『アンダーワールド・番外編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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番外編

楽しいお泊り

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「わあ~」

チビ達の顔が笑顔になった。

「あらホント。凄いわね~」

トリアも開けた箱に笑った。

「これ、おうちか? 」

呉葉が興味津々に見つめる。

向井も近づくと、そこには着せ替えマグネットがあった。

「これ、貰ってもいいんですか? 」

「いいって。どうせ処分するものだから、

小さな子のいるお家に配ってるらしいよ。

だから久美ちゃんにもあげた」

黒谷の住む団地には保育園に通う、

五歳の女の子がいた。

「久美ちゃんも喜んでたよ」

女の子用のボックスは、入れ物がお家になっていて、

着せ替えはマグネットで種類も多く、

背景も変えられ、

部屋のインテリアも付いていた。

こんと呉葉が嬉しそうにテーブルに運んでくると、

弥生や早紀、エハと一緒に遊び始めた。

男の子用は街が作れるようだ。

自動車や飛行機、お店など、

好きな場所にものが建てられる。

三鬼とハクが嬉しそうに箱から出して並べ始めた。

「今度駄菓子屋さんに行ったら、

有難うってお礼を言うのよ」

トリアに言われて、

「うん」

と言いながらも夢中になっていた。

「そうだ。お煎餅屋さんね。

明日店を開くから、

買いに来てくださいって」

黒谷が飲み物を運んでくると言った。

「オヤジも食べたいから買ってこいって」

牧野も言うと、

「今日は夕飯何~」

と言いながら買ってきたケーキの箱を開けた。

「まだ、三時だよ」

新田とティンも呆れて笑うと、

夕飯の材料をキッチンに運んだ。

「今日はね、チヂミと餃子パーティーです」

向井も笑いながら、

佐久間とアンと残りの食材を持って行った。

「餃子は焼くだけだよ。

セーズとゼスと俺で沢山包んできたの。

チーズでしょ。エビでしょ。

あと手羽先餃子~ね~」

安達が二人と顔を見合わせ言った。

「ビールもあるしね~」

ディッセが店から入ってくると、

「あとからヴァンと坂下君も来るって」

と言った。

「皆来たくても、

うちには何もできないお殿様がいるからね。

機嫌が悪くなるから、今日はこの人数だけ~」

「といっても、凄い数だよ」

黒谷が珈琲を飲みながらケーキを選んだ。

「はぁ~よく出来てるね。これ全部マグネットなんだ」

黒谷がテーブルに並べられたお洋服や小物を、

手に取って眺めた。

「お洋服選び放題じゃん」

横から牧野ものぞく。

見ると早紀達も楽しそうに着せ替えている。

「これ可愛くない? 」

「ウィッグもある」

キッズスペースをのぞくと、

三鬼とハクが安達と新田、ティンと一緒に町を作っていた。

「昔は着せ替えも紙だったのに、

凄い進歩ね」

トリアが紅茶を飲みながらケーキを食べた。

「紙の着せ替えじゃ、破けちゃうじゃん」

「全く………今から百年前の着せ替えだって、

ちゃんとしてたのよ。

厚手の紙に印刷されたお人形にお洋服を着せるの。

お人形に挟んで両面タイプのお洋服に着替えさせたり、

可愛かったわよ」

牧野の疑問にトリアが答えた。
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