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番外編
トップの誤算
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突如消えた人食いビルは、
国内だけでなく海外トピックでも話題になり、
再びこの国は話題にあがった。
その事に関して、
現政権トップは開き直りともとれる発言をし、
一時炎上騒ぎになったが、
それも連休を挟むことで人々の興味は薄れていき、
政権は長く続くことで安定するのだと息巻いていた。
それに伴いリゾート開発再開が発表され、
黒地国民の一部を除き、
多くの者達が問題のビルが消えたのは、
大沢信奉者である大臣のおかげと称えていた。
その問題が大きくなったのが………
彼らの前に立ちはだかる結界の存在だった。
黒地でありながらど真ん中に結界が現れ、
一部の議員が足を踏み入れようとして、
目の前から姿を消した。
捨て地ではないので法案も無意味。
黒地の人間でも通勤通学、買い物客でも、
通常に通って生活できるものがいるのが分かり、
国は新たにその者達の研究義務化法案を通し、
研究対象者を見つけたら連絡を入れ、
ポイントを与えることを国民に通達した。
その為街中でも事件が多発し、
強制的に研究機関へ連れて行かれることを恐れた者達は、
這う這うの体で、
捨て地へ逃げ出してきた。
冥王室では向井達が話し合っていた。
「まさか、ああいう手に出るとは思いませんでした」
冥王がため息をつく。
「これでは黒地のかすかな灯も消えてしまいますよ」
向井の言葉に、
「まぁものは考えようで、あの中心部は白地のままですから、
あの土地は守られてます」
「でもね、逃げ出せなかった人が取り残されてんだけど」
とトリアがじと~っと冥王の顔を見た。
「………とりあえず、移住を希望している人は調べられるでしょ。
希望の捨て地に逃げられるようにしてください。
記憶操作しますから」
冥王が言った。
「そうなれば残ったものは、
真っ黒くろな人間だけだから、
こっちも気が楽か?
冥界の霊電だけは確保できるもんな」
ディッセがその場にいる者たちの顔を見回した。
「そうはいっても仕事をやめられない人もいるからね」
アートンがため息をつき、
「今度は毒の蔓延している場所を除去で見回るから、
その方がきついよ」
と顔を顰めた。
「そういえば牧野君はどうでしたか? 」
冥王が向井を見た。
「本人は何が起きたか覚えていないようでしたけど、
あの力が自分でコントロールできれば、
かなりの戦闘力ですね」
「そんなに凄かったの? 」
驚くトリアに、
「私は見てないから何とも言えないけど、
セイに次の悪霊退治の時には映像を残してって、
言ってたから」
とシェデムが笑って向井を見た。
「悪霊ハンターそのものの動作だったので、
次もあの力が出せれば汚名挽回できますよ」
「ほお~」
冥王も両手を組むと頷き、
トリア達は半信半疑の顔で笑った。
国内だけでなく海外トピックでも話題になり、
再びこの国は話題にあがった。
その事に関して、
現政権トップは開き直りともとれる発言をし、
一時炎上騒ぎになったが、
それも連休を挟むことで人々の興味は薄れていき、
政権は長く続くことで安定するのだと息巻いていた。
それに伴いリゾート開発再開が発表され、
黒地国民の一部を除き、
多くの者達が問題のビルが消えたのは、
大沢信奉者である大臣のおかげと称えていた。
その問題が大きくなったのが………
彼らの前に立ちはだかる結界の存在だった。
黒地でありながらど真ん中に結界が現れ、
一部の議員が足を踏み入れようとして、
目の前から姿を消した。
捨て地ではないので法案も無意味。
黒地の人間でも通勤通学、買い物客でも、
通常に通って生活できるものがいるのが分かり、
国は新たにその者達の研究義務化法案を通し、
研究対象者を見つけたら連絡を入れ、
ポイントを与えることを国民に通達した。
その為街中でも事件が多発し、
強制的に研究機関へ連れて行かれることを恐れた者達は、
這う這うの体で、
捨て地へ逃げ出してきた。
冥王室では向井達が話し合っていた。
「まさか、ああいう手に出るとは思いませんでした」
冥王がため息をつく。
「これでは黒地のかすかな灯も消えてしまいますよ」
向井の言葉に、
「まぁものは考えようで、あの中心部は白地のままですから、
あの土地は守られてます」
「でもね、逃げ出せなかった人が取り残されてんだけど」
とトリアがじと~っと冥王の顔を見た。
「………とりあえず、移住を希望している人は調べられるでしょ。
希望の捨て地に逃げられるようにしてください。
記憶操作しますから」
冥王が言った。
「そうなれば残ったものは、
真っ黒くろな人間だけだから、
こっちも気が楽か?
冥界の霊電だけは確保できるもんな」
ディッセがその場にいる者たちの顔を見回した。
「そうはいっても仕事をやめられない人もいるからね」
アートンがため息をつき、
「今度は毒の蔓延している場所を除去で見回るから、
その方がきついよ」
と顔を顰めた。
「そういえば牧野君はどうでしたか? 」
冥王が向井を見た。
「本人は何が起きたか覚えていないようでしたけど、
あの力が自分でコントロールできれば、
かなりの戦闘力ですね」
「そんなに凄かったの? 」
驚くトリアに、
「私は見てないから何とも言えないけど、
セイに次の悪霊退治の時には映像を残してって、
言ってたから」
とシェデムが笑って向井を見た。
「悪霊ハンターそのものの動作だったので、
次もあの力が出せれば汚名挽回できますよ」
「ほお~」
冥王も両手を組むと頷き、
トリア達は半信半疑の顔で笑った。
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