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番外編
牧野覚醒?
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入り口に足を踏み入れただけで、
脳が毒の重さに浸透されそうになる。
何かが建物全体に蠢くように動き、
悪霊の笑い声も反響して響いていた。
「な、何………これ…」
牧野の足が止まった。
「悪霊の繭です。
外につながる穴はトリアさん達と俺で塞いだので、
繭の中で悪霊が膨れているんですよ」
「これ………爆発しないよね…? 」
牧野が引きつった笑いで向井を見た。
「散った悪霊は外で式神が追ってくれるので、
牧野君は大元を除去してください」
「除去って………できるのか? 」
牧野が蠢く悪霊を見上げながら呟いた。
その時二人の体を見守りが包み込んだ。
「俺は結界をはるので、牧野君の力が頼りです」
「えっ? 俺一人? 」
驚く牧野に、
「そうですよ。俺はその後始末をします。
悪霊に飲み込まれない為にも頑張ってください」
向井が肩をポンと叩いた。
「………」
「その霊玉はこの時の為に、
四天王が神の灯を入れてくれたんです。
牧野君に呼応して、力を引き出してくれるはずです」
「筈って………」
「いつもの元気はどうしたんですか」
「………」
牧野は口をすぼめて面白くなさそうな顔をすると、
大きく深呼吸した。
ビル内ホールの中央に立つと、
「いいよ」
と合図を出した。
向井が大きく結界をはると、
バリバリバリ――――――――!!
落雷のような音を響かせ、ビル全体が揺れた。
外では突然の地響きに、
人々の動きが止まった。
ここ何年もこんな状態が続く黒地では、
以前ほどパニックになる者もおらず、
状況を確認するように周囲を見渡す姿が見られた。
エハも式神で悪霊を追いながら、
霊銃で除去していく。
アーケードの方からシェデムとエナトが駆けつけてきた。
「始まったね」
エナトが言い、三人はビルを見つめた。
牧野がジャンプし空中を駆け上がると、
うめき声をあげる悪霊に向かい、
霊玉を包んだ札を思いきり食い込ませた。
うぎゃぁぁぁぁ~~~~~~~~!!
ビルの揺れに合わせ、
その地鳴りの振動が人々に恐怖を与えた。
「あ、危なくない? 」
「ヤバイ感じ………」
言葉が飛び交い、一斉に動き出した。
落ち着いていた者達も、
混乱し始め我先にと走り出す。
シェデムたちはそんな人間を静かに眺めながら、
悪霊を除去していった。
牧野の体から光が現れ、
稲妻のような矢が手のひらから放たれた。
矢は動く悪霊の中心に突き刺さると、
その動きを止めた。
向井は冥王の言葉を思い出していた。
「牧野君の能力は未知数です。
本人は上手く使いこなせず、
持て余しているので苛立つんです」
冥王が笑った。
「この所向井君と一緒に除去をしていたので、
そろそろ覚醒してくれるといいんですけどね」
牧野の動きを向井も驚いて見ていた。
本人は無意識に体を動かしているので、
何もわかっていないだろう。
これが使いこなせるようになれば、
除去で受ける毒も少なくなる。
牧野が空中から降り立つと、
荒い息で膝をついた。
脳が毒の重さに浸透されそうになる。
何かが建物全体に蠢くように動き、
悪霊の笑い声も反響して響いていた。
「な、何………これ…」
牧野の足が止まった。
「悪霊の繭です。
外につながる穴はトリアさん達と俺で塞いだので、
繭の中で悪霊が膨れているんですよ」
「これ………爆発しないよね…? 」
牧野が引きつった笑いで向井を見た。
「散った悪霊は外で式神が追ってくれるので、
牧野君は大元を除去してください」
「除去って………できるのか? 」
牧野が蠢く悪霊を見上げながら呟いた。
その時二人の体を見守りが包み込んだ。
「俺は結界をはるので、牧野君の力が頼りです」
「えっ? 俺一人? 」
驚く牧野に、
「そうですよ。俺はその後始末をします。
悪霊に飲み込まれない為にも頑張ってください」
向井が肩をポンと叩いた。
「………」
「その霊玉はこの時の為に、
四天王が神の灯を入れてくれたんです。
牧野君に呼応して、力を引き出してくれるはずです」
「筈って………」
「いつもの元気はどうしたんですか」
「………」
牧野は口をすぼめて面白くなさそうな顔をすると、
大きく深呼吸した。
ビル内ホールの中央に立つと、
「いいよ」
と合図を出した。
向井が大きく結界をはると、
バリバリバリ――――――――!!
落雷のような音を響かせ、ビル全体が揺れた。
外では突然の地響きに、
人々の動きが止まった。
ここ何年もこんな状態が続く黒地では、
以前ほどパニックになる者もおらず、
状況を確認するように周囲を見渡す姿が見られた。
エハも式神で悪霊を追いながら、
霊銃で除去していく。
アーケードの方からシェデムとエナトが駆けつけてきた。
「始まったね」
エナトが言い、三人はビルを見つめた。
牧野がジャンプし空中を駆け上がると、
うめき声をあげる悪霊に向かい、
霊玉を包んだ札を思いきり食い込ませた。
うぎゃぁぁぁぁ~~~~~~~~!!
ビルの揺れに合わせ、
その地鳴りの振動が人々に恐怖を与えた。
「あ、危なくない? 」
「ヤバイ感じ………」
言葉が飛び交い、一斉に動き出した。
落ち着いていた者達も、
混乱し始め我先にと走り出す。
シェデムたちはそんな人間を静かに眺めながら、
悪霊を除去していった。
牧野の体から光が現れ、
稲妻のような矢が手のひらから放たれた。
矢は動く悪霊の中心に突き刺さると、
その動きを止めた。
向井は冥王の言葉を思い出していた。
「牧野君の能力は未知数です。
本人は上手く使いこなせず、
持て余しているので苛立つんです」
冥王が笑った。
「この所向井君と一緒に除去をしていたので、
そろそろ覚醒してくれるといいんですけどね」
牧野の動きを向井も驚いて見ていた。
本人は無意識に体を動かしているので、
何もわかっていないだろう。
これが使いこなせるようになれば、
除去で受ける毒も少なくなる。
牧野が空中から降り立つと、
荒い息で膝をついた。
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