがコミュニティーの中で生活しているが、
捨て地にいる自国民だけが、
増える捨て地法案に辟易していた。
それでも黒地よりストレスはなく、
自由な暮らしができることに満足しているのが救いだ。
この景色の生活を享受できるだけでも、
不便以上の喜びを感じているのかもしれない。
「国の面積自体は変わってないけど、
地殻変動、気候変動なんかもあって、
住めない土地が増えたからね。
北は八か所あったんだけど、
この前の結界で受刑者、刑務官が消されて、
今は二ヵ所だけ。
罪人の消去だから問題ないけど、
消えなかったものもいるからさ。
中央はどう? 」
倉田の話に、
「中央も似たようなもんです」
「じゃあ、西も同じか」
向井とトリアが顔を見合わせた。
「刑務所内でも残った人間は、
軽いパニック状態だったから記憶操作したの。
それと外国人も消えてるから、
その事でも冥王とディッセは呼び出されて出掛けて行った。
悪霊消えて金消えて…疲労困憊よ」
トリアは不満げに皆の顔を見回した。
「なんで俺達がそんなことまでしなきゃいけないのさ。
死んでるのに~」
牧野が不機嫌に声をあげた。
「国によっては冥界も手抜きがあるけど、
ここは黙認できないくらい、
事態が悪化してるからね。
国民性じゃないの」
アートンは笑って牧野の背中を叩くと、
「問題のある所だけ片付けちゃおう」
と倉田を見た。
倉田のバングルから映像が浮かび上がる。
「北は三分の二が黒地なんだけど………」
映像に触れながら説明する。
「黒地の中の白い点があるだろう。
これは冥王のお守りを持っている人。
それが………ここに集中してるんで、
この辺りは生活も大変だと思うんだよね。
大臣からの締め付けもあるし」
向井達も画像を見ながら頷いた。
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